新年あけましておめでとうございます
今年も宜しくお願い申し上げます
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今年最初の記事は、牛田智大さんが2月14日&16日に小林研一郎さん&読売日本交響楽団で披露されます、
チャイコフスキー ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 Op.23
について探ってみたいと思います。
この作品は、コンチェルトとして、牛田さんが一時期最も多く披露をされてた時期もあります。2015年6-7月、15歳の時、プレトニョフ&ロシアナショナル管弦楽団の日本公演で全国6公演されました。
初披露は中学2年の終り頃、岐阜で高関健さん&大阪フィルとの初共演。あの時はかなりのセンセーションだったとか。それもそのはず、このコンチェルトを14歳の少年が見事に弾きこなすのは並大抵のことではありませんから。
牛田さん関連で記憶に新しい所では、感動の浜松国際ピアノコンクール・ファイナルで、今田篤さんが熱演しておられましたね。
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2014年3月 岐阜での初披露 リハーサル時
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1875年、チャイコフスキー34歳頃の作品で、こんにちピアノコンチェルトの中でも屈指の名作となって、世界中で頻繁に演奏されていますが、この作品が生まれ、初演に至るまでは中々苦労があったとか。
チャイコフスキーの友人でモスクワ音楽院院長だったニコライ・ルービンシュタインに、出来上がった楽譜を見せたところ、安っぽくけばけばしいだけで演奏不可能に近い。私の言う通り書き直すことを勧める。と・・・
チャイコフスキーは1音符たりとも変えるつもりはないと怒って、献呈者をハンス・フォン・ビューローに変えたところ、高い評価を得て、アメリカで初演。大成功を収めました。
ピアノパートは当時としては大変難度が高く、オクターブによる重音奏法が頻繁に登場したり、名人芸を要する箇所に満ちていました。しかしオーケストラの哀愁や情熱的ロマン的な書法と相まって、ロシア的な香り高い傑作となっています。
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僕はこのコンチェルトの楽譜を見た時(曲は既に何度も好きで聴いてましたが)、一生掛かってもこの作品をオーケストラと弾いてみたい・・・って、野心?を燃やすようになった(笑)、程思い入れ深い作品です!
冒頭のピアノの分厚い和音を背景に弦楽器群が流麗な旋律を歌う第1楽章の序奏部は誰もがどこかで聴いたことがありそうなとてもポピュラーなサウンドですね。
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演奏:アルゲリッチ
第1楽章 Allegro non troppo e molto maestoso - Allegro con spirit 変二長調(序奏)→変ロ短調
規模の大きなソナタ形式。演奏時間が全曲の半分以上を占めています。ホルンの勢いのある導入の後、ピアノとオーケストラが流麗なサウンドを展開。続いてピアノはとても技巧的なカデンツアを披露し、再びオーケストラと強奏します。以上は序奏で、この魅力的なメロディ、全曲を通して以後二度と現れません。
三連と休符のリズムの軽快な第1主題(上の動画 4:44-)はウクライナ民謡を基にしています。ピアニスティックな展開の後、憂いを帯びた第2主題(6:26-)が現れ、次第に熱を帯びつつ全オケと迫力ある応答をします。第3主題(9:16-)が穏やかに表れ、展開部へ(10:01-)しばしオケのみの楽想が続き、ピアノが急速なオクターブ連打から第2のカデンツアへ。第2主題(14:10-)から再現部に入り、盛り上がりを見せた所で、第3の長く技巧的なカデンツアへ(16:01-)第3主題を基にした終結部は華やかで、堂々とした気分の中、楽章を結びます。
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第2楽章 Andantino senplice 変二長調
フルートが奏し出す優美で素朴なメロディがピアノに受け継がれてゆきます。途中ちらりとチェロ独奏も加わり(22:52-)、穏やかな雰囲気に終止。中間部(23:51-)は一転急速なテンポになり、フランスの古い民謡から採られたという節が、ピアノの難技巧の動きの中に聞こえます。オケとピアノが頂点に達した後、再び穏やかな気分に戻り、ゆったりと楽章を終わります。
第3楽章 Allegro con fuoco 変ロ短調 →変ロ長調
ロンド形式。ロシア民族舞曲風の烈しく情熱的な主題をピアノを中心に展開。オケのみの爽快な部分を経て、いくぶん落ち着いた第2主題(28:24-)がオケ→ピアノで奏せられ、再び第1主題と変形→第2主題再現のあと、ピアノはテンポをさらに上げてゆき沈黙。終結部への橋渡し的な部分が大きく盛り上がってゆき、第2主題をピアノと全オケで壮大にくり広げ(32:31-)、テンポを速めた真の終結部ではピアノが息をも付かせぬ鮮やかなフレーズを奏でながら、力強く全曲を終わります。
このようなフィナーレの終わりに、ややゆったりしたテンポで主題を壮大にエネルギッシュに示し、さらにテンポを上げ、一気にたたみ掛けて終わるロマン的手法は、ラフマニノフのピアノ協奏曲(第2番、3番)や交響曲第2番などに受け継がれている感じです。
辻井伸行 指揮 ギェルギエフ
チャイコフスキーはピアノ協奏曲を3作遺しています。
第2番ト長調 は ピアノパートの書き方が第1番より、さらに熟練したものになっていると言われるものの、全体としてやや冗長で、また印象に残る楽想も少ないためか、こんにち演奏される機会は少ないようです。
チャイコフスキー ピアノ協奏曲 第2番 プレトニョフ
さらに第3番 変ホ長調(1楽章形式)は、初めは交響曲として着手され、途中で放棄されたものをいわば 再利用したもので、どこか霊感に欠け、こんにち滅多に演奏されません。
この第1番が多方面であまりにも優れた作品であり、第2番、3番の見劣り聴き劣りが激しいとも言えるでしょう。
冗談音楽会? この協奏曲をはじめ、名作協奏曲がお笑い風?に鳴らされます。
デイビッド・ギャレット ヴァイオリンでのモダンな演奏
パイプ オルガンでの演奏
牛田さん、ことコンチェルト作品に関しては19歳にして披露済みの名作がかなり多いです。
残る未披露の珠玉の名作コンチェルトといえば・・・?