【2月2日・土曜日】東京第9の餅つきへ。
学校に着いたときは、在校生の餅つはも終わり、児童たちは多目的ホールで、餅を美味しそうに食べていました。
オモニ会のメンバーは、ひたすら餅をあんで包み、きな粉をまぶし、海苔で巻いていました。。

何年生なのでしょう、男子児童は豚汁の鍋をかきまぜていました。
「家でお手伝いをしないので、特訓している」との声も聞こえましたが、。「チォッカン ハクセン」です。
餅つきもしていないのに、ごちそうになりました。具だくさんの豚汁もです。
同じテーブルに座った、「阿佐ケ谷朝鮮学校サランの会」の内田先生は、いつになく多弁でした。
家でも餅をついていたという先生は、アボジ会は青商会のメンバーや先生、児童に手本を見せていたようです。

運動場から賑やかな声です。午後から学校案内と制服を受けるための「一日登校」に来た新1年生が餅をつき始めたのです。アボジと一緒に杵をふりあげたり、新1年生担当の5年生の男子児童の手を借りたりしてです。

「サランの会」の伊藤さんや三木さんが臼の中の餅をこねたり、号令をかけたり、すっかりウリハッキョに馴染んでいました。「サランの会」のTシャツを着た三木さんは、目立っていました。(お腹もですが)
写真係はいつものように、教務主任です。いつものように「カメラ」できなく、「キャメラを向いて」と「キャメラ」という言葉を連発していました。新1年生だけではなく、保護者が連れてきた幼児たちも5年生の男子児童に支えられながら、思いっきり杵をふりあげていました。

新1年生と保護者たちも多目的ホールの一角に作られた席で食べ始めました。意外とアボジたちも多かったようです。5年生の「世話係」は行ったり来たりしながら、新1年生の面倒を見ていました。
オモニ会のメンバー・「オンニ、チェーグに来てくれw嬉しい。待っているからね。開放的でとても良い学校だから…」
新1年生のオモニ・「…」
もう一人の新1年生のオモニ・「まだ迷っているの…バス酔いをするので通えるか心配で…」
「1日登校」に児童を連れてきたものの、第9にするか、第3に入れるか苦慮するオモニや、バスや電車での通学が心配で、ウリハッキョするか、イルボンハッキョ(日本の学校するの)か、決めかねているオモニもいました。
東京の場合、どの学校も学区が重なっています。第9と第3もです。

「サランの会」のメンバーもテーブルを囲みました。
茅原さん・「イルウさんも一緒に」
私・「遅れてきてお餅もついていないのに、もう食べました」
申さん・「エゴマを撒まいた餅も食べた?」
私・「それは…」
三木さん・「初めて食べました。美味しい」
三木さんは豚汁を何回かおかわりしていました。
申さん・「豚汁いいでしょ。第9では餅つきといえば豚汁です」
申さんは、豚汁の由来について楽しそうに話していました。
料理が余り上手ではなく、そこそこに作れたのは豚汁だけです。もうかれこれ30年も前のことです。
「冬の根菜類をすべてたべることができる」とか何とか言って、豚汁で押し切りました。
その頃の「オモニ会」の会報に書いてあります。私が朝鮮語が分からなくて、日本語で出し始めたのですが、そのうちウリマルを流暢に話すオモニが朝鮮語で書き始め、読めなくなって…。

その場で、もうひとつ話題に上ったのは、内田先生の「奮闘ぶり」でした。
内田先生が学校に着くと、3階のベランダに並んだ6年生の児童が一斉に、先生に向かって「み・や・ざ・わ・け・ん・じ」「み・や・ざ・わ・け・ん・じ」と叫び、先生が気がつくと、声を合わせて「アメニネマケズ カゼニモマケズ」を諳んじたというのです。昨年の「サランの会」による一日給食と特別授業のとき、6年生に宮沢賢治について話した内田先生は、茅原さんが言うには「大感激」、「それはとてもいい 光景でした」と。何枚も写真を撮ったようです。それで内田先生は、「いつにも増して、はりきったのでは…」とも。*下の2枚の写真は茅原さん提供


傍のテーブルでは、鄭校長が5年生の男女児童と楽しそうに言葉を交わしていました。
当日の「日程表」に描かれたイラストが「エグイ」というのです。女性の某先生が描いたというのですが、説明不可能な、不可解、不気味さが漂っていました。

食べ終わった児童たちは2階の教室の床に座り込んで、折り紙を折ったり、積み木を並べたりして遊んでいました。新1年生たちもすっかり、オッパ、ヒョンニム、オンニ、ヌナ(お兄さん、お姉さん)になついていました。

学校の説明会-現在、1年担任の先生の話に真剣に耳を傾けていました。

隣の教室からは、新1年生の笑い声が聞こえてきました。笑っているのは、新1年生だけではなく、5年の児童たちもです。

最後のイベント、学区の青商会からの制服のプレゼントです。
写真を撮るため、何度も受け取るポーズをとっていました。
その光景を見ながら、あるオモニは「家に帰って、制服を着せるといよいよだとの気持ちになるのでは…」と、少し緊張気味に話していました。

帰り道、4年生と1年生の児童を連れた学父母と一緒になりました。
オモニは、「入学してくる子どもを見たら、うちの子もこの1年間で大きく成長したと思います」と、すこし誇らしく語っていた。
忘れ物を取りに学校に引き返すと、運動場ではまだ児童たちがボールを追って、駆け回っていました。
私・「お国はどこですか?」
先ほどの学校説明会の時、ただ一人参加していた男性に声をかけた。
男性・「コンゴです」
私・「日本語は分かりますか?」
男性・「少しだけ。コンゴの言葉とフランス語は大丈夫ですが…」
私・「日本語で話してくれますか。なぜ、ここの学校に入れようと思ったのですか?」
男性・「うちのが在日で、小さい時から朝鮮語を習わせたいというので…。私も習い始めました」
私・「奥さんは?」
男性・「先に帰りました。娘がもっと遊んで行きたいというので…」
そのアボジは時折、娘に帰ろうと促していたが、新1年生の女子児童は、夢中になってボールを追い続けていた。

■「サランの会」の三木さんの、その日の感想です。
今日は晴天に恵まれた第九初級の校庭でお餅つきがありました。
申副会長、茅原さん、伊藤さん、松尾さん、内田さん、金日宇さんが、アポジ会、オモニ会朝青の皆さんとお餅つきに参加しました。
第九の生徒たち、就学前の子供たちみんなで楽しくつきました。こどもたちは、よく餅つきの様子を観察していて、こねる作業ももつきも上手にこなしていました。
多目的ホールでは、あんころ餅、きなこ餅、磯部巻き、朝鮮のり巻き、そしてエゴマの葉で巻いたお餅と、おいしい豚汁をいただきました。
余りにおいしいので、三杯もいただいてしまいました。
休憩の時、申さんが今から三〇年前からつづられたオモニ会の通信を見せてくれました。手書きのプリントでした。
今日は適度に体を動かしおいしいお餅をいただいたので、総武線で座ったとたんに爆睡。気がつけば乗り換え駅の秋葉原でした。
こどもたちは食事の後、サッカーや一輪者で動き回っていましたが、どこかにきっと太陽電池か高性能バッテリーをかくしているのかもしれませんね。
お餅つきの始まる前、生徒たちが練習する民族楽器の演奏が聞こえてきました。学芸会の発表も楽しみです。
今日も楽しく過ごさせていただきました。コマッスミダ!
■茅原さんの感想です。
皆様お疲れ様でした。去年大風で倒れた桜に花芽がついていました。その下で大人と子どもがいっしょの餅つきはいい風景でした。できたてのお餅と豚汁を子どもたちに混ざって堪能いたしました。
新入予定の親子ずれもいらしていて、暖かい日差しといっしょに新学期のワクワクが感じられる、いい日でした。
新入予定の親子ずれもいらしていて、暖かい日差しといっしょに新学期のワクワクが感じられる、いい日でした。
*3月に刊行する隔月版ブックレット『朝鮮学校のある風景』に加筆・掲載します。