もうこうなったらジョン・カーペンターの監督作品を書いていこうかと。
一部では脱力系とも称されるSFでありますが、
私はやはり大好きな作品です。
劇場公開当時、東宝宣伝部より「ブレインウォッシュ・ホラー」と銘打たれていました。
日本で言う「木曜スペシャル」などに代表されるイエロー・ジャーナリズムにありがちな「陰謀説」をSFに翻案して描き、消費社会をチクリと刺すという話。
カーペンター監督の前作であり大傑作だった『パラダイム』の続編とアナウンスされていた事もあり、(それは今でも観たい)、
期待は随分高まっていたのですね。
【あらすじ】
失業したネイダはやっとありついた工事現場でフランクと知り合った。
彼が紹介してくれたホームレス集落で寝泊りするネイダは、ある日、奇妙な海賊放送を見る。
突然消された映像を見て慌てて集落を出て行った男を、奇妙に思い追ったネイダは教会にたどり着いた。
その壁には「THEY LIVE AND WE SLEEP/彼らは生きている、我々は寝ている」と殴り書きされている。
その時警察のヘリがその周囲を飛びまわっていた。
翌日、予告も無く警察がその集落に攻撃をかける。蹴散らされる住民。
この事が怪しい教会に関係あると見たネイダは再び教会に向かう。
そこの隠し部屋で何故か大量に発見したサングラスを何気なく身に着けると街の風景が一変した。
肉眼では普通の街のポスターやビルの壁面、食品や書籍あらゆるものには「従え」、「消費しろ」「眠っていろ」と書かれてある。
そして街を歩く人々の大半は骸骨のような顔に見えた。
ネタは変わっても、カーペンターは変わらない。
勿論、この作品も低予算。
大掛かりな見せ場はありません。
それでも見せるべきところはきちんと見せる。
ムリならば雰囲気だけでも見せる
意味ありげな落書き「THEY LIVE」がメインタイトルになるオープニングの不穏な感じはたまりませんです。
これは低予算であることは関係ないかもしれませんが、
途中の本物のプロレスラーであるロディ・パイパー扮する主役ネイダとキース・デイヴィッド扮するフランクの「サングラスを付けろ!」「付けない!」のプロレスチック格闘シーンが、本編の流れを無視して異様に長く劇場公開時に観た時、困惑しました(見返したら8分近くありましたね)。
しかしそれがいいと言う人は多いんですね。
(「週刊プロレス」でも2ページ位特集組んでたな。あさりよしとお先生のマンガ「宇宙家族カールビンソン」でもネタにされてました。「予算がなかったんだ・・・」)
この作品での主役ネイダも基本的には『ニューヨーク1997』のスネークと同じだと思います。
安寧よりも自分の生き様を裏切れないハードボイルドな反骨なヤツ。
カーペンターも実はこの作品でもカート・ラッセル使いたかったんじゃないかなぁ・・
ちなみにこの作品に登場するエイリアンは、I.S.M.(Intelligent Space Man)とパンフには紹介されていますが、作中にはそんな呼び名は勿論出てきません。
配給は東宝東和ですから、東宝イズムのネーミングですね。
【ちょっと余談】
そのエイリアンが持っている棒の突き出た通信機は、『ゴーストバスターズ』の霊探知機と一緒のものです。モダン・プロップス社というプロップのデザインからレンタルまでの会社があるのですね。
小道具と言えばこの頃流行りだったデザートイーグル(ハリウッド・イーグル)がやたら出てきますね。
初日から三日目くらいで観に行ったのですが、劇場にはすでに「いよいよ2月10日限り」までの張り紙がありました(哀)。