女とハイヒール
前々から思っていたのだが、
何故女達はハイヒールなどという、
至極歩きにくそうなものを履き続けているのだろうか?
実際
足をひねることも多いようで、
常に危険と隣り合わせだ。
私は尋ねてみた。
答えはこうだ。
「ねえ、
斜めに舗装された道を
高いヒールで真っ直ぐ歩くことが
どんなに難しいか分かる?」
「ハイヒールはね、
女の覚悟なのよ。
女が女であるための耐久なの。」
「だってそうじゃない。
なんであんな危険で煩わしいものを
女だけが履き続けなきゃいけないのよ?」
「昔は道が汚かったから
少しは利便性もあっただろうけど、
今はハイヒールを履き続ける正当な理由なんてないもの。」
「女は男の数倍、
見栄っ張りだってことね。
覚えておくといいわ。」
私は
上手く言葉を返すことができなかった。
そしてこれからは、
高いヒールで前を歩く彼女たちに
「早く歩け」と言うのはよそうと思った。
女
女は恐ろしい。
とりわけ群れる女達の恐ろしさは計り知れない。
向こうから5・6人の女子学生が
歩いてくるときなどは、本当に恐ろしい。
私は体を小さくして
なんとか通り抜けようとするが、
彼女たちの圧力に屈して
壁に肩をぶつけてしまう。
群れる女達の主張は強い。
皆が同じことを主張するため、威力が増す。
そこでの異論は認められない。
だからこそ、
私はこうして今日も反省をしている。
異端者は追放される。
土地を追われた者はどこへ向かおうか。
思考について
物事を深刻に考えすぎるのは、
あまり良いことでない。
しかし
考えずには
いられないときもある。
どこへも
何にも
辿りつけなくとも、
"物事を深刻に考える"
という立場をとってからでないと
前に進めないときも
あるのだ。
そして
思考によるある種の閉塞感は、
意識の開放を促してくれる。