先週土曜日は、南部近隣センターで腰痛解決講座を行いました。
南部近隣センターふれあいプラザは、この春にリニューアルを終えたばかり。
周囲は森と公園に囲まれたのどかな場所ですが、建物はまるで都心にあるかのようなお洒落できれいな施設です。
いつもは畳の部屋でやるのですが、今回は、壁面が鏡張りになったダンススタジオ風の部屋で実施しました。
これだと、足回しがきれいに回っているか、自分の目でフォームが確認できるのが便利ですね。
■歩行バランスと仙骨の歪み
で、今日は何をレポートするのかというと、腰痛解決講座の中身ではなくて、最後におまけでやった歩行矯正です。
参加者の方が、「これがいちばん役に立った」とおっしゃられたもので...^^;
歩行矯正は背骨コンディショニングの体操メニューにはありません。
が、歩行バランスが悪いと仙骨の歪みに影響を与えることは容易に想像がつきます。
背骨コンディショニングの矯正はほんとうによく効きますが、歩行はなにしろ回数が多い。
一日中家にいる人でも、3000~5000歩くらいは歩きます。
歩き方が悪いと仙骨に数千回ものアンバランスな荷重がかかるのですから、しっかり体操で矯正してもしばらくするとまた戻ってしまう、ということは十分ありえます。
また、筋トレで大殿筋をしっかり鍛えているひとと、大殿筋が弱い人でも影響の出方は違います。
<大殿筋。お尻の筋肉です>
歩行バランスが少々悪くても、大殿筋が強ければ、仙骨は簡単に歪まない。
逆に大殿筋が弱ければ、歩行バランスの悪さがそのまま、仙骨の歪みにつながる。
仙骨の歪みが歩行バランスを崩すのか?
あるいは歩行バランスの崩れが仙骨の歪みを引き起こすのか?
ニワトリが先か、卵が先かといった議論はありますが、いずれにしても、治せるなら両方治しておいた方がいいですよね。
■左右バランスの矯正
これまでも何回かグループ体操でご紹介しましたが、歩行の左右バランスを均等にするには「直線歩き」が有効です。
直線歩きは、
・一直線上を
・できるだけ歩幅を小さくして
・ゆっくり歩く(1歩2秒)
というトレーニングです。
左右バランスが崩れていると、「直線歩き」を行うとフラフラするのですぐにわかります。
直線歩きでふらつくのは、歩行時に足の小指が浮いていて、接地していないため。
ちなみに、ご自分の足の小指を見てみてください。
外側にねじれていませんか?
これを「寝指」といって、小指に荷重がかかっていない証拠です。
小指に荷重が掛かっていないと、足部の筋もアンバランスになります。
そして足裏のアーチが崩れて「開帳足」や「偏平足」、「外反母趾」や「内反小趾」といった足の変形につなっていきます。
このトレーニングを行うことで、足の小指をしっかり使うことができるようになると、歩行時の左右バランスが整ってきます。
■前後バランスの矯正
左右バランスの次は、前後のバランスです。
多くの人は、首が肩より前に出ているので、歩行時にも前重心になっています。
前重心になるとつま先が上がらず、摺り足のような歩き方になります。
当然、仙骨も後ろに出てくる。
一歩一歩あるく度に、仙骨に軽く後ろ方向へのハンマーを入れているような感じですね。
この前後バランスを矯正するには「足裏見せ歩き」。
ネーミングがまだスマートじゃないですが…
前から歩いてくる人に、自分の足の裏を見せるつもりで、しっかりつま先を上げて歩きます。
<足裏見せ歩き>
やっていただくとすぐにわかりますが、つま先を上げて歩くと、前重心の猫背では歩けません。
自然と前重心が矯正され、肩の真上に頭が乗ってくるようになります。
■「命を守る」トレーニング
つま先を上げて歩くのは、実はシニアにとっては「命を守る」大事なトレーニングです。
というのも、つま先が十分に上がらないと自分のつま先につまずいて転ぶからです。何もない平らなところでつまずいて転んで、運悪く骨でも折ったら1,2カ月の入院です。
その間に脚の筋力が弱って立てなくなり、そのまま寝たきりに突入、というケースが非常に多いと聞きます。
つま先を上げるためのスネの筋肉(=前脛骨筋といいます)はつま先を上げるためだけにある筋肉で、他に用途がありません。
つまり、つま先を上げる以外に、筋力を維持する方法がないということです。
年をとって前脛骨筋が弱ってくると、歩くときにつま先が下がる。
つま先を上げないので前脛骨筋が使われない。
更に前脛骨筋が弱って、更につま先が下がる、という負のスパイラルに入ってしまいます。
「つま先を上げて歩く」というのは、簡単ですが意外に大切なトレーニングなのです。
■腰痛解決講座のご案内
今回の講座が好評でしたので、来月もまた開催することにしました。
次回は10月3日土曜日の13:30から16:30までの3時間。
場所は今回と同じ、南部近隣センターふれあいプラザです。
コロナ対策もあり、募集は4人まで。
背骨コンディショニングの理論を体系的に学べるよい機会ですので、ぜひご参加ください。
それでは、今日はこの辺で。
今週もご参加、お待ちしております!
背骨コンディショニング関連のご案内