植松三十里(小説「唐人さんがやって来る」) | 内田也子のブログ

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先週は、何本か映画も観たのですが、図書館から借りている返却期限の本があるので、こちらから。


城跡巡りサークルの先輩よりご紹介頂いた本を読んでみました。

世代の違う方々との交流は、自分では思いもよらない出会いがありますね。


豊富秀吉の朝鮮出兵は両国の関係を悪化させたが、後に徳川家康の命を受けた対馬藩の粘り強い交渉により国交を回復した。


朝鮮通信使とは室町時代から江戸時代にかけて朝鮮から日本へ派遣された外交使節団である。

1607年〜1811年の間に12回日本を訪れ、学術、芸術、産業、文化など様々な分野で交流を深めた。



「唐人さんがやって来る」


著 植松三十里〈中央公論新社〉

2013年 P323


本の帯より

徳川将軍の代替わりのたび

来日した「朝鮮通信使」。

その行列絵図を完成させるべく、

版元「荒唐堂」の三兄弟は立ち上がる!


お江戸を沸かせた 大イベント!

1964年東京オリンピックから200年前







1764年(宝暦14年)唐人さん行列(朝鮮通信使)は、将軍が代替わりし、新将軍が就任するたびに、祝いのために来日する。この幕府公認絵図発行のために奔走する日本橋の版元「荒唐堂」の三兄弟の物語り。

日本橋の老舗版元を継いだ長男の利輔。
次男の市乃丞は、武家に養子に入り町人から旗本へと転身した。
三男の研三郎は、愛嬌よしの末っ子だが、いまだに自分の道が分からず風来坊。

この三兄弟が力を合わせ(?)唐人さん行列の絵巻を売って売って売りまくる。(笑)



この時代は、徳川幕府の鎖国政策もあり、外国人などは、本当にお目にかかれない珍しいものだったのだと思います。


私が子どもの頃のオリンピック開会式の各国の入場式すら、その国旗、人種、衣装など珍しく感じたものです。

今でこそ、世の中グローバル化で、通信システムの発達によって、世界の事が大分わかるようになりましたが、この時代は一生に一度、あるか無いかの大行列見物だったのだと思いました。


そして、唐人さんが食する獣肉の料理についても、祟りがあるとか恐れられて、この時代の日本人は魚、豆などでたんぱく質を摂っていたのでしょうね。昔の日本人の体格が小柄だったのも納得しました。


ところが、牛肉を砂糖醤油に漬けて焼いたところ、あまりの美味しさに調理人たちは舌鼓(笑)



玉子料理でさえ、1626年京都二条城で将軍家の饗応料理にたまごふわふわが初なのだとか?


とにかく、唐人さん行列にまつわる物語。

こうした歴史のエピソードも私は知りませんでした。


それにしても、昔も(今も?)袖のしたって

あるのですね〜〜


ま〜2020年の東京オリンピックのおもてなしも

いろいろあったようですしね。


昔も今も変わらない、利権争いと、家族のあり方を描いた物語でした。