あかり姫と坂本龍馬伝説 -6ページ目

フリーター 坂本龍馬さんを学ぶ 其の四十

久坂玄瑞たちが5月10日に攘夷を決行する少し前、龍馬は勝海舟のお供として、姉小路公知とお供の攘夷の志士たちと一緒に艦船の甲板から大阪の湾内を眺めていました。

「良い眺めですなあ。」

龍馬は、故郷の桂浜を思い出しつつ、ふと我に返りました。

「ここに外国艦船が攻め込んで来たら、どこから守りましょうか。よい策はありましょうや。」

姉小路についてきた長州の桂小五郎が答えます。

「現状ではどこからでも上陸できましょう。幕府の海防は全く成っていないことが一目瞭然です。今の幕府には、海防についての準備が足りないし、その意識も欠如している。」

「私も全くその通りと思います。海軍の整備が急務と思います。私の剣術をもってしても、外国艦船の大砲や軍隊を追い返すことは出来ません。諸藩の協力が必要です。もはや藩が出来ない可能性もあります。朝廷を守るためには、身分や藩の壁を打ち破って草莽の志士が活躍しなければなりません。」

「そうそう、その通り、その通り」

と相槌を打ちながら桂は龍馬の顔を不思議そうに覗き込みました。

「どちらでその考え方を?」

「長州の桂先生、私は吉田松陰先生のお話を久坂玄瑞氏に聞きました。」

「おお、そうですか。」

桂小五郎は目を輝かせて、表情がパッと明るくなりました。

私は久坂氏に脱藩を勧められて土佐を脱藩しました。

「ハハハ、あの者に唆されて脱藩しましたか。それは久坂がご迷惑をお掛けしまして。」

「いや、私のような者が理解も出来ぬまま、久坂氏の議論を吹聴したところ、その後藩に吉田東洋暗殺の下手人の疑いをかけられて酷い目に遭いました。刀の鍔を売り払って食いつなぎ、一時は死をも覚悟しまして・・・」

「ハッハッハ、これは失礼!」

桂は勤王の志士にしては怖さを感じさせず、苦労を微塵も感じさせない育ちの良さと気品を漂わせながら、ニコニコと笑顔で龍馬の話を聞きました。

「ようやく拾って下さったのが勝先生だったのです。今は勝先生の下で日本の海軍を準備して外国を打ち払わんと、草莽の志士の仲間を募っております。」

「勝先生も浪人者を集められるとは、度量が広いですね。」

「大きな声では申せませぬが、私が長州の松陰門下の熱い熱意を勝先生に毎日のようにお話しました。勝先生はもはや立派な勤王の志士であらせられます。あの通り、お公家様にも物怖じされず、命がけで大義を説いておられます。先日も将軍家茂様に命がけの直訴をして海軍拡張を進言されました。尊王攘夷派に理解のある貴重なお方であらせられます。この機会に桂先生も勝先生にいろいろ進言されると良いでしょう。」

「ハッハッハ!脱藩者の貴殿が、幕府のお奉行を草莽の志士に変えたとは!これは松下村塾の者にもなし得ないことを。そなたは面白い人ですね。松陰先生もさぞ地下でお喜びでしょう。」

桂は龍馬に親近感を覚えつつ、笑い続けたのでした。

「姉小路様もお公家でありながら、攘夷の志士であらせられます。我々志士と共に協力して国を守ろうとしておられるのです。」

「何とも頼もしいお方ですね。桂先生が姉小路様を勤王の志士に変えさせたのですね。」

「いやいや、私ではありません。攘夷は天子様の強い御意向です。」

 

青空の下、春ののどかな日差しを浴びつつ、勝は公家の姉小路公知に艦船の上から大阪の湾内を一望しながら、即時攘夷は不可能であること、海軍整備の必要性を説いたのでした。

 

幕府と朝廷は歩調を合わせて外国の襲来に備えて海軍準備をしなければならない、そして現時点ではその準備は出来ていないこと、海軍準備を優先すべきだという勝海舟の意見に、姉小路公知は十分な理解を示しましたが、即時攘夷に反対の立場を取るに至ったのです。

 

しかし、攘夷の志士たちは、この姉小路の「変節」を許しませんでした。朝廷の指示によりすでに5月10日に攘夷が決行され、薩摩藩も生麦事件の賠償金問題で攘夷戦争が近いのに、姉小路が反対して朝廷内部の統一が取れなければ戦争の障害になると映ったのか。3人の刺客が5月20日に姉小路公知を暗殺してしまったのです。

 

姉小路が暗殺犯人から奪い取った刀は薩摩の田中新兵衛のものであり、田中は後日切腹しました。勝海舟と龍馬はせっかく出来た朝廷との架け橋となる人物を失い、酷く落胆しました。

 

龍馬が長州が外国に単独で戦争を仕掛けて攻撃されていることを知ったのはその後しばらくしてからのことでした。朝廷の下に各藩が攘夷を実行するとしたら、それは一藩攘夷でしかない。各藩が外国に戦争を仕掛け、各藩がそれぞれに外国に占領される危険がある。長州の領地が丸ごと外国軍に占領されてしまう可能性がある。だからこそ、長州を守るのは長州だけではない。各藩の占領の危機は、皇国の危機であり、日本全体の問題なのだ。外国が攻めてくる、今こそ諸藩が力を合わせて外国に立ち向かわなければ!もはや諸藩の組織には外国を倒す力は無い!天子様をお守りするためには君の力が必要だ!と、龍馬は神戸海軍操練所、勝塾に浪人や、暴れ者、勧誘するのでした。

 

「外国が攻めて来たら、藩士も浪人も殿様も関係ない。我らが弱ければ、皆、等しく滅ぶ。当塾で学ぶのに身分の別は関係ない。国を守るのは身分でなく、実力である。浪人も藩士も、国の民であり、対立している場合ではない。協力し合ってこそ、外国に立ち向かえるというもの。君の実力を存分に発揮して欲しい!」

 

こうして、脱藩者は各藩のエリート藩士に気後れすることなく、勝塾の門を叩き、学習することが出来たのでした。

 

脱藩者にして、容堂公に脱藩を赦された者として、龍馬は浪人と藩士の両方に顔が効きました。浪人者たちを塾に勧誘して引き入れた責任者として学生の面倒を見つつ、エリート藩士、脱藩浪人者いずれの意見をもよく聞き、双方の信任を受けて操練所の学生をまとめ上げることが出来たのです。

 

そして千葉道場の免許皆伝という肩書きと上背は、幕府の政策を支持する学生と、討幕をほのめかす学生との間の激論から、しばしば起こりそうになる学生の間での喧嘩を防ぎ、また、各藩の暴れ者を黙らせるには十分だったのです。

 

かくして龍馬は、その行動において、神戸海軍操練所の塾頭としての役割を果たすに至ったのでした。

 

 

非正規と会社

非正規労働は楽だし責任も無いといわれる。

 

無論、仕事の全体の一部を補助するために雇われているんだし、全体像を考えるのは正社員の責任だ。

 

でも、最近は少数の正社員が多数の非正規社員を指図して働かせるという光景が当たり前になった。

 

非正規社員が正社員に仕事を教える職場もある。責任ある派遣が現場を取り仕切ることになる。

それでも責任は限定的なものだ。

 

非正規は責任無いし、経営に無関係で、給料も安いから気楽というのは事実だろう。

しかし、これほど非正規が現場を支えるようになると、その働きは経営に直結する

 

非正規が集まらないという悩みを抱え、正社員が仕事の穴を埋めることになる。結局、会社の部署が廃止になることもあるという。そういう場合には、最初から相談してくれれば良かったのに、という人もいれば、そんなこと相談されたら鬱陶しい、お前の会社の経営なんかどうでもいいというのが本音の人も多いだろう。

 

非正規の動き次第で会社の経営に影響が出るのだから、非正規は馬鹿に出来ない存在なのだ。

 

全従業員が経営や全体のことを考えて現場で行動することが会社の良い運営につながるのは間違いない。

 

そうなると、正社員中心の会社にして、経営マインドを持つ全社員が日々の運営を行うのが理想ということになる。

 

そう言うと、いや、自分はブラック企業に人生を委ねたくないと思う人が多いだろう。正社員の過労、イライラ、低賃金についての不満を聞いている人も多いはず。

 

こんな会社の正社員なんか御免だね、というのが本音かもしれない。

 

ではどうするか。株を買うのも一つの選択肢だろう。株式を買って会社の所有者たる社員として出資する。そもそも出資に値する会社なのか、自分の責任で経営状況を慎重に調べることになるから、経営マインドが養われるだろう。また、非正規が搾り取られた利益を、株主配当として会社から受け取ることが出来る。経営方針に文句があるなら株主総会で発言すればよい。現場で働くバイトが、株主として会社の方針に口を出したら、社長さんもビックリだ。その説得力は、その辺の投資家なんかとは比較にならないかもしれない。

 

まあ、働いた金で株を買うのも大変だから、積極的にお勧めはしません。そこまでしなくても、せめて非正規として働く前に、その会社が株式を買うに値するかどうか調べてみたらどうだろうかと。いやいや、株主への配当を優先して株価は高いのに、バイトへの給料未払いが問題になっている会社もあるよ!という反論があるかもしれない。う~ん、そうなると働くより株を買った方が得じゃないか!と。でも、最近の株は高過ぎるんですよね。ここまで上がるとあとは暴落するだけなんじゃないかと・・・。そうなれば大損です。会社と心中したくないというのが非正規の本音かもしれない。だが、株にお金を出せば人が働いて利益が上がるのも事実。分散投資で大勢の人の労働の果実を得るのことも考えられる。いずれにせよ、企業社会では経営マインド無くして利益を得ることは出来ないのかもしれない。

 

非正規労働者を取り巻く環境は厳しい。現実的には、いつ会社が潰れても、別の会社に移れるだけの技能を身に着けておくことを優先すべきだと思います。いざとなれば起業も出来るよう、貯金はし過ぎということはありません。毎年納める国民年金の給付額は65歳から月額6万5000円、これじゃあ老後はしんどいですよ。老後の資金計画を考えて、会社との付き合い方を考えるべきだと思います。

 

今年もラスト二週間になりました

私も高知競輪で昨年の年末と年始を迎えた一人です。

今年は小松島競輪で、30日から元旦にかけて義経ドリーム杯争奪戦があるらしい。

 

それにしてもこの一年、あっという間に過ぎてしまいました。気付いたらあと二周、ではなくて二週間しかない。

 

一年を競輪で考えれば、これからが勝負だろう。あと二週間で、今年の総決算。これからスピードを上げて行けばいろいろ良いことがあるのかもしれない。

 

周りを見ると、みんなそんなにスピードを上げて走っていなかったことに気付くかもしれない。

 

序盤から全力で走ってる人は途中でバテるし、アホみたいに早い外国人選手を見たところで、常に全力で走る人なんていやしない。

 

でも、いずれにせよどこかでスピードを上げなければレースの実を取ることは出来ない。

 

暦を見ると、12月を師走と言うではありませんか!そう、12月は師匠が走り、弟子が走る、師匠ですら走る、まさに追い込みの季節なのです。

 

おお、競輪だ!競輪グランプリは12月30日!平塚だ!

 

う~ん、ちょっと遠いな・・・

 

私も残りの日々でこの一年を振り返って、少しでも進歩があったと言えるようにしていこうと思うのでありました。