3歳未満の子どもを持つ世帯に一人当たり7千円の子ども手当ての増額を決めた菅政権(2日)=朝日新聞(12/3)1面
3歳以下の子どもを持つ親の55%が子ども手当てを使わず貯金に...=朝日新聞(12/8)6面
子ども手当てで親の虐待に遭う子どものための公営の避難所を望む読者の声=朝日新聞(12/8)14面
菅政権が一週間前の2日、来年度から、3歳未満の子供を持つ世帯の親に、3歳未満の子供一人につき、7千円増額の2万円の子ども手当てを決めた。理由について、玄葉光一郎国家戦略相は、
「(15歳以下の)年少扶養控除の廃止で実質手取り額が減る逆転現象(の世帯)がある。一般的に若い親は所得が低い」と説明。(朝日新聞より)
年少扶養控除が廃止されることで、一部の世帯で収入の手取り額が減るから、全世帯に子ども増額するということだ。
結局、3歳未満の子供を持つ世帯では子ども手当ての増額によって、3歳以上の子供を持つ世帯よる収入が増える世帯が出る。晩婚化が進み、30代後半から40代の母親の出産が増える昨今で、「一般的に若い親は所得が低い」という説明も説得力に欠ける。
・・・
ところが、その3歳未満の子供を持つ親の約半数にあたる55%が、子ども手当てを「子どもの将来のための貯蓄・保険料」に使うということが、7日、厚生労働省の初の調査でわかった。「子どもが小さいほど貯蓄する割合は高まる」(朝日新聞)ようだ。子供が3歳未満でなくても、子ども手当てを受け取った家庭の実に42%が使わずに貯蓄する。また、「日常生活費など、子ども以外の目的に使う家庭は4分の1に上る」そうで、単に子供のいる世帯にだけのカネのバラマキになっている。
もともと、子ども手当てが始まった当初は、子ども手当てによる経済効果を政治家、評論家、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌が盛んに喧伝していた。景気対策の一環であるはずの手当てだったはずなのに、十分に子どものために使われていない。厚労省はこの貯蓄について「子どものために使うなら問題ない」と使われなくてもよしとする開きなおりようだ。
・・・
この厚労省の調査が載った朝日新聞の読者の声を読んだら、気になる意見があった。以前、その新聞に載った虐待児の避難所の不足の記事に関するものだ。
親などから虐待を受けているのに、公的施設で保護しきれないケースが多く、民間の支援頼りの避難所ができているが、数週間しか泊められない現実では「再チャレンジできる居場所」にもならない、という。
意見を投稿したこの主婦の方は、子ども手当てを受けていながら、「子ども手当の使い道は「これだ」と思いました」と言い、その理由として、「自立へ向けた居場所も、信頼できる大人もいなければ、子どもたちは路頭に迷うだけです。私たちの税金は、私たちすべての財産である子どもの未来にかけ、長期滞在ができて通勤、通学、就職活動もできる「次の居場所」づくりに投じてみてはいかがでしょうか。」と大人に助けてもらえない子供を助けるために子供手当てを使おうと、呼びかけている。
・・・
今年、70歳~74歳までの国保の負担割合を所得に寄らずに1割から2割負担に引き上げることが厚労省によって検討されている。しんぶん赤旗によると介護保険料も引き上げになり、利用も大幅に制限される見込みだ。来年度から施行される障害者自立支援法「改正」案では、課税所得所であれば低所得者でも1割の施設利用料の負担を強いられることが国会で決まった。
政府は社会的弱者である高齢者や障害者にのきなみ負担増を強いている。そのなかで、ほんとうに必要があるのかを十分に検証されていない「子どもを持つ親の手当て」の増額ばかりを政府は叫んで、親に虐げられている子供に対しては公的扶助がほとんど役に立たない。
『玄葉光一郎国家戦略相は「社会全体で子どもを育てる子ども手当の理念を、もう一度考える必要がある」としており、所得制限に反対する意向だ。』朝日新聞より
社会全体で子どもを育てるためには高齢者や障害者や親に虐げられている子供に痛みを押し付けて、「子どもを持つ親の手当て」の増額だけをすればいいのだろうか...
「社会全体で子供を育てる」ためにどうしたらいいか、朝日新聞に意見を投稿した主婦が、問いかける意味は大きい。




