川は全て

天から流れてきます

雨の川と呼ばれて

 

ざあざあ ざあざあ

雲を水源に

したたるように流れます

 

空の川は

地上の川と合流し

そのまま海を目指します

 

ざあざあ ざあざあ

昼から夜へ

時を下って流れます

 

もし海の中に

星のひとかけらが

ひっそりと混じっていたとしても

不思議なことではありません

食べれば食べるほど

満たされなくなり

 

飲めば飲むほど

乾いていく

 

我が身が確かになるほど

存在は不確かで

 

生きてる証が欲しくなり

あらゆるものに調味料

言いたいことは

もう誰かが言っている

でも 言いたいな

 

したいことは

もう誰かがやっている

でも したいな

 

ちっとも

新しくない

ありがちな日常を

誰よりも楽しく

過ごしてみたいな

声にした瞬間

言葉は一次元

 

受け止める誰かがいて

嬉しい二次元

 

見知らぬ人に聞かれて

恥ずかしげな三次元

 

思わぬ波紋を巻き起こし

迷い込む四次元

雨の勢いが強くなると

世界を遠くに感じる

街は煙って映るから

君をうまく思い出せない

 

雨音の隙間から

電話のベルが聞こえてくる

出ようとしない言い訳を

頭の中で繰り返す

 

雨に紛れるように

当たり障りなく一日を過ごす

君に使い損ねた優しさは

部屋の片付けに使われる

スタートダッシュは速くても

いつの間にか独りきり

あがり付近を行ったり来たり

 

突っ走るのは得意でも

加減を整えるのは苦手

たどり着いたはずのゴールを引き返す

 

ほら また

あと3マスのところにきて

勢いあまって6が出る

そうありたい自分を

自分だと名乗り

 

行きたい場所を

僕の住所だと言って

 

なりたい未来を

今日の日記に書く


なれない今日を

心にしまう

流したことのない

涙について

語る時が来る

 

味わったことのない

痛みについて

語る時が来る

 

歴史を持たない

僕が

歴史を作り

 

生きているうちにしか

語れない

死を語る

昨日は赤

今日は青

 

その日その日の自分に正直なら

きっと嘘つきだといわれる

景色が

抱えている

数億年前の記憶


僕が

微生物だった頃の

暖かい海の記憶


波の音も

潮風も

怖いくらい懐かしい