昔、ある島に腕のいい伝説の船大工がいた。
彼には うんと年の離れたやんちゃな弟子が二人いて、いつも笑って仕事をしていた。
彼は更に昔に、伝説の海賊の船を作った。
その海賊船は世界中を巡って、海賊王となって世界政府に捕まって処刑される。
その海賊船を作った彼も捕まってしまう。
裁判で彼は自分の島の廃れた産業や、荒れた街を心配して孤立した三つの島を海に浮かぶ線路で繋ぎ、
海列車を通して三つの島を発展させたいと申し出る。
それを作る為に、あと10年時間をくれと。
そんな事は不可能だといわれ続けながら、彼は弟子達と命掛けで作っていく。
昼間仕事をして、弟子が寝てから夜 設計室で図面をかく。
島の人たちと自分の夢の詰まった設計図。
弟子達にみじんの疲れも不安も見せず、10年かけて完成させる。
結局、世界政府の陰謀によって捕まってしまうのだが、島の人たちと弟子達と自分の夢だけ守って死んでいく。
器のドデカイ男の中の男。
伝説となった大工トムさん。
僕が一番憧れている大工さん。
漫画の話だが。
色んな住宅メーカーの下請けをしていた大工の親方の元を辞めて10年。
いつか新築の一軒家の仕事をしたいと思い続けて、お店のリフォームの仕事を続けてきた。
事務所の設計スペースも、実はトムさんの設計室をモデルに作った。
今まで僕に、僕たちに関わってきてくれた全ての人たちのお陰で、
10年掛かったが初めて新築の一軒家の仕事が実現した。
何ヶ月も掛かって完成した設計図には10年分の魂がこもっていた。
思い続ければ、夢は実現するものみたいだ。
