牛田智大さんが 5月27日 静岡市清水文化会館マリナートホールにて
高関健指揮 静岡交響楽団と初披露されます,
モーツアルト ピアノ協奏曲 第20番 二短調 K466

牛田さんはこれまでに、モーツアルトのピアノ協奏曲を2度披露しています。
一回目は 2015年10月サントリーホールで第26番 ニ長調「戴冠式」を、中村紘子さんの栄えある代役として。二度目は2016年1月 横浜フィリアホールで 第9番 変ホ長調「ジュノム」を。
特に「戴冠式」の時は代役の大舞台を見事に成功させ、とても印象的でした。


モーツアルトは、生涯で27作にのぼるピアノ協奏曲を遺しています。歴代の作曲家の中ではダントツに多い数になっています。
第9番「ジュノム」と第20番以降27番まではこんにち演奏機会が多く、とくに20番、21番、23番、24番、26番「戴冠式」は頻繁に取り上げられます。
その中でも この20番二短調は 1、2を争う傑作となっており、同時に、第24番と僅か2曲が短調で書かれた貴重な作品で、モーツアルトの優雅さ、軽快さを全面に出した多くの協奏曲とはまた違って、悲劇的で哀愁漂う楽想が支配的です。

モーツアルトの短調の作品は、長調のそれと比べ、音楽が一気に悲しくなってしまう・・・と多くの評論家もよく指摘してますが、確かに良くも悪くも、彼の「闇」の部分やデモニッシュな要素がそこかしこと顔を覗かせている気がします。
また、二短調は古くは「死」や「苦しみ」を表す代表的な調としてよく使われて来た為か、ここでも悲劇色もいっそう強い感じです。
演奏(弾き振り) 内田光子
第1楽章 Allegro
弦楽器を中心に、シンコペーションのリズム~モーツアルトサウンドの真骨頂の一つ~の上を暗い第一主題が奏でられ、強奏となって収まると、長調で第2主題(上の動画で1:55-)が現れ、すぐに悲劇的に終止、ピアノが入ってきて、シンコペーションのリズムと溶け合いながら効果的なフレーズや、新たな楽想も加わり展開。再現部を経た後のカデンツア(11:51-)は自作のものは無く、後の幾つかの版(ベートーヴェン、ブラームスの作が有名)が採り上げられています。コーダは第1主題中心で沈痛に楽章を閉じます。
第2楽章 ロマンツェ 変ロ長調
大変に優雅なよく知られた主題がピアノ、続いてオーケストラに示され、流れるような典雅な世界がくり広げられます。中間部(19:46-)は短調になり、f で目まぐるしいリズム感となりやや悲劇的ムードの中をピアノが駆け巡りますが、再び最初の主題部に帰り、優しく楽章を閉じます。
第3楽章 Allegro assai ニ短調
ピアノがリズミカルな主題を荒々しく提示、オーケストラが熱っぽく受け継ぎ展開します。やがて長調になり、目まぐるしい変化の中第2のテーマ(26:45-)が現れ、さらに第1主題をメインに転調を重ねながら、情熱的な短いカデンツアののち、第2テーマが二長調であらわれ(31:30-)ると、一転し喜ばしく晴れやかな気分の中、全曲の幕となります。
演奏 チョ・ソンジン
ロック風ヴァージョン 第1楽章から
第20番というと、もう一作の短調の
ピアノ協奏曲 第24番 ハ短調 K491 とよく比較されるようです。
この24番も20番と並ぶ傑作とされ、頻繁に演奏されます。個人的にはこの24番は最も好きなモーツアルトの協奏曲の一つで、暗いロマンととろけるような甘美さが見事に融合され最高に魅力的だと思います! ベートーヴェンが協奏曲第3番で様々に影響を受けた作品でもあります。
牛田さんにも早く披露して頂きたい!
第1楽章 ソナタ形式。半音階的で悲劇的な第1主題と優美な第2主題が美しく続き、絡み合います。
第2楽章 シンプルで甘美なテーマは天国的とも言え、この上なく美しいです。
第3楽章 物悲しい主題を基にした、がっちりと緊密な構成の変奏曲形式。力強さも漲っています。
第24番 ハ短調 第3楽章 弾き振り:バレンボイム