うえた整骨院・板倉です。
錦織選手が全米オープンで達成したグランドスラム決勝進出の余韻があちこちであるのか、患者様との話題でもちょくちょく錦織選手の名前があがります。
テニスは時として灼熱のコートの中で数時間にわたって戦うタフさだけか、パワー・スピード・技術・判断力…あらゆる能力が要求される、究極のスポーツの一つではないでしょうか。
体格的には決してすぐれているといえない(私とほぼ同じ身長・体重なので日本人としては小さくないですが、テニス選手としては決して大きくありません)錦織選手ですが、世界のトップに食い込む活躍…本当に素晴らしいです。
また、その裏でものすごい記録を達成した日本人選手がいます。
車いすテニスの国枝慎吾選手。
全米オープンのシングル・ダブルス双方で優勝し、これで
年間グランドスラム(四大大会)完全制覇となりました!
しかも、この制覇ははじめてではなく、2007年に続く二回目になります。
まさしく、車いすテニス界の帝王と呼べる、世界最高の選手ですね。
フェデラーたち世界のトッププロからも尊敬される国枝選手。
ただ、そのキャリアは決して順調ではありません。
本来、テニスのスイングは足から腰、すべての体幹の軸を使って打つもの。
それを腰から上だけで行うのですから、当然強烈な負荷が上半身にかかります。
そのため、国枝選手のキャリアも故障との戦いでもあります。
特に、ロンドンオリンピックの前年2011年に痛めた肘は重傷で、
2012年には手術も受けています。
しかし、手術後にはより強くなって復帰、ロンドンパラリンピックでは金メダルを獲得しています。
この「鉄人」ぶりは、治療やトレーニングの発達ももちろんあると思いますが、それ以上に国枝選手の鉄の意志があったからこそだと思います。
パラリンピック創始者の言葉に
「失ったものを嘆くより、残っているものを最大限に生かしなさい」
という名言があり、パラリンピックのテーマともなっています。
これはパラリンピックのようなハイレベルな障がい者スポーツだけでもなく、
障がい者に限った話でもありません。
年齢とともに落ちた身体機能に対して「年だから仕方ない」と嘆く方は多いですが、
その一方で「残っているもの」はたくさんあります。
それをどのように生かして、うまく使っていくか。
そのような「体とのつき合い方」を患者様と一緒に考えることができるのが、我々治療家の仕事なのだろうな、と改めて考えてみました。
そして、そのようなヒントをくれる国枝選手の偉大な活躍に改めて拍手!