おはようございます。
昨日記述力模試を受験された小4/小5の皆さま、
ホントにお疲れさまでした。
もうね...
あれは罰ゲームですよ。
ぶっちゃけ成績云々はさておき、
受けただけで十分スゴイ!
あのなんの役に立つのか分からない難問に取り組んだ受験生を、
ぜひ褒めてあげてください。
そして小6の皆さま。
いよいよラストスパートですね。
今日はいきなり公開模試!
ホントに頑張ってください!
役に立つか分かりませんが、
わたくしからのささやかなプレゼントです!
というわけで本題へ。
地味に長い&駄文なので、
メンタル弱めな方はここでUターンされるのをオススメします。
日能研からの不在着信
とある夏の日。
仕事の合間にスマホを開いて絶句。
なんとそこに残されていたのは、
不在着信。
発信者――日能研。
1周目で何度もやり取りした、
あの見慣れた番号。
それがいま、
どうしてこのタイミングで?
見知らぬ迷惑電話よりも、
ずっと、
ずっと恐ろしい。
指先が冷える。
手のひらにじわりと汗がにじむ。
氷水を垂らされたみたいな寒気に襲われる。
ただの不在着信が、
呪いの印に見える。
画面のガラス面に、
うっすらと映るハゲたおっさん。
あまりの醜さに心臓が一度だけ止まる。
――どうした...
――まさかまる子に……なにかあったのか?
胸の内側で、
目に見えない糸がぷつぷつ切れる音がした。
1.最悪だけが増殖する
宿題の未提出。
テキスト忘れ。
授業態度の悪さ。
小テストが全滅。
クラス落ち。
日能研からの呼び出し。
……いや、違う。
もっと悪いことは簡単に想像できる。
体調不良。
怪我。
生徒同士のトラブル。
なんらかの事故。
最悪という言葉だけが、
いくらでも形を変えて増殖していく。
一度浮かんだ黒い像は、
簡単には消えない。
消したはずの場所から、
また同じ形でもう一度、
にじむように浮かんでくる。
着信の理由を推理すればするほど、
足場がぬかるむ。
膝のあたりまで沈み、
太ももまで沈み、
呼吸だけがやけに大きくなる。
ただの不在着信が、
未来を閉ざす鐘の音に変わる。
鳴っていないのに、
耳の奥で、
何度も鳴り続ける。
2.止まった時間
職場の騒音が遠くなる。
職場にいるはずなのに、
まるで遠い世界にいるかのようだ。
音は消えても、
スマホの画面に浮かぶ「日能研」の三文字は消えない。
目を閉じても、
残像は消えない。
そしてどんどん浮かぶ最悪の事態。
先生の険しい横顔。
面談室の扉。
聞かれる言葉。
答えられない自分。
窓の外の雲。
積み上がるテキスト。
白紙の記述欄。
フラッシュは加速する。
三人並んでシーバスに乗ったときの笑い声。
その背中に、
夕暮れの金色の帯。
もしあれが最後の笑顔だったら。
最後の横顔、
最後の呼吸、
最後の――
――やめろ!
――やめろ!!
――やめろ!!!
胸の奥にざらりとした痛みが走る。
それでも脳内映像は止まらない。
「やめろ」と命令できる自分は、
そこにはいない。
止まらない心拍。
喉はカラカラに渇き、
呼吸が浅くなる。
でも秒針だけは進み続ける。
まるでわたくしの時間だけが、
止まったようだ。
3.葛藤
どうする...
簡単なことだ。
折り返せばいい。
そんなこと分かっている。
それで終わる。
この妄想がいかにくだらなかったか。
ホントの理由が分かる。
きっと“たいしたことはない”。
分かっているのに、
指は動かない。
人差し指は通話アイコンの上に浮かび、
ほんの少し触れて、
また離れる。
もし折り返して、
最悪の現実に名前が付いてしまったら。
“無名の恐怖”が、
“名付けられた絶望”
に変わってしまったら。
わたくしの世界は、
さっきと同じ色を保てるだろうか。
数年前にも同じようなことがあった。
まる子が大けがをしたあのときだ。
もしまたあれが繰り返されたら、
わたくしは立ち直れる自信がない。
脳裏で、
もう一つの未来が枝分かれする。
折り返さなかった未来。
明日まで知らなかった未来。
知らないまま眠り、
知らないまま朝を迎え、
知らないまま仕事に行き、
知らないまま神奈川に戻る。
そんな未来に、
わたくしは耐えられるのか。
画面の「日能研」の文字が、
ほんのすこし大きく見えた。
気のせいだ。
気のせいだと分かっていても、
画面の向こうから呼ばれている気がした。
――早く来て。
誰の声だ。
先生の声ではない。
まる子の声とも違う。
けれど確かに誰かが呼んだ。
わたくしの名を、
正しく、
ゆっくりと。
4.日能研への電話
喉が乾く。
声が少しかすれる。
水を一口。
舌の上で、
冷たさがわずかに膨らむ。
指を、
スマホの画面に置く。
押さない。
置くだけ。
深呼吸。
吸って、
止めて、
吐く。
もう一度。
吸って、
止めて、
吐く。
もう一度。
吸って、
止めて、
吐く。
今度こそ。
押す。
発信。
ワンコール。
ツーコール。
「はい、日能研――」
声は、
想像より明るかった。
「あ...」
言葉がうまく出ない。
喉の奥が渇き、
舌の先がしびれている。
名乗るまでのほんの数語が、
やけに難しい。
「……お、おおもりまる子の父です。先ほど着信をいただいて……」
ほんの一秒の沈黙。
いや、きっと半秒だ。
その半秒の間に、
また、
悪い未来が枝分かれする。
わたくしは未来を見た。
それを見て、
握りつぶした。
だから今――
――ここにいる。
「すみません!欠席確認のお電話でした。授業開始時間にいらっしゃらなかったので。
でも、すぐに来られて、もう教室に入られています。大丈夫です!」
世界が、
戻ってきた。
椅子の背にもたれ、
天井を仰ぐ。
張り詰めていた膜が、
ぱん!
と破れる。
胸の中に冷たい風が通り抜ける。
肩の力が、
音を立てて抜ける。
よかった。
本当によかった。
喉の奥が熱くなった。
目の奥も、
すこし。
5.恐怖の正体
通話を切る。
残っているのは、
薄い指紋と、
さっきまでの震えの名残だけ。
本当は、
分かっていた。
恐ろしいのは、
日能研ではない。
私の中にいる"監督"だ。
最悪だけを集めて撮り続ける、
無言の"監督"。
二秒の静寂を二千秒に引き延ばし、
想像を現実の顔で上書きし、
“ないもの”に、
名前を付けたがる、
あの監督。
不在着信は、
鏡だ。
こちらの心を映す、
正確すぎる鏡だ。
「日能研」という三文字に、
わたくしは自分の不安の輪郭を見た。
輪郭はいつだって、
現実より太い。
太く、
濃く、
赤い。
そしていつものように思う。
一本の抜け毛を見つけただけで、
明日の朝にはすべて失っている未来を想像してしまう自分。
夏の終わりに、
日の短さを知るだけで、
人生の短さまで勝手に見積もってしまう自分。
恐怖の正体は、
たいてい、
こちら側にいる。
「次に着信が来たら、最初に深呼吸をしよう」
――事実 → 対処 → 記録。
書くと簡単だけど、
これがなかなか難しい。
でもしょうがない。
これがわたくしだ。
またいつか、
きっと監督は現れる。
そしてそのたびに、
私は戦うのだろう。
でも大丈夫。
今日みたいに勝てる日は、
少しずつ増える。
そしていつか、
もっと前向きになれるはず。
さいごに
駄文に最後までお付き合いいただきありがとうございました。
何度やっても、
電話は慣れませんね。
美人なお姉さまからのお電話だったら、
秒速で折り返すんですけど。
さて先日書きましたが、
N2025組の皆さま。
マイニチノウケンでテスト結果が見れるのは、
今日が最後です。
きっちり、
お別れをしてください。
明日からいよいよ9月。
N2025組の皆さまは、
日能研と決別の秋が始まります。
そしてN2026組の皆さまは――
――過去問地獄ですかね
1周目を終えた今だからこそ分かります。
ここからがホントの――
――"試煉"です。
過去問については、
例えば去年こんなことを書いてます。
他にもこんなやつとかいろいろありますので、
ぜひ参考としてください。
N2025組は、
N2026組を応援しています!
ごはんおおもり
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