これだけならありふれたニュースですが、面白いのは、ボーイングが見返りに中国東方航空の所有するエアバスA340-600 5機を買い取ることに合意したことです。
自動車の世界では、新車購入の際にディーラーさんが、他社製の中古車を下取り購入してくれることがあります。携帯電話でも、他社からの乗り換えのお客さんにはさらに割引が適用されることがあります。
実は、1機当たり数百億円という飛行機の世界でも、同じように競合機種の下取りをしてくれることがあるのです。大型旅客機市場は、基本的にボーイングとエアバスの2社のみの競合なので、競合機の下取りは、すなわち相手方の飛行機を買い取ることですから、露骨でえげつない感じがします。特に、今回の中国東方航空のA340-600は、2003~2004年製で飛行機としては新しいものですから、下取りにされてしまったエアバスとしては苦々しい思いでいるでしょう。
確かに、A340-500/-600シリーズは、航空会社からの評判があまり良くないので、致し方ないのかもしれません。同シリーズは、2000年代初頭に開発された比較的新しい機種ですが、エンジンが4発搭載されているため、エンジン双発の競合機777-300ER/-200LRシリーズに対して、燃費性能で劣るのです。
もともと、A340-500/-600シリーズは、超長距離飛行が可能で、かつエンジン4発搭載のため安全制限を受けることなく飛べる飛行機として売り出されました。この飛行機を使って、シンガポール-ニューヨーク路線(なんと18時間45分のフライト!)のような世界最長路線が開設されるなどしました。しかし、次第に原油高が顕著になると、あとから開発された777-300ER/-200LRシリーズに市場を奪われ、ついには、2011年11月に新規販売の中止に追い込まれたものです。
ということで、ボーイングとしては、この市場での優位な立場を利用して、今回の中国東方航空との商談で、A340-600の処分を手伝ったというわけです。
一方で、気になるのが、ボーイングは買い取ったA340-600をどう処分するのかです。この不人気機を買うとしたらどんな航空会社でしょうか。やはり、とにかく安い飛行機を求めているアフリカあたりの航空会社でしょうか。まさかボーイングで廃棄してしまうということはさすがにないと思いますが。。。
続報に注目です。
中国東方航空 A340-600
