うえしまクリニック サポートプログラム【31】上がりのS2000。 | 「うえしまクリニック」〜縁の下の整体師〜

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20年弱、サスペンションとセッティングに明け暮れて、いつの間にやら職人と呼ばれるように。

コンプリートセットアップしてこそクルマは変わります。

2022年9月。フリーランスとして起業しました。
足回り調整屋さんです。


今回のサポートプログラムご利用は、埼玉県のKO-TWOさん。

AP1型S2000に乗る方だ。


今年50歳。

走りのクルマやBMW、AMGなど、色々なクルマを乗り継いで最後の「楽しめる愛車」に、初期型S2000を選んだんだそうだ。

初期型となると生産から既に20年近く。いくら純正脚と言えども経たりまくっているだろう。

しかも初期型は「スピンマシン」として有名。


うえしまが思うに、初期型S2000は「FR、しかもフロントミッドシップならではの斬れ味鋭いハンドリングに驚いて貰おう」と、
ちょっと旋回方向にセッティングを追い過ぎたんじゃないかなと思っている。


そもそもホンダの「エス」を名乗るクルマは、ラップタイムの速さを狙うクルマではなく

・ホンダエンジンの高回転のサウンド
・オープンエアの爽快感
・接地性の高い高級な足回り
・精密なメカの造り込み
・カッコ良い見た目

を愉しむ事が優先された、実は「雰囲気優先」のクルマだと思っている。

結局、車輌のポテンシャルが高くてそれをモータースポーツに使われたのも昔から同じだけれどもね。


なので、当初のS2000はその方向で、「速さより誰にでも解る特別感」を優先。
9,000回転まで回る特別なエンジン。まるで自分中心に旋回するかのようなクイックな身のこなしを狙ったが為に、
普通にドライブしている分には問題なかったが、速度を上げると「間違った操作をするとすぐスピンしそうになる」ちょっと危ういクルマとなった。

その後の改良は、全て「スピン体質を改善する」「スタビリティ向上」に充てられていた。

つまり、初期型はちょっとトンガリ過ぎたかもしれない。
というホンダの反省があったのだろうと思う。




そこから20年近く。当然足回りは経たっているとなれば、その「悪癖」は強調される方向になる。

腕に覚えのある方なら、容易くヤバい領域に入れて不安を感じるだろう。

頼られたからには、応えてあげたい。

うえしまクリニックとしては、以前にツインスプリング式の特注ワンオフ車高調を作った。


しかし、セッティングの難易度も価格も高いので、それをサポートプログラムで出すのは躊躇した。

ので、今回はシングルスプリング式の安脚改で作製する事にした。


先日の、某お店へ出した試作品を元にKO-TWOさんの希望に沿う形で小変更。

コレもまだセッティングをした事が無いので、計算上の想像しか出来ないが、恐らく街乗りからミニサーキット程度まで安定安心の粘り脚になるハズ。


よし出来た。

S2000用 うえしまクリニック ラルグス改だ。

年末にKO-TWOさんの元には届いているが、取り付けはまだ先らしい。

コレもある意味試作品なので、今後問題があればその都度対策をして、ロードスター用クリニック脚と同様の完成度にしてゆきたい。

なので、今後のKO-TWOさんの連絡を心待ちにする うえしまである。

おしまい。