輸出入と雇用と空洞化 | UCG梅田コンサルティンググループ

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こんばんは!NAOです。

TPPの加入の是非が問われている昨今、なかなか難しい問題ですが、これが自身にどのように影響を及ぼすか理解している人は少ないのではないでしょうか。

単純にTPPに加入すると輸出入がいずれも増加することが予想されます。

しかし、価格競争の問題から輸入額>輸出額となることが想像できます。


1998年のある研究では輸入は雇用にマイナス影響をもたらすことが確認されています。

また別の研究では輸出が雇用にプラスの影響をもたらすことが確認されています。


そして輸出はGDPに占める割合に比例して雇用への影響も大きくなります。

この比例率は輸入額の増加にかかわるマイナス影響の比率よりも大きいと考えられています。


なぜなら輸入は雇用に対してプラスとマイナスの影響を同時にもち、ややマイナス影響が上回りますが、

輸出は雇用に対してプラスの影響しかもたらさないからです。


これらのことを総合すると


輸入による雇用の減少率=a

輸出による雇用の増加率=b

輸入額=X 輸出額=Y     として

雇用の増減=bY-aX となり a<bですので、X≦Yの時 雇用はプラスとなると考えられます。

逆にいえば貿易赤字になれば雇用はマイナスになる可能性があります。


では現在の日本がTPPを導入するとどうなるか、

最初に述べた通り残念ながら輸出額の増加よりも輸入額の増加のほうが確実視されています。


また価格競争に加えて大きな要因が3つあります。

・産業の空洞化

・放射能による日本産食糧不安

・原発停止による電力不安


産業の空洞化は円高と電力不安と増税により今起きつつある事態です。

輸出産業だけでなく国内向け製品の工場さえも価格圧力により海外に移転しつつあるのは

ニュースなどで見聞きされている方も多いでしょう。


そして食糧不安も理解することは難しくないでしょう。


電力不安の問題は、産業の空洞化の一つの要因ともなりますが、それ以外に火力発電の増加による

原油輸入量の増加という直接的な影響があります。


この3つの要因により日本は貿易赤字に今現在転落しており、

これらはTPPの加入でも解消されることはないでしょう。

(ただし原油輸入量の増加は雇用に大きなマイナス影響をもたらすとは考えにくいです。全産業のコスト高に影響しますが)


現在の日本の雇用環境は、不幸中の幸いですが震災からの復興需要により改善しつつあります。

ただし、この特需が終わったときに、日本人の雇用を支える産業が日本に残っていないかもしれません。

TPPでは農業も製造業も衰退の原因になりこそすれ、改善の見込みは薄いように思います。

「生産」という産業が衰退した時、「ものづくり大国」と呼ばれたこの国の雇用はどのような状況になるのか、

自身の身において考えてみるよい機会が今現在だと思います。