「阿佐ケ谷朝鮮学校サランの会」の月例会に参加するために東京チェーグー(東京朝鮮第9初級学校)へ。
何度行っても道に迷い、学校の周辺の住宅街を何度となく行き来してしまいます。余裕を持って行ったところ、一番乗りでした。職員室の窓越しに身体の大きいチョン校長とサッカー部のカン部長が何やら話していました。多くの先生はパソコンとにらめっこをしていました。

玄関の正面には「ようこそ! ウリハッキョへ」の大きなポスターと、「東京チェーグーのトンムたち!! 訴えます! 力を合わせてウリマル100%」とのポスターが並んで貼られていました。

「ウリマルをよく学び使う模範学校」-目標です。その下の「65」「東京第9」の文字は、学校創立65周年という意味です。「果たして一番になるのはどのチームでしょう?」-「千里馬」、「統一」、「チュチェ塔」、「白頭山」、「万景台」、「凱旋門」の6つのチーム名と100、200、300,400のメモリがついています。競争しているようです。
その周りを「ウリマル」、「団結」、「道徳」、「宿題・学習道具」と言う言葉が取り囲んでいます。

その隣には「一つになった心」「突破しよう」と言う文字を中心に、ウリマルで決意をつづった色紙を持った児童の写真が貼られていました。みなが笑顔です。前歯が一本ない男子児童は「ガキンチョ」丸出しです。女子児童の何人かはおすましさんです。
「ウリマルをもっと一生懸命学びます」、「ウリマルの責任者として頑張ります」、「1、2年生が日本語を使ったときは、ウリマルで直してあげます」、「模範学校を勝ち取ろう」、「私は(ウリマルで)早口言葉が言えるよう練習します」、「日本語で話す前に先生に訊きます」、「低学年にウリマルを教えてあげます」。中には、「縄跳び頑張ります」と運動の趣旨とかけ離れた言葉も、1年生です。書き直させないで、貼り出す、このおおらかさがウリハッキョらしく思えました。

2階に上る踊り場に設置された、「あなたも私も学ぼう! ウリマル掲示版」には、18のウリマルの単語と日本語訳が紹介されていました。
「マフラー」、「ほかほか」、「かさかさする」など、季節柄の単語が並んでいました。
「말이 헤프다」「사자머리」が「おしゃべり」、「ぼさぼさ頭」であることは初めて知りました。「ゲップ」、「かさぶた」も思い浮かばない単語でした。

自転車に乗った人が着きます。近隣の住民なのでしょう。午前中、日本軍「慰安婦」被害者に謝罪と賠償を促す世界同時行動-外務省を「人間の鎖」で包囲する催しで会った女性もいました。「今日はWヘッターですね」と話しかけられたが、実はトリプルでした。外務省での「人間の鎖」の後、京橋の画廊での在日同胞美術家による美「2011クリム展」に立ち寄りました。「クリム」とは「그림」、絵と言う言葉の朝鮮語読みだと思っていたのですが、実は朝鮮を意味する「丘林(クリム)」でした。
会場の会議室の前の講堂に飾られた手作りのクリスマスツリーが話題になっていました。
日本人の中からは、「朝鮮学校でもクリスマス会をするのですか?」、同胞からは「ひと昔前だったら、アメリカ帝国主義の文化浸透とか、なんじゃらかんじゃといわれたが…」そんな話が交わされていました。
4月に発足した「サランの会」は、夜会やバザーなど学校行事に参加しただけではなく、杉並区議会への補助金要請などにも取り組んでいます。夜会では、冷やしキュウリとオイキムチを売り、売り上げを学校に寄付しています。
月例会では、12月3日に催された高校無償化を求める1300人集会の報告、東京都の補助金問題、2月の餅つき大会と学芸会、来春の第2回総会と映画「まとう」の上映会などについて話し合われました。
来年1月に発行する「サランの会ニュース」の3号に、チビッ子サッカーチームの平壌訪問記を載せたいとの意見も出されました。

1号に載った結成総会の「参加者の声」は感動的です。心温まる言葉が詰まっていました。
「朝鮮学校を初めて訪問」―
「杉並区には子どものころから住んでいるので、そこに朝鮮学校ががあることは知っていたが、よくわからない存在だった。
小学校の時には、ぼくの学校の生徒が朝鮮学校の生徒とけんかをして、石を投げつけるなどの騒ぎがあった。ただし興味を持つようになったのは、皮肉なことだが、拉致問題などでバッシングされるようになってから。ドキュメンタリー映画を見たり、朝鮮大学校の学生が話をする集まりに出かけたりした。私とは少し違う価値観を持っているが、同じ人間だと思った。違いを認めた上で、なお共存していくのが社会の原則だ。朝鮮学校を守る働きかけは、日本の中の多様な人々を結び付けないと、難しい。
愛(サラン)の反対は無関心。大多数の日本人はまず興味を持つところから。もちろん排外主義は社会人として恥ずかしいこと。いろいろな右翼を野放しにしたことには、猛省が人ようだ。
平等な高校無償化を実現することは、心ある人々に連帯を作り出し、日本社会の質を高めることにもなる。『サランの会』にはいろいろ期待しています。」
「朝鮮学校のあたたかな空気を伝えたい」―
「30年以上前のことです。小学生だった息子が杉並区合同文化祭のプログラムを持ち帰りました。出演校に第9初級学校の名がありました。『朝鮮の学校の子も出演するのね」と問い、「いっしょの文化祭っていいわね。その学校、上手だったでしょう』と聞きましたら、『気合が違うんだよ。気合が』との返事が返ってきて、笑ってしまいました。きっと『かなわないな』と思っていたのでしょう。
ここ10年ほど、第9初級学校の授業参観や『夜会』での生徒さんのテコンドーのご披露などを見学させてもらっています。私も幼い子どもたちの真剣な演技をかわいいなあと見守る歳となりましたが、いつも教室の雰囲気がアットホームで穏やかで、それなのに『エート』と考えながら発言する真剣さ。見学の大人が後ろにいるからだけではないようです。
この学校では先生方、父母の皆さんの真剣なあたたかさが子どもさんに生きているようです。いっしょに生きている大人と子ども、この空気を日本のなかにも伝えたい、サランの会がそんなことができたら、と願っています。
月例会が終わると、副代表の申さんが参加者一人ひとりにキムチと朝鮮の餅などを入れた袋を配りながら、話を交わしていました。感謝をキムチを漬けたのですが、暖かい日が続き、キムチが漬かりすぎて酸っぱくなったので、チゲ(鍋)の具材用に調理したようです。この何か月間の活動を通じ、親しみも増したようです。
帰り際に、講堂の隣を見ると「11月に新しく購入した本」を紹介するポスターの写真を撮りました。
11月下旬にチビッ子サッカーチームの「祖国訪問報告会」に行ったとき、「11月の本」として紹介されていた本と違っています。『じゅげむ』の本があったと、記憶していたからです。
翌日、チョン校長に確認したところ11月ではなく、12月でした。毎月を選定しているのはオモニ会のようです。オモニ会も頑張っています。

玄関には、枯れ葉がぎっしり詰まった三つのゴミ袋が置かれていました。児童たちが掃き集めたのでしょう。先日、ちびっくサッカーチームの「祖国訪問報告会」で訪れたとき、体操着を忘れて座っていた4年生の男子児童のことが思い浮かびました。

その後の忘年会では、会の長谷川代表や労組のみなさん、チョン校長からたくさんのお話を聞くことができました。感謝!!!!
ウリハッキョだといってけっして一律的ではありません。個々の学校カラーがあります。これからも、その「カラー」を探り、書き続けたいと思います。ik