脳裏にふと
ある言葉が浮かぶ

僕が言いたかったことなのか
それとも彼が?

誰もが何か言いたそうで
何もいわずにうつむいてやがる

言いたいことがあるんなら
はっきりいえばいい!と

僕は叫んでやった
心の中で
死後でなくても
繰り返す

僕の中に
輪廻はある

限りある永遠を
高速でくぐり

瞬間を重ねながら
老いていく

食べ物と水と共に
巡り続ける心
常識は破られていくだろう
これからもことごとく

世界は変わる
だからといって

今日のご飯が
不味くなるわけではない

テレビ越しに世情を
憂いもしながら

差し出されたハンバーグを
疑いもせずに食べる
欲しいものは見当たらないのに
満たされなさを感じて

どうしたらいいのか分からずに
この街にいるよ

人波を避け
パン屋の匂いをくぐり抜けて

君と呼べる人はいないのに
君を想う

11月の街は
12月のもので輝いている
僕が死んでも
この痛みは癒されない

僕が死んでも
この空腹は満たされない

僕が死んでも
この後悔は戻せない

僕の命と引き換えに
誰かの命を救えない

僕の命と引き換えに
朝陽が訪れるわけはないんだ
壁の造りが気に入って
客になった喫茶店

味方はいない
敵もいない

ただ遠慮ない
君がいるだけ

優しい陽のにおい
話の食い違い

何でもない僕は
何でもないことで笑う
母親のお腹から
コンクリートの割れ目から

命という命は
溢れるように生まれてくる

涙も汗も
笑顔も未来も

僕から生まれた
命みたいに

いくつもの感情を従えて
溢れてくる
何本の針が刺さっても
この風船は割れてはいけない

何足の靴に踏まれても
この風船は割れてはいけない

どれだけ理由が並んでも
起きてはいけないことがある

膨らめるだけ膨らんで
やがてちぎれてしまうまで

ふわふわ漂う風船を
守ろうとする力がある
見えているからって
正しいとは限らない

知っているから
正しいとは言えない

だけど見えたくて
知りたくて

みんなの声に
近づきたくて

僕が犯した
たくさんの過ち
身近な人に
打算で接したり

見ず知らずの人に
無償の愛を求めたり

適度な関係なんて
とっくに守れなくなってる

何でもない他人の仕草が
恐ろしいばかりに

人の顔をした文字を
愛したりする