毎日の詩 -99ページ目
出し惜しみして
貯めておいた感情が
干からびていく井戸
太陽に照らされて
枯葉のようにかさついた肌
搾り取れるものなど
何もないはずの僕なのに
水はすくい上げられ
涙は頬を潤した
今この時間でしか
生まれない言葉を
あなたへ
この場所でしか
歌えない言葉を
あなたへ
新鮮な気持ちで
受け取った言葉は
息絶えることなく
明日へ
なさすぎる時間が
想いを正確に伝えられなくしている
ありすぎる時間が
その分嘘を混じりやすくしている
だからといって
寸分の狂いもない真実を目指して
巡らせている心でもない
ほんの一瞬
照らし出されては
見えなくなる
人々の顔
花火は
開いては
暗闇に散り
人の群れに
埋もれぬように
手を伸ばす
帰り道
花火に
取り残されて
地球の上を歩く
僕は捨てていく
髪の毛や爪
かつての自分だったものを
記憶や感情
かつての自分だったことを
切り離したものが
あまりに生き生きとして映るから
何だか自分の方が
抜け殻みたいだ
ないものを
「ない!」と言われると
何かあるのではないかと
勘繰りたくなる
無題
心を澄まして
聞こえる歌を
風や波
心地よく乱れたリズムを
あるがままのメロディーを
肌が感じたら
思うがままの曲を
体は奏でる
心を分かってあげようと
覚えたはずの言葉なのに
増えすぎた言葉が
心を分からなくしている
自分の口から出た台詞に
首をかしげる
きれ いなものだけを
見える場所に置いて
醜いものは
見えない場所に追いやって
美しい世界を維持するために
たくさんのゴミを生み出している
汚れない瞳を保つために
人の痛みに見向きもせずに
最も長い時間を
共に過ごしてきた
それ以上の関係はなく
愛とか友情とか
そんな言葉を置いてけぼりに
もはや好き嫌いではなく
一緒にいる
同士と呼ぶにはあっさりしすぎて
空気に例えるにはごつごつしすぎる
何だか憎めないあいつ

