『勇・衛・世(ゆう・えい・せい)』

時は日本の幕末期。尊王攘夷派と幕府の対立が激化していた時代に、新選組という自警団組織がいたことは誰しも耳にしたことがあるだろう。
壬生浪士組から発足した新選組は「局長、近藤勇率いる武装集団」として知られているが、近藤勇は実は二代目局長であり、
新選組初代局長として芹沢鴨という人物がいた事については意外と知られていない。

芹沢鴨は長州藩の刺客とされる者たちに暗殺されているが、その実は素行の悪かった芹沢を規範を重んじる近藤一派が粛清した、と言うのが一般的な解釈である。
しかし最近の研究から、芹沢鴨暗殺には実は諸外国、特にアメリカ(米国)との関係があったのではないかという新情報が見つかっている。
脱藩夫(だっぱんぷ、脱藩をした者の意味)の一茶(いっさ)が大地 健蔵之助(だいち けんぞうのすけ)に宛てた手紙の中に書かれている内容がそれであり、要約すると以下である。

芹沢鴨は米国の間者(スパイ)だったのではないか。
私(一茶)は芹沢暗殺の夜、偶然刺客たちが芹沢の泊まっている八木邸前に並び立っているのを見た。
彼らは「鴨・怨・売米、亜米利加(かも・おん・ばいべい、あめりか)」、すなわち「亜米利加(アメリカ)に国を売った、芹沢鴨を怨む」と言いながら、
親指を立てて何度も首を切るような仕草や何かを蹴るような仕草を繰り返して気勢を上げた後、
「勇・衛・世!(ゆう・えい・せい、近藤勇が世を衛(まも)る、と言う意味)」「勇・衛・世!」と声を上げながら突入して行った。
芹沢は長州に殺されたと言われているが、「勇・衛・世!」から察するに、刺客は近藤一派であることは間違いないであろう。
芹沢は米国に何らかの情報を流し、それにより新選組に抹殺されたのだ。

…この内容の真偽はともかく、特筆すべきは、芹沢とアメリカに関係があったことであろう。
天下の新選組局長が実はアメリカと通じていました、などとは口が裂けても言えなかったはずで、これが真実であったとしても
近藤一派による徹底的な言論封殺により歴史から葬られたであろうことは想像に難くない。
芹沢鴨の暗殺については不明点が多く、さらなる研究が期待されるところである。

昨今、DA PUMPの「U.S.A.」という曲が大ヒットしているが、「C'mon baby, アメリカ」や「U.S.A.! U.S.A.!」という歌詞は
上記から分かるように、芹沢鴨暗殺の様子をほのめかしていることは間違いない。
しかしダサかっこいいと噂の「いいねダンス」が刺客たちの突入時の様子に似ている事については、故意に似せたのか偶然なのかまでは分かっていない。


民明書房刊『幕末に生きた男たち〜競合してく、ジパングで〜』より



他の民明書房はこちらから!↓









ゆゆゆーえすえー!ゆゆゆーえすえー!
キャッチーな曲なので、最近は幼稚園とかでも流行っているようですね。
まさかそれが新選組に繋がるなんて誰が想像したんでしょう(白々しい)

もう少しスマートにまとめられたらよりいいと思いますが、いろいろ「引用」していくとだんだん長くなり…反省。
(個人的には、峰路達臨空(ぼうるだりんく)の、「岩覇」のくだりくらいで終わるのがベストです。小丸子(ショウワンズ) やこれは長すぎ…ショボーン)