航空コンサルタント・うえしんのブログ -3ページ目

航空コンサルタント・うえしんのブログ

最新の航空業界・航空産業の動向について語ります。

ロシア・スホイ社が開発したリージョナルジェット機Sukhoi Superjet100(スホイ・スーパージェット100)が、2012年5月9日、デモ飛行中にインドネシアの山林に墜落した。

Superjet100は、ロシア政府の多大な後押しを受けて、ソ連崩壊後のロシアで初めて開発された旅客機で、昨年4月にデビューしたばかり。旧ソ連時代の飛行機の販売先と言えば、共産圏一辺倒だったが、今回のSuperjet100は、現受注数170機のうち大半がロシア国外からの受注となっている(下表参照)ように、欧米メーカーの協力も積極的に取り入れて、ロシア航空産業の国際化の足がかりとして期待されている。それだけに、いきなりの事故は痛手である。

関係者は、「飛行直前の点検では問題は見つかっておらず、原因は人為的なミスの可能性が高い」として、飛行機自体の問題ではないことを強調。事故6日後の5月15日に事故現場でボイスレコーダーが発見されたが、インドネシア当局からロシア側に引き渡される見込みで、ロシアとしては事故の影響拡大を必死に食い止める算段だ。(都合の悪い事実は公表を控えるだろう。)

まさにロシアの夢を乗せた飛行機が出鼻をくじかれた格好だが、実はこの飛行機に自国産業の躍進を掛けているのは、ロシアだけではない。Superjet100のエンジンは、三大エンジンメーカー(米GE、米UTC、英Rolls-Royce)に割って入りたいフランスのスネクマ社が初めて民間航空機向けに開発を主導したSaM-146が採用されている。また、Superjet100の販売は、第二次大戦の敗戦国として、日本、ドイツとともに、航空機産業で後塵を拝しているイタリアのアレニア社が、合弁会社を通じて担っている。

つまり、Superjet100は、ロシアだけでなく、フランス、イタリアの期待をも背負っているだけに、今回の事故の影響は大きい。まずは事故の原因がなんだったのか究明に期待するとともに、今後のSuperjet100の信頼回復の行方に注目したいところだ。