羊水検査を受けられなかった後の、続きの話です。







転院した病院は、日本でも有数の赤ちゃんと妊婦さん専門の病院です。


診療科目がとっても細かく分かれていて、私の場合は産まれる前の赤ちゃんの事について知りたいので、胎児診療科で診て頂く事になりました。


そこで出会った女性のお医者さんがとても親切で優しい上に、明るくて、強さを感じる方で非常に頼もしく、私は出産までをこちらの先生に主治医になって頂けるようにお願いしました。




私たち夫婦は


どんな赤ちゃんでも喜んで迎えたい!


という気持ちで決まっていましたが......


トリプルマーカーの結果の.....31分の1の確率でダウン症だった場合.......


程度によっては合併症として、心臓などに致命的な障害もあるという事で、まずはまだ150gにもならない大きさの赤ちゃんをエコーで隅々までよく診て、心臓や脳に異常がないか確認する

胎児スクリーニング

をしてもらう事になりました。



結果、胎児スクリーニングでは心臓など、すべての臓器に現時点で確定出来る異常はない!という事でした。


次に、血液検査のNIPTを受ける事にしました。

こちらの検査ではとても高い精度で赤ちゃんがダウン症であるかどうかを知る事が出来ます。


この時点でもう、私のお腹の赤ちゃんの週数は、法律的に堕胎をしていい時期をほんの少し過ぎていました。

つまり、お腹の赤ちゃんがダウン症だったとしても、産む以外の選択は出来ないという事です。

......それならば結果を知っても同じかとも思いましたが、やはり私は、ダウン症だと確定した場合は出産に向けて心構えをして、その後の赤ちゃんの成長についての勉強をしたり、必要な手術などで国から受けられる補償や援助などを詳しく調べたかったので、NIPT を受ける事にしました。



余談ですが、この検査を含め、こちらの病院で出産まで診て貰うのは、実際問題とてもお金がかかる事で、本来私たち夫婦の身の丈には合わない金額を使う事になると分かっていたのですが......

どうしても、赤ちゃんを最先端の医療で、最善の方法で産みたかったのと、出産という人生で1度しかないであろう経験をする時くらい、人生で1番贅沢をしていいだろうという気持ちになったので思い切りました。笑


両家の親も高齢出産の私を心配していましたし、とにかく安心と安全を最優先して欲しいと言っていたので、こちらの病院に診て貰う事を望んでいました。




そしてNIPTを受け、結果を聞く日がやってきました。


夫も仕事の都合をつけて早退し、一緒に診察室の前の長椅子で、名前を呼ばれるのを待っていました。

心はもうすでに決まっているのに、それでも緊張して、例によってまたドキドキドックン...ドキン!ドキドキと不整脈が出てきてしまいました。

ほんと、私は気が弱くてダメですねアセアセ




すると夫はまた素晴らしい対応をしてくれました。



もしよかったら、さくらはここで待っていて。
俺だけ1人で結果を聞いてくるから、家に帰ってお茶でも飲んで落ち着いてから、さくらが教えて欲しいと言ったタイミングで話してあげるよ。
ここで過呼吸になるより、家でさくらの心が落ち着くまで待てばいいんだから。



と言ってくれました。



そして

妻には帰宅してから僕の言葉で伝えます。ちょっと緊張し過ぎているようなので。

と言って、1人で診察室に入り結果を聞いてきてくれました。




家に帰り、お茶を飲み、深呼吸をして落ち着いて、ソファに並んで座り



OK、それじゃ教えて!


と言いました。 



すると夫は、結果がプリントされた紙を広げて


ダウン症の確率は、ほぼ、ほとんどの確率でありません、だって!


と言い、私の手を握りました。


私は息を大きく吐きながら、それを受け止めました。



よかった、よかった!........と、言わなかったのは、私たちはここまでの間に、命について話し合う時間をたくさん持ったことで、ダウン症だから、障害があるからよくないという考えが消えていたからです。
地球上の全ての生命はどんな状態でも尊い生命であり、〇〇だから良い、〇〇だから悪いの二極化で語るものではないと、2人の意見が一致していました。
こういう考えを共感出来るパートナーに出会えて本当に良かったと思った瞬間でした!



私たち夫婦の赤ちゃんは、今回の検査でダウン症を否定する事が出来ましたが、他の障害については産まれてから分かるものもありますし、先生いわく、ダウン症は色々ある障害のうちの4分の1でしかないとの事なので、あらゆる障害を否定出来たわけではありません。


心配は産まれるまでどころではなく、産まれてからも果てなく続きそうで、きっとそれが親になるという事なのだと思いました。


だって私の母はいまだに私をすごく心配しています。
今回私が妊娠したことによって、両親から貰った愛情を再確認する機会が度々ありました。





さぁ、これからはお腹の赤ちゃんが無事に産まれるまで、とにかく毎日大切に過ごしていこう。
真冬に向けて腹巻と厚手のタイツを買い足そう!


そう思いながら眠りにつきました。