水上千之『現代の海洋法』(2003)より(赤字・赤丸は拙筆)
尖閣諸島沖で中国漁船と海上保安庁の巡視艇が衝突し、中国人船長が逮捕された問題で、中国人船長が処分保留で帰国し、フジタの社員4人がスパイ容疑で捕らえられているなか、10月4日に日中両首相がブリュッセルのASEM会議の廊下で立ち話をし、戦略的互恵関係で一致し、両国の緊張がゆるんだ3日後の7日、「中国はなぜ横暴か」(ニューズウイーク日本版・10/13)の記事を読んでいたら、この漁船衝突事件に関して、
「強硬姿勢を強めているとはいえ、中国も中国なりの理屈がある。尖閣諸島沖の漁船衝突事件も、取締りの正当性を強調する日本とは異なる理屈で捉えている。
日中間には97年に締結された日中漁業協定があり、自国領海内で他国の船舶が違法操業しても、それを取り締まることが原則的に禁じられている(仮に拿捕した場合でも、速やかに釈放されることが多い)。そのため中国は、今回の尖閣問題における日本側の一連の対応を日中漁業協定に違反した行為と解釈している。」(P.23)
として、中国側が日本側の停戦命令、逮捕、国内法の適用について、日中漁業協定違反と捉えていると書いた。
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この日中漁業協定とその取締り禁止の原則ルールを始めて知って驚いた。 ネットで見つけた「日中漁業協定概説」 の記事を読むと、
①最新のものは、1997年に日中間で締結された日中漁業協定(新協定)で、2000年に発効し、新協定の有効期間は発効後5年間であり,以後は締約国のいずれか一方の通告により,通告後6ヶ月を経て失効すると定められている。
②日中両国がその領有権をめぐって争っている尖閣諸島周辺に関しては,「暫定措置水域」を設置するという形で妥協的な解決がはかられた。
③暫定措置水域内では,いずれの国の漁船も相手国の許可を得ることなく操業することができ,各国は自国の漁船についてのみ取締権限を有する(§7)。同水域における操業条件は日中共同漁業委員会が決定する。同水域において相手国漁船の違反を発見した場合は,その漁船・漁民の注意を喚起すると共に,相手国に対して通報することができる。
の3つの事項が決まっており、2004年までは有効で、尖閣諸島周辺は「暫定措置水域内」であり、同水域において相手国漁船の違反を発見した場合は,その漁船・漁民の注意を喚起すると共に,相手国に対して通報することができるのみであることがわかった。
つまり、尖閣諸島沖では中国の漁船を取り締まれるのは中国のみであり、日本は中国の漁船・漁民の注意を喚起すると共に,中国に対して通報することしかできない。停戦命令、逮捕、国内法の適用について、日中漁業協定違反と捉えていると書いたニューズウイークの記事を裏付けたかたちだった。
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この「日中漁業協定」が2010年の今も発効しているのか知りたくなったので、水産庁に電話して聞いたら、国際部に内戦をつないでもらった。
水産庁の職員によると、
①「日中漁業協定」は締結国の通告がないので今も発効している。
②尖閣諸島沖は「北緯27度以南水域」で日中のどちらも操業できる。
しかし、今回の衝突が起きたところは尖閣諸島の日本の領海12マイル12海里内なので、「日中漁業協定」が定める範囲内ではなく、領海侵犯として海上保安庁が適切に対応した。
今回のような事例が過去にあったか聞いたが、それは海上保安庁に聞いてくれとのことだった。
結局、漁船衝突事件に関しては、日中漁業協定のルールの範囲外で起きたことであり、両国が尖閣諸島沖の領海内で起きた事件と捉えていることのほうがより確からしいのであって、ニューズウイーク日本版が指摘した「中国は今回の尖閣問題における日本側の一連の対応を日中漁業協定に違反した行為と解釈している」という解釈は考えにくい。
尖閣諸島沖12マイル12海里の領海の中での中国船の操業については海上保安庁の過去の対応を調べてみないと、今回のケースが特別な事例であったのかはわからないので、今後、機会があれば調べてみたいと思う。
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P.S.
今日は一日中ぐったりしていて記事はかけそうもなかったのだが、テレビを観ていたら二日断続で、怒りの輝きのようなものを観て、目がくらみそうなので、久しぶりに冷や汗をかきながら必死で書いた。ふぅ...
まだ、つかれが抜けないよう(>_<)
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訂正 10/13 青字




