辻井伸行 ✕ 服部百音 究極の協奏曲 | いつも心に音楽を

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クラシックの名曲等やピアノ演奏、音楽理論などを中心に展開。
また、尊敬する若きピアニスト牛田智大さんを応援します。

 

2017年6月7日(水)

辻井伸行✕服部百音 究極の協奏曲コンサートを聴きに兵庫県立芸術文化センター(KOBELCO)大ホールへ行ってました。友人と二人で聴いてきました☆

 

 

 

このコンサートシリーズは、4月から全国各地で12公演と、多くわれていて、行かれた方もいらっしゃるのでは。

辻井さんといえば、今、最も人気ある日本人ピアニスト。それだけに殆んどのホールで完売となっていました

 

辻井さんのピアノを聴きに行ったのは約3年ぶりのこれが2度目。前回もコンチェルトで、名曲チャイコフスキー: ピアノ協奏曲を堪能。リサイタルにも一度行ってみたいのですが、なかなかチケットが取れませんし、けっこう高価です・・

 

 ヴァイオリニスト 服部百音(もね)さんは、若干17歳。そうそう、牛田智大さんと、あの2011年10月放送「題名のない音楽会 未来の大器2011」に出演されました! 当時11歳。

 

 

 

 

 

 

牛田さんはご存知、この番組出演後すぐに華々しくCDデビューが決まりましたね! しかし才能が抜きんでていたとはいえ、12歳でメジャーデビューとはかなり奇跡的な出来事だったことでしょう。

 

 

 

 

 

服部百音さんは、お父様が売れっ子作曲家の服部隆之氏、祖父がやはりTVでもおなじみ売れっ子作曲家の服部克久氏、曾祖父があの服部良一氏、お母様はヴァイオリニスト服部エリ氏という、もうすごい音楽一家の中に育ったそう。

 幼少の頃からごく最近まで名高いコンクールで優勝や高位を得られ、既にヨーロッパでは高い評価を受け、現在ヨーロッパでも数多く演奏会を行っておられます。

 

 

 

 

 この日のプログラム   コンチェルトの名曲が並びます

 

 

指揮 ニール・トムソン

日本センチュリー交響楽団

 

 

まず、百音さんがオレンジ色のドレスを纏って登場。

若くして既にスターのオーラを感じます。

 

 エルンスト:「夏の名残のばら」による変奏曲

抒情的な中に華やかさを持つ、ヴァイオリンの技巧を存分に生かした曲。早い音階の駆け上がりや激しいピチカートが効果的に次々と響いてきます。

 

 

エルンスト:「夏の名残りのばら」による変奏曲   服部百音

 

 

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op35 

 

第一楽章 オーケストラのみの序奏のあと、秘めやかにヴァイオリンがカデンツァを弾きながらメイン主題部へ。ヴァイオリンは技巧を尽くしたフレーズを次々響かせる。いや~本当に上手い! 力強い! 華やかで力強いオケと火花を散らすかのようなソロが長く華やかに終わる。ここでブラボーの掛け声と共に盛大な拍手となりました。実に見事です!

第二楽章 哀愁いっぱいの緩やかな美しいメロディが印象的。百音さんのヴァイオリンは極上のロマンを奏でます。

休みなく第三楽章

ロシア民舞風の軽快な音楽。ヴァイオリンは技巧の限りを尽くし、中間部分の何度かの哀愁を挟んで、ソロとオケは激しい掛け合いを繰り広げ、鮮やかに幕。

ブラボーが響き渡る割れんばかりの盛大な拍手! これからのヴァイオリン界をけん引してゆく凄い才能の持ち主だと実感しました!

 

 

 後半

 

辻井さんがタキシード姿で登場。

ショパン 英雄ポロネーズを力強く、とても軽快でやや早めなテンポで弾いていかれましたが、音色はとても力強く素直で、ストレートに心に届いてくる感じです。

盛大な拍手が続いた後、

 

 ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op11  

 

 第1楽章の哀愁を帯びたフレーズの美しさ、技巧はもちろん素晴らしく、何よりピアノを弾く喜びのようなものが真っ直ぐに伝わってくるようです。第2楽章のしみじみとした静かなロマンいっぱいの表現も素晴らしい、第3楽章 ポーランド民舞風のテーマに基づいた喜びにあふれた音楽で、辻井さんのピアノは次々と押しよせてくるような力強さがあり、繊細な美しさも十分。

フィニッシュの後、

ブラボーが飛び交う割れんばかりの拍手が続きます。

 

辻井さんのピアノが世界的に高い評価を受ける、確かな理由を感じます。

 

ショパン:ピアノ協奏曲第1番 第3楽章  

辻井伸行 2009年バンクライバーンコンクール・ファイナルより

 

 

鳴り響く拍手の中、やがて百音さんも再登場し、

アンコールは2人のデュオ。お馴染み?大河ドラマ「真田丸」のメインテーマ!(作曲は服部隆之さん、百音さんもドラマ放送時、ヴァイオリンで参加されてました)、フレーズが少し鳴った途端、会場また拍手! このノリ最高です。辻井さんと百音さんは最高のデュオを繰り広げてくれました!

 

 牛田さんも早く誰かとデュオを披露して頂きたいものです。ちなみに同い年の百音さんとは、かなりお似合い!だと思いますね(^^♪

 

 

 

 

辻井さん、最近はすっかり貫禄も出てきたようです。そして百音さんの切れ味抜群のテクニックに支えられた音楽性の素晴らしいヴァイオリン、見事という他ありませんでした。

以上、とても素敵な印象に残るコンサートの感想でした。