ご覧頂いてるのは、昨年7月に導入した悪セレラ。
うん。摩耗クッソ早いな(笑)
もうスリップサインかよ。ALT4回。8時間でコレだよ。
でもまぁ、それはそうとして摩耗状況はバッチリ。
トレッド面が全面綺麗に接地しているし、摩耗のイン/アウト差もほぼ無い。
足回りがちゃんと四輪接地するよう作られていて、尚且つセッティングもちゃんとしてる証拠だ。
タイヤ4輪バランス良く満遍なく使えるセッティングなら、グリップも大きく抜けず、挙動が安定。
ウエット路面でも安心感はより高まる。
特に「ブレーキング時」「ターンイン時」に精神的なゆとりが出来て、ドライバーはラクになる。
Safety fast
これこそうえしまの思想。
なんだけど。
フロントタイヤとリヤタイヤの減り方の差は歴然。
フロントタイヤの外側だけ、派手に摩耗している。
細かく見ると、リヤタイヤよりもフロントタイヤの方が消耗も妙に早いかな。
彼の場合、通勤などで日常的にはクルマを使わず、もっぱらサーキットランと週末ドライブに使っている。
「なぜか解んないんですけど、妙な減り方するんですよね。自分がまだ突っ込み過ぎだからですかね?」
えーと。
①キャンバーの影響
②急カーブ走行
③路面傾斜の影響
だそうだ。となればだ。
【キャンバーはもう純正アームじゃあまり増やせないから、カーブをゆっくり曲がれば改善】となる。路面傾斜はシラン。
「あのー。そうかも知れませんがサーキットランなんですけど。。」
だわなぁ。(笑)
でも、コレもある意味真理なのヨ。
キミが「クルマのキャパを超えたコーナリングをしようとしている」というコトでもある。
鬼のように突っ込んで、アンダー出しっ放しで曲がっているから、フロントタイヤが明後日の方向に向いてる。
つまり【無理矢理コジッて曲がっている】という事さ。
コジッてるってコトは、フロントタイヤでブレーキ掛けて曲がってるんだから抵抗激増でコーナーが遅いってコトでもある。
元気良くコーナーに突っ込んでも、コーナリングワーク中にずっと減速しちゃってるから立ち上がりのポイントでは速度落ちちゃってその後の加速も遅れ気味となる。
以前に書いたブログがある。
「突っ込み過ぎを物理する」
これによると、まだまだオーバースピード進入ってコト。
「いやーでも、そう思ってオレなりにはコーナー手前の減速は意識してるんですけどねぇ。」
えーと、出来てるならタイヤはこんな風には消耗しないぞ。アレコレ言っても無駄さ。(笑)
「以前よりも突っ込み過ぎないよう考えている」
「コーナー手前でブレーキングはしっかりしているつもり」
「コジッてる」のは間違いない。
となれば、
「旋回(自転)が足りなくてずっとハンドル切ってる」となる。
となれば、
「ターンインに問題がある」訳だ。
でも、
「ブレーキングはしている」つもり。
となれば、
ブレーキングからターンインへの連携が良くないとなる訳だ。
こーゆー、逆算して考えることも大事。
ココで山野哲也選手のサイトをご紹介。
山野選手の記述によると、Hiiiraくんの問題点は
・曲がる為のブレーキングを使えていない。
・荷重移動がスムーズじゃない。
という事になるんだよね。
特に「曲がる為のブレーキング」だ。
恐らく、Hiiiraくんもフルブレーキングはしてる。じゃないと怖くて曲がれもしないモンな。
となれば減速はまぁ大丈夫なんだろうと仮定する。
で、そこからのブレーキ抜き、「曲げる為のブレーキングとステアイン」が出来ていないので、思うように向きが変わらずゴリゴリとタイヤをコジッてるんだろう。
きっとこれ、「フルブレーキ」を後にし過ぎて、「曲げる為のブレーキ」を使う時間(距離)が足りな過ぎるんじゃないかな。
「この看板、この場所からブレーキング開始すれば間に合う」と、視覚と反復練習の「具体力」で運転してるんじゃないのかな。
と、思うのよ。
となればとりあえずの原因は、「ブレーキング開始のタイミング遅すぎるんじゃね?」となる。
奥までブレーキ我慢してドン踏み。
そりゃまぁ確かに制動距離は短い方が良いっちゃ良いけどモノには限度があるわな。
「曲げる為のブレーキ」の時間が取れないほどブレーキ遅らせちゃ意味が無い。
より素早く曲がる為にやってる筈の動作が、ただ停止する為にやってるようなモンだ。
もう少し「先に繋げる為の運転」を組み立てるべきだろう。
もっと手前から丁寧にブレーキングを始め、ブレーキリリースを繊細にコントロール。
ペダルとステアの連携を良くすれば、アンダーステアは殺せる。
となれば、こんな摩耗は無くなると思うしさらに安心安定の挙動でグイグイ曲がるようになると思うヨ。
後は、「クリッピングポイント」へクルマを寄せる意識が薄いのかもね。狙う精度が甘いとゆーか。
「とりあえず曲がれたからOK、そんな事より加速加速」みたいなさ。
ライン取りの意識が甘いと、ターンインのコントロールも甘々になるよ。
フロントタイヤはサイドウォールまで接地しちゃってて、リヤタイヤもショルダー目一杯まで接地してる。
エボはフロントヘビーのFFベース四駆だから勿論フロントタイヤからヤられてゆくんだけど、接地面は比較的綺麗で尚且つサイドウォールまで使っているようなら、
その解決策はレートアップ、もしくは強いサスペンションに変更というのが正解となるんだ。
当たってからさらに縮むと、それ以上バンプしないようにバンプラバーで動きが止められてそれ以上は脚が動かなくなる。これがフルバンプ。
動かなくなった脚では、もう入力が吸収出来ないのでタイヤやブッシュがヨレてしまう。
だから、タイヤのサイドウォールが削れてしまうんだ。
「クルマの能力以上のコーナリングをしようとしている」のは、最初のHiiiraくんのタイヤ画像と同じだけども、
トレッド面が遥かに綺麗で尚且つサイドウォールまで使っているところから考えるとコジりは少ない。
このような摩耗な場合には、足回りの強化こそがタイムアップの早道となる。
ま、ウチのエボ号ではやんないけどね。もっとリヤを使う乗り方をしてやれば、タイム向上の余地はあると思うしね。
さて、ここで今後の大きな選択のお話。
「キャンバー足りてないんじゃね?」
「脚が柔すぎてフルバンプしてんじゃね?」
って思う人も居るかもね。
即効性を求めるのなら、そーゆー選択も悪くない。個人の趣味だし自分のクルマだしね。
でも、そーゆーパーツを【自分の悪癖を誤魔化す】場合には、結局ヤバいと思う速度を底上げしてるだけになっちゃうカモよ。
それまでは「程々の速度域で出ていた挙動」が、そーゆーパーツの力で「より高い速度域で発生する」ようになった場合には、
ミスった時の代償はもっと大きな物になる。瞬時に回避動作が取れないと、悲しい結末になるかもしれない。
だからこそオッサンは、「挙動や対処を理解して乗りこなし方を覚えてから」そー言ったパーツを選ぶか否かを検討して欲しいと思うんだよね。
乗りこなし方だから、乗りこなせるまで待たなくても良いとは思うけどね。判ればOKみたいな程度だけど。
・走った後のタイヤを診る。
・最初に思った改善案が、本当に正しいのか確認する。
・まずはお金が掛からない方法を選んでやってみる。
・それでもどうにもならなきゃ、ようやくパーツを換える事を考える。
こーゆープロセスを踏んで、「自分もマシンも成長してゆく」のを楽しんで欲しいなと思うんだ。
今回、Hiiiraくんがこーゆータイヤ摩耗をさせてくれたお陰でこーゆー話が出来た。
まだまだ彼は走り始めて2年くらい。わからない事も知らない事も物凄く多い。
現在自分自身がどんな操作をして、それがどんなリスクや効果を生んでるのかも理解出来て無いかもしれない。
「そーゆーのは刺さって身体痛めてカネ払って体得して行くものだよ。」
そーゆー人も多い。
確かにそれはその通りだろうと思う。オレも色々痛い目みたしね。
だからこそヤバいモノはヤバいよって言えるんだけど、もしその前にこうして説明があればどうだっただろうかと思うので、
わざわざそれをお節介ながら書いておこうと思うんだ。
上手く出来るようになれば、もっと運転は楽しくなる。
思い通りにクルマを動かせて、もっと愛車が好きになる。
出来れば余計な「勉強代」を払わずに行けたら良いんじゃないかなと思う うえしまである。
ガンバレワカモノ!
おしまい。