◆プレミアリーグ第12節
マンチェスター・シティ 5-0 アストンビィラ
▼得点者
シルバ
アグエロ(2)
テベス(2)
▼先発
GK:ハート
DF:マイコン
DF:コンパニー
DF:ナスタシッチ
DF:クリシー
MF:ヤヤ・トゥーレ
MF:バリー
MF:ナスリ
MF:シルバ
FW:テベス
FW:アグエロ
普通に戦えば勝てない相手ではないが、今のシティは格上格下関係なく毎度苦戦を強いられる傾向にある。
したがってランバート率いるヴィラにも相当手こずると思っていた。
シティは16人もの代表選手を抱えている上、21日にはレアルマドリー戦、25日にはチェルシー戦を控えており、ある程度のターンオーバーなども考慮した布陣を予想したが、蓋を開けてみると意外にもベストメンバーで臨んだことが、逆に今のチームの状態を証明している。
CLではグループリーグ敗退が濃厚だし、プレミアリーグ連覇という目標だけは必ず達成しなければならないだろう。
最早格下相手にもフルメンバーで全力で戦わなくてはならないのだ。
グアルディオラの影に怯えるマンチーニは、この試合も好調ジェコをベンチに置き、最も信頼するアルゼンチン人コンビの2トップを選択。
離脱していたダビド・シルバ、ナスリも共に先発。
結果的にこの4人が上手く機能し、この日のシティは本来の緩急をつけた攻撃を見せてくれた。
やはり技巧派のサイドアタッカーが揃うと攻撃がマンネリ化しないのが大きい。
シルバとナスリはバイタルで常に相手が予想しないプレーを選択出来るし、テベスとアグエロがエリア内でボールを持てばゴールへの期待感が更に高まる。
中央でヤヤ、バリーを加えた分厚い攻撃を仕掛けることが相手DFにとてつもないプレッシャーを与えていたし、結果的にサイド攻撃の有効性を高めることに繋がった。
実際にヴィラはシティにバイタル中央で圧倒されサイド攻撃に翻弄され2つのPK(1つ目はハンドがあったか疑問)を与えてしまった。
そういう意味では、サイドにスピードのあるウインガータイプを置かず、シルバやナスリというチャンスメイクに長けた技巧派アタッカーを置くシステムこそ、シティの攻撃陣が最も連動し相手が嫌がる形だと言える。
マンチーニ自身もその辺を十分認識しているからこそ、アダム・ジョンソンを放出しミルナーをCMFで起用するんだと思う。
要するに離脱者がなく本来のメンバーが揃っていれば、必然的にシルバ、ナスリをサイドで起用するのがベストの形だろう。
もちろん、ビィラに通用したからと言って他のクラブにも無双の如く通用するとは限らない。
ウィガンみたいな3バックを用いる相手やCL次節で対戦するレアルマドリーには難しいかもしれないから。
それでも、この試合の戦い方が開幕以来ずっと抱えていたモヤモヤ感を多少なり払拭したのは間違いないだろう。
中盤と前線のクオリティでは世界最高レベルのメンバーを有しているだけに、これらの選手達が個人技のみならず連携面でも素晴らしい攻撃を安定して見せることが出来れば間違いなく強い。
また、不安だった守備陣がクリーンシートを記録したのも評価出来る。
全盛期を過ぎたマイコンが攻守にアグレッシブなプレーを続けフル出場、19才の若輩ナスタシッチも多少の判断ミスはあったが無難に守備をした。
当然二人共に課題は残るが、少なくともプレミアリーグの中位以下相手に対しては安心してこれからも起用出来る。
昨シーズンからレスコットには散々ヒヤヒヤさせられていたわけだし、若いナスタシッチに早くから経験を積ませようとするマンチーニの意図も理解出来る。
(まぁ、ビッグマッチで起用するのは怖いけど)
彼が“ビディッチ2世”の呼び名に相応しいCBに育てば、それこそシティのバックラインは向こう10年は安泰だろう。
大袈裟に言ったが…
それくらい期待されている逸材であるのは確かだ。
この日もビィラのベンテケ、アグボンラホールらを抑えてのだから十分合格だろう。
よくよく考えると…
主将のコンパニー、リチャーズがいるし、ユースにはレキク他将来性ある選手もいるわけだ。
レンタルで修行中のボヤタ、ワバラとかも含め、シティの未来は明るいと考えていいだろう。
(コロは1月に放出、レスコットも放出候補と考えていいだろう)
そんな感じで久しぶりにシティらしい完勝だったが、マンチーニとしてはまだまだ満足はしていないはず。
先制したのは前半終了間際だし、追加点は副審の微妙なジャッジによるラッキーなモノだった。
相変わらず引いた相手に対して攻めあぐねる展開には不満があるだろう。
(一度火がついたら問題ないが)
更に、練習態度が悪いからとベンチ外に干されているバロテッリの処遇、ジェコの起用方も悩みの種だ。
これらの問題を解決しないといけないし、それらのマネージメントに失敗して無冠で終わるような事態になればたちまち自身が解任の危機に晒されることになるだろう。
高い報酬を得てる上に、これだけの戦力を与えられている…
これで結果が出なかったら責任を取らされて然り。
莫大な資金と壮大な野心を持つオーナーのクラブというのはそういうものだ。
そういう意味では、直近のレアルマドリー戦、チェルシー戦で素晴らしいクオリティを見せて勝つことが今後に向けて勢いをつけるきっかけになる可能性もある。
最大のライバルであるユナイテッドの存在も無視出来ないし…
当然マンチーニとしてはシーズン終わりまで様々な苦悩と戦わなければならない。
今節ビィラを圧倒したことは忘れて、次戦でマドリーに意地を見せることがマンチーニにとって今最も大事な仕事になるだろう。
グループリーグ敗退ということは抜きにして、世界で2番目に強いであろうマドリーを倒すことは非常に意味があるからだ。
先ずはそこから“強いシティ”の快進撃を期待したい。