はじめから

ずっと0だった0と

100足して

100引いた後の0とは

違う気がするから

僕は生きている

薬が 僕の 治癒力を引き出す

眼鏡が 僕の 視力を引き出す

写真が 僕の 思い出を引き出す

喜びが 僕の 鼻歌を引き出す

悲しみが 僕の 涙を引き出す

誘惑が 僕の 欲望を引き出す

もどかしさが 僕の 夢を引き出す

葛藤が 僕の 闇を引き出す

発見が 僕の 光を引き出す

詩が 僕の 言葉を引き出す

友達が 僕の 素顔を引き出す

家族が 僕の 毎日を引き出す

全てが 僕の 眠りを覚ます

さらっとした表面の一枚の画用紙

それが芸術の始まりだとして

機械で線を区切られた一枚の原稿用紙

それが文学の始まりだとして

僕らはその枠の中で

表現することしかできないのか

僕らはその枠の外へ

はみ出すことしかできないのか

いくら動かしても

鍛えようのない箇所が

人の体にはあって

どんな強さも

あっさり崩れ落ちそうな

脆さを含んでる

打たれ弱い部分を

突かれないように

守りを固めたり

崩れ落ちた後に

思いがけない

強さを見つけたり

まあるい地球が見せる

まあるい空

壁のない宇宙で

星は永遠のように転がる

この道はどこかに続いていて

この命もどこかに行き着く

まあるい地球が見せる

限りない世界

壁だらけの地上で

明日が見えやすい場所へ

この気持ちといつまでも

一緒に居れないと知ってる

時が経つにつれ

この感情は偽物になる

僕は少しずつ変わっていく

何のきっかけがなくても

隙を見せた心に

次の気持ちが

押し寄せてくる

新しい日々と共に

一晩寝れば

分かることがあるだろうか

一晩寝れば

忘れられることがあるだろうか

一晩寝れば

答えは一つに絞られるだろうか

溜まりすぎた不純物を
夢がろ過してくれるだろうか

一晩寝れば
目覚めるものがあるだろうか

あいまいなことを

堂々と話すと

明確に思えてくる


ずうずうしいことを

遠慮がちに話すと

謙虚に思えてくる


恥ずかしいことを

恥ずかしげもなく話すから

こっちが恥ずかしくなる


悲しいことを

笑って話すから

こっちが泣きたくなる

けど笑う

僕から始まった噂話は

背びれ尾びれどころか

とうとう翼まで付いて

飛び立ってしまった


不意にこぼした物語を

取り戻せることはない

姿形を変えて

思いがけない事実になる

孤独が覗き込む部屋は

夢さえも疑わしい

眠れない夜は続く

強く握り締めたバトンを

手渡す次の走者もいない

僕はどうして走っているのだろう