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航空コンサルタント・うえしんのブログ

最新の航空業界・航空産業の動向について語ります。

2014年7月14日、エアバスは、英国で開催中のファンボローエアショーで、新中型機「A330neo」の開発に着手することを発表した。neoとは、「New Engine Option」の略で、現行機種A330をベースにした新しい機体に、新型エンジン(ロールスロイスTrent 7000)を搭載するというものだ。2017年第4半期の初号機納入を目指すという。

実は、10年前の2004年にまったく同じ計画がエアバスから発表されている。2003年に先行して開発が発表されたボーイング787に対抗して、A330をベースに新型エンジンを搭載して開発する「A350」というのが、それだ。ところが、A350は、主にエンジンを新しくするのみで目立った改良が見られなかったため、エアラインやリース会社に酷評され、2006年に計画は凍結。代わりに、より大型の新型機「A350XWB」の開発計画が発表され、現在本機種は、飛行試験の最終段階に至っている(本年末、初号機納入予定)。

つまり、昨日発表された「A330neo」は、エンジンこそ最新のTrent 1000-TENをベースにした新型機(Trent 7000)が搭載されるとはいえ、A330をベースにエンジンのみを変更するというコンセプトは、2004年当時の計画とまったく同じなのだ。10年を経て、エアバスはその計画に舞い戻ったのだが、その背景で、中東のエミレーツ航空の意向に振り回された感が否めない。

2004年当時、A330改良型のA350(当時neoという呼称はなかったが今で言うA330neo)の性能不足を指摘し、エアバスに計画の再考を迫ったのが、エミレーツ航空である。結局、エアバスはこれら多大な影響力を持つ顧客の声に押され、当面の787への対抗は既存のA330でしのぐとして、787クラスより一回り大きいA350XWBの開発に着手。2007年には、無事、エミレーツ航空からA350XWB 70機の受注を得て事なきを得たかに見えた。

ところが、なんと、今年2014年6月になって、エミレーツ航空は、あれだけ熱望したA350XWBの発注を全70機分キャンセルして、代わりに超大型のA380を50機追加発注することにしたのだ。エミレーツの意向に沿って、当初のA330neo計画を凍結させ、より大型のA350XWBに着手したのにも関わらず、エミレーツは、結局それでも飽き足らず、さらに大型のA380に心変わりした。

散々振り回された挙句10年越しで取り組むことになった、「A330neo」の成否はどうなるだろうか。今後注目である。