【07年5月12日・土曜日】草創期のチェーサムの主(ぬし)的存在とも言えるC先生からの電話。
草創期に11年に渡って教鞭を取っていらした、「物語」の中でも、多くの児童からに慕われ、教職員からの信任も厚かった在日朝鮮人教育界の重鎮の一人だ。
「郵便局に行ったが、口座番号が分らず本代を振り込めなかった」とのことである。
「先生からお金をいただくわけにはいかない」と固くお断りする。それでも本代は受け取れとのこと。ありがたい。
電話を切られる前に一言。「誤字があった」と、朝鮮語の表記での誤りを指摘された。
いつものことであるが、「本」を送り出してからの不安の一つが誤字、脱字である。
妻が話してくれたソウルでの体験話の一つを思い出す。韓国の大学教授が出版した本を同僚の教授や、学生に配るのだが、決まって誤字、脱字を指摘してくれるのは、学生とのこと。教授たちからはそんな指摘を一度も受けたことがないというのだ。誤字、脱字はないことにこしたことはないが、自分の本が読まれているとの証として、嬉しく受け入れているとのことだ。
そんなことを思い出しながら、教え子から「本」にいちいち目を通される、C先生への尊敬の念をますます深めた。
「本」を送り出した後、一番最初に電話をくれたのは、女性同盟のK先輩である。
「コマスムミダ」その一言がありがたかった。翌日、大会場でお会いしたら、「本当に大きな仕事をした」とのお褒めの言葉も。
L先生からは留守電が入っていた。
「自分の人生を子や孫たちに伝えることができる。画家の夫は絵を残し、私はこの「本」を残せ。とってもよかった、最近にない感動だ」