福岡アボジ会同行記-2 | トンポ・トンネ 日々イモジョモ

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福岡アボジ会「関東ウリハッキョ視察」同行記・初日-下
【1月30日・水曜日】初日・西東京第2と東京第2へ。
 
町田駅までは通学バスで送ってくれた。そこから代々木上原、表参道、永田町で3回乗り換え、東京第2の最寄りの豊洲駅へ。途中、普通電車と快速急行と乗り違えたり、乗り継ぎ駅で戸惑ったり、豊洲の駅では出入り口が10もあり、まったく「案内役」を果たすことができなかった。
「枝川」の朝鮮部落の話をしながら、学校に向かった。福岡にも「金平団地」と呼ばれる同じような朝鮮人の集落があったが、いまでは枝川同様、その面影はないと話していた。
李校長が校門まで出迎えてくれた。
一行はまず、校門左手の大きな記念モニュメント「마음의 고향」に秘められた、地元同胞と日本市民、南の人々のウリハッキョへの思いについての説明に耳を傾けた。
「背景の黄色は朝鮮半島の故郷の土の色で、水色は植民地時代多くの同胞が渡って来た玄界灘の海を…たくさんの人々の表情には…」
また、道路と学校の間の1メートル余りの階段の段差は、 開校当時の同胞の「ウリハッキョサラン」の結晶だとの説明には、大きくうなずいていた。ここ一帯は、「ゼロメートル地帯」と呼ばれていた。雨が降れば水浸し、台風が来れば、床上まで水が上がって来た。それで学校を作るとき、地元の同胞総出で「盛り土」をしたのだ。
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下校時間が過ぎていた。ガラス越しに見えた、一階の多目的ホールに机に座った児童が「学童」との説明。男子児童が何人か窓に走り寄ってきて、大きく手を振ってくれた。
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 運動場では、何人かの児童がボールを蹴っていた。乳母車をひいてその様子を見ていたアボジは、この日訪問した一行の誰かの同級生? 思わぬ再会を懐かしんでした。夜間照明付きの人工芝の運動場は、児童たちが下校した後、夜には地元の日本人のスポーツクラブに開放していると、李校長は話していた。
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一行は、教室と体育館が「一体化」した校舎に驚嘆し、教室と教室の間に作られた学年別の読書用空間(アルコープ)に、感心していた。福岡の趙校長は、壁に貼られた「ウリマル習得運動」のポスターや教材などについての李校長の説明に注意深く耳を傾けていた。
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 天窓と大きな窓から光が差し込む体育館は、とても開放的だ。集会用の移動式の舞台、扉を開ければ舞踊部やテコンド用の大きな鏡が姿を現す仕組み…。昨日までは「校舎を建て替えるかも…」という話だったが、「建て替える時は」の話に変わっていた。
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 建設委員会のメンバーが「これぞ」といった日本の学校をいくつも見学に行って、練りに練った校舎だけに、李校長の説明が長くなるのも仕方がないようだ。一行はシャッターを切り続けていた。
途中から視察団に合流したただ一人の「独身」の青年も 「こんな学校で子どもが学べたら…」。まだ、結婚もしていないのに、そんな言葉を口にしていた。その彼もまた、アボジ会の他の3人のメンバー同様に、斜線の同じネクタイを締めていた。昨年4月、「100周年記念代表団」として平壌を訪問した青商会の「101人」グループの一人だ。とても意欲的だ。
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 多目的ホールに席を移して、教育会の宋会長との懇談。
土地問題をめぐり東京都と「和解」が成立後、新校舎の建設に取り組んだが、校舎の位置を決めるだけで2年もかかったことや、着工前に考えてもいなかった設備の「後付け」に予想外の費用がかかったこと、メンテ費用の確保など、具体的数字を挙げて話ははずんだ。
裁判や新校舎建設も経験した校長だけあって具体的で、飾らぬ話に一行は、満足したようだ。
宋会長が新校舎建設と関連して強調していたのは、 児童の安全のための「耐震構造」と建築後の維持など学校運営全般を健全化するための「収益の確保」、地元住民にも役立つ「公益性」の三つだった。
 一行からは「学校運営の健全化」について、たくさんの質問が出た。
宋会長は、土地の高騰などで、学区の中央区と江東区に引っ越して来る子連れの若い世帯が減少するなど厳しい現状の中でも、近い将来、初級部の無料教育を実現させたいと意欲的な姿勢を示し、その実現可能性についても具体的に説明した。
 福岡初級、東京第2と同じく、一支部一校、旧朝鮮部落を抱えている。地域的特色も重なり話が弾んだ。
 九州には福岡初級学校の他に、北九州市に中・高級学校と初級学校がある。長期的な不況のあおりで、北九州市が「縮んで」、福岡市の人口が増加傾向にあるので、福岡初級「再生」の可能性は十分見込めると考えているようだ。以上が懇談会の第1ラウンドだ。
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 懇談会の第2ラウンドでは、東京第2側から、教務主任と1年生担任のベテランの女性教師が出て、児童の確保と児童の学ぶ力の向上について話した。
 
○児童の確保は、学校と地元支部による「民族教育対策委員会」が担当している。
毎週火曜日を「イニップ サオプ(児童勧誘)の日」に定め、教員と地域の役職者が一丸になってあたっている。
「人数が少ないから送らない」という声が出ないよう、1学年10人前後を目標にしているが、今年はどうにか達成できそうだ。しかし来年はまだ見通しが立たない。
 
「キッズクラブ」なども運営し、学齢期児童を探し出すことに苦慮しているようだ。青商会も毎週フットサルの練習や試合を組織し、学父母対象者との接触を積極的に図っている。 学校の多目的ホールで「韓国語」を学んでいる元日本人教師も協力しているようだ。この日も、その元女性教師に「学童」を手伝ってもらいながら、「イニッサオプ」の協議をしていた。
 
○学ぶ力の向上については、先生の責任感を高める一方で、児童が学ぶ喜びを持てるようにすることに力を注いでいる。 
 教師のやる気、意欲を高め、それを維持させるのが大切だ。そのために、国語と算数、日本語について先輩教師が後輩の授業指導にあたったりして、教える力の向上に力を注いでいる。あくまでも重点は母国語の習得だ。それで教員にも朝鮮語の語彙の調査と習得など宿題を課している。
 体育と社会の授業を、引退したベテラン教師に依頼しているが、定年退職した元教師の助けを借りることも大切だといっていた。
 李校長は「量は質を向上させ、質は量を確保させる」と、教育の質向上と児童の確保は表裏一体だと語っていた。
 
○少人数の学校での部活の指導についても話が及んだ。
男子は全員がサッカー部、女子はバスケットボール部に、その他音楽か、舞踊クラブに属するようになっている。低学年はサッカー、バスケ、卓球のいずれかのクラブに属するようになっているが、3年になると高学年と一緒に練習させているようだ。
「部活指導委員会」をつくり、すべての先生が部活での出来事を共有するよう努めているとも、言っていた。
 
○給食は週1回行っており、オモニ会のメンバーやOB、ハルモニたちが担当し、1回300円に抑えているとも
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ここでは、教職員全員と記念写真を撮った。
早朝に空路で上京し、西東京第2で2時間半余り、電車を3度乗り継いで移動したあと、今度は東京第二でやはり2時間半余り視察。厳しいスケジュールで疲れも見えたが、夜は引き続き、東京第1の新校舎建設委員会のメンバーとの会食を兼ねた懇談が組まれていた。
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ブログ「かっちんの青商会物語」には、その晩の様子が次のようにつづられていた。
「ソンレ校長先生以外、13人は去年4月101人朝鮮訪問団のメンバーです」「 3日間で4つのハッキョ(東京第2・西東京第2・埼玉・南武)を訪問。本当に熱いです、常に学ぶ姿勢が素晴らしい。今後の福岡の発展に活かせる収穫が沢山あったと思います。ウリハッキョは北海道から九州まで、日本一のマンモスハッキョ。福岡初級ハッキョからも学ぶことが多かった。楽しい1日でした」
「マンギ会長も熱く語っていました。みな真剣に聞いてました。ソンレ校長ソンセンニンからも学ぶことが多かったです。ヨロガジ コマッスンミダー。九州青商会ソングン会長が最後に締め、これからもウリハッキョを守るため頑張っていきましょうと」。
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 つづく