女とハイヒール
前々から思っていたのだが、
何故女達はハイヒールなどという、
至極歩きにくそうなものを履き続けているのだろうか?
実際
足をひねることも多いようで、
常に危険と隣り合わせだ。
私は尋ねてみた。
答えはこうだ。
「ねえ、
斜めに舗装された道を
高いヒールで真っ直ぐ歩くことが
どんなに難しいか分かる?」
「ハイヒールはね、
女の覚悟なのよ。
女が女であるための耐久なの。」
「だってそうじゃない。
なんであんな危険で煩わしいものを
女だけが履き続けなきゃいけないのよ?」
「昔は道が汚かったから
少しは利便性もあっただろうけど、
今はハイヒールを履き続ける正当な理由なんてないもの。」
「女は男の数倍、
見栄っ張りだってことね。
覚えておくといいわ。」
私は
上手く言葉を返すことができなかった。
そしてこれからは、
高いヒールで前を歩く彼女たちに
「早く歩け」と言うのはよそうと思った。