こんにちは
産土神社鑑定士 真壁辰郎です。
東京は午前中の好天から一転
午後は空もようが荒れました。
時おりたたきつけるような雨に
雷鳴。
なんとなく
昭和の気配を感じます。
ほどなくして空が明るくなり
雲の切れ間から太陽が顔をのぞかせました。
あたり一面に陽光が降りそそぎますが、
雨足はいぜんとして強いです。
「狐の嫁入りか・・・」
思わず
こう呟いた私でした。
私が小学生の低学年の頃、
京都の伏見稲荷大社の
お山すべてが遊び場でした。
学校が終わると一目散にお山に行き、
友達と日が暮れるまで
遊んだものでした。
急な雨にみまわれても
大木の下で雨宿りができます。
鬱蒼(うっそう)とする森の中で
雨宿りをしていたとき
そのとき何者かが
ずっとこちらの様子を見ているのを
子供ながらに感じていました。
今思うと
子供だったからこそ
感じとれたのだと思います。
怖くはなかったのですが
「何かが見てるな・・・」
とは感じるわけです。
あかあかと
たたあかあかと照りゐれは
伏見稲荷の神と思ひぬ
歌人の
前川佐美雄はこう詠んでいます。
お稲荷さんといえば
朱色です。
何万本も立つ鳥居の朱色が妖しくもあり
場所によっては魔道の入り口にも思えます。
現世とあの世を繋ぐ場所、
稲荷山にはそういう空気が漂います。
10年ほど前
久しぶりにお山に足を踏み入れたのですが
幼い頃に感じていた
妖しげな空気は
感じとれませんでした。
「大人になってしまったんだな・・」
と、
一抹の寂しさを感じたものです。
今日の天気の中で
幼い頃の記憶が断片的に
よみがえってきていました。
10年ぶりに
時間をかけて
お山を散策したい気分になった私です。