ハノンピアノ教則本、
ピアノを本格的にやった方なら必ず通った、大切な教則本ですね。
イメージとしては、単調な指のトレーニング、ひたすら機械的なくり返し・・・
というネガティブな印象を持たれた方もけっこうおられるでしょう
ですが、ある程度音楽的な知識を持っていれば、
この練習曲(教則本)には、特別な意味があることに気づかれるでしょう。
「ハノン」を作ったのは フランスのオルガニスト、音楽教育家の ルイ・シャルル・アノン(-1900)で、1873年に出版されました。なので、フランス風に原語で読めば「アノン」になります。
ちなみにアノン(ハノン)の人物像については、19世紀も後半の割には、その詳しい生涯、綿密な仕事歴はさほど明らかになっていないようです。
生涯にこれ以外の写真などは残っていない?
ハノンピアノ教本、正式名称は「60の練習曲によるヴィルトーゾピアニスト」 で これをこなせばあなたはピアノの名人になれる、といった謳い文句的なものが結構含まれているようです。もちろんピアノの曲も沢山練習しての話ではありますが(笑)、その準備段階としての練習メニューを様々網羅しています。
1冊100ページ以上あるこの教則本のあとがきに 一定期間、毎日この本を全部ひかなければなりません。全部弾いてもたった一時間、大きな実がなる事を思えば(略)
・・・まぁ1時間で弾き通すには名人的ピアニストでもなければかなり困難なのでは、と思いますが。
全体を簡素化し、より基礎的な部分をまとめた、こどものハノン
個人的に、ハノンは決して嫌いではありませんでした。なぜなら目的が比較的はっきりしていて、苦手な部分を取り出して練習できる。
これ自体は音楽とは言えないかも知れませんが、指のトレーニングと強化(指の筋トレと言えます)と割り切ったら、特に、曲を弾く前に有効だったりします。
1番~30番までの様々な音列の練習で、本来弱い4指と5指を他の指同様の強さで楽に素早く動かせるようになりますし、リズム練習を取り入れることでより効果が上がります。
これはあまり聞かない練習法だなぁ・・・
対して、ツエルニーの40番、50番などは、大抵嫌になったものです・・・なぜ、これらをやる必要があるのか、ずっと理解できませんでした。
ハノン 音階とアルペジオ (かなりのスピード💦)
上の、音階とアルペジオもとても実用的、いえ、ある程度ピアノをやる上では欠かせないもので、演奏家を目指すクラスならこれらを3度や6度ずらして弾く、など別メニューを入れるのは普通のようです。
様々な使い方があるハノンですが、総じて
・子供の頃ピアノをやっていて挫折しましたが、大人になってまたやりたい。その際できるだけテクニックをつけたい。
・ピアノは全く初めてですが、もう大人なので指が手っ取り早く、「動く」ようになるのはどうしたらいいか?
・趣味でピアノを弾いていきたいけど、練習時間があまりない。とりあえず指は衰えさせず持続させたい。
・・・これらの方々にもとても重宝する教則本、練習メニューと言えそうです♪
ジャズ・ハノン? これは指の練習の域を超えて音楽的に興味深いです
サン=サーンスの 動物の謝肉祭「ピアニスト」には、ひたすらピアノのハノン的なフレーズ練習をする人間をパロディにしてますが、
サン=サーンス 動物の謝肉祭 から ピアニスト