ピアノコンチェルトのさまざまな名作を紹介してきましたシリーズ
第3回目は ピアノ以外のコンチェルトの名曲、
主にヴァイオリンを中心にチェロなども見て行きたいと思います。
コンチェルトはクラシック音楽の中でも「華」のジャンル。ソリストが華やかに名人芸を、オーケストラと対峙しながら融合してゆくワクワク感が凄い!
ピアノコンチェルトはオーケストラには無い楽器ピアノとの協奏なので、より「華」は出しやすいと言われてますが、オーケストラにある楽器のコンチェルトもなかなか良いものです!
楽器の完成が早かったヴァイオリンには、バロック期から既に多くの名作が書かれています。
特にヴィヴァルディは膨大な数のヴァイオリン協奏曲、その他フルートなどの協奏曲も併せて500曲!!も遺しています。
ヴィヴァルディ「四季」より 「夏」 第3楽章
ハイドンは、有名なチェロ協奏曲とトランペット協奏曲などを書き、トランペット協奏曲は、こんにちトランペット奏者にとって、ソロの腕前を披露する貴重なレパートリーの一つとなっています。
モーツアルトはヴァイオリン協奏曲を5作遺していて、中でも第3、第5番は傑作とされています。 ホルンやフルートの協奏曲も優れたものを幾つか書いていますが、中でもフルートとハープのための協奏曲 ハ長調は、とても珍しい組み合わせの傑作と言え、いかにもロココ様式文化の雰囲気を今に伝えてます。
更に クラリネット協奏曲 イ長調も彼の最高傑作のひとつとして名高いです。
モーツアルト フルートとハープのための協奏曲 第2楽章
モーツアルト クラリネット協奏曲 第1楽章
ベートーヴェンは古今の最も名高いヴァイオリン協奏曲 ニ長調を、遺してます。壮大なテーマと均衡のとれた構成、ヴァイオリンパートの充実した書法など、全てが見事です!
ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 第3楽章
(よく呼ばれる3大ヴァイオリン協奏曲は、ベートーヴェン、メンデルスゾーン、ブラームスのを言う事が多かったですが、近年、チャイコフスキーを加えて呼ぶ場合があるそうです)
パガニーニは、6作の、超絶技巧に満ちたヴァイオリン協奏曲を遺していていますが、1番、2番だけがこんにちよく演奏されます。いづれも演奏至難のパッセージに満ちています。
メンデルスゾーンは1作、あのコンチェルト史上燦然と輝く名作 ヴァイオリン協奏曲ホ短調 を書いています☆甘美な青春の情熱が散りばめられてるかのような。
シューマンはヴァイオリン協奏曲とチェロ協奏曲を1曲づつ書いてますが、チェロ協奏曲は名高いものになっています。
ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番 第2楽章
チャイコフスキーは、いかにもロシア的な風情、情緒に溢れた傑作 ヴァイオリン協奏曲 二長調を遺しています。この作品も当時は演奏不可能とされたほど高い技巧が求められます。
また彼には、チェロ協奏曲の形をとるロココの主題による変奏曲もあります。こちらもチェリストにとって、憧れの曲の一つでしょう!
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 第1楽章から
サン=サーンスは、3作のヴァイオリン協奏曲、(他に協奏曲と名が付いてない「序奏とロンド・カプリツィオーソ」)2作のチェロ協奏曲を遺しています。それらの中では、均整のとれた美しさが際立つ第3番ロ短調が、こんにちよく演奏されます。
サン=サーンス ヴァイオリン協奏曲第3番 第2楽章
ドヴォルザーク チェロ協奏曲 第1楽章より
グラズノフ アルトサクソフォン協奏曲
シベリウス ヴァイオリン協奏曲 第1楽章
ロドリーゴ アランフェス協奏曲 第2楽章