いつだって打ちのめされる。
ルンルン気分で舞いあがっていたら、ポチョン。どこからともなく濡れ雑巾が飛んできて杖に絡まり、ぶっ倒れる。気がついたら、頭を抱えてヒーヒーうめいている、と、そんなこんなの毎日だ。
ルンルン気分が長ければ長いほど、その叩きのめされ方のすさまじさといったら!
刺されたり放り投げられたり、もう二度と立ち直れなくなるほどペシャンコになり、のたうちまわる。
それでも、なにクソと思って立ち直ったことなんて一度もない。
のたうちまわるに任せて加治丘陵を悶々としながら登っていると、ふと、ソウシ鳥(下の写真)がちょこちょこ歩いているのに目がとまり、そのかわいさにあらまあ、と見惚れているうちに、やがて、もぐらみたいに顔をのぞかせ、生きとし生けるものの美しさをながめ、やっとこさ、生きのびる方途にありつくことが出来る。
それが!
どうなっているのか。
今日はデンバーとのスカイプがあるので、急いで帰らなきゃならん。麻痺した左半身の痛みをこらえつつ、フルスピードで歩いていたら、なんと!
いつも修子のおかんを思い出す北18の手前で、カモシカの可愛いいちびっ子(下の写真)とガチンコした。
興味ありげにじっとこっちを伺っているではないか。
逃げやしゃない。しかし、着いてこられたら困るので、バイバイして北22でUターンし、元来た道を大急ぎで戻っていたら、北3で目下手作り自宅を建築中の、福永のおとんと、はち合わせしてしまった。
(北1の入り口にある放火犯糾弾の看板)
(焼失する前の自宅と女神像)
(福永のおとん)
(ひとりで作っている在来工法の御殿)
いつもは無口のこの土佐出身の山男兼芸術家は、あれこれ食っちゃべって、離さない。木材が高騰して、どうにもならんとか、女神像ももう一度造るとか、とどまることはない。
それがなんとかうまいことをいって、ずらかることが出来たまではよかったが、今度は帰る途中のスーパーでもやしとキャベツと豚肉を買って、大急ぎでレジを済ませて出ようとしたら、北18でいつも思い出す修子のおかんに呼び止められたではないか。
ままよ。
ついてないときは、仕方がない、すっぱり、あきらめるがいい。子猫の兄弟を引き取ったデンバーの孫娘とスカイプすることをあきらめ、予定より1時間ほど遅れて、家に帰り着くと、何と、今度は交通事故で死にかかった飯能のおかんが梅干しと紅茶を持って、はじめてわが家を訪ねてきたではないか。
(結局、杖をつきつつ半身不随で、この会合に出ることになってしまった。)
あるいは、ついていたのか?
きっと、そうに違いない!!