バイロイトというのはドイツの小さな田舎町です。 したがって バイロイト祝祭劇場以外の場所でも昼間に散歩をしてたり宿泊しているホテルの中で 日本人同士顔馴染みになることが 多いようです。
幕間のある演目では 長い休みがあります。
だいたいわざわざ日本から行く場合には1演目だけということはなくて 何日も ご一緒するわけです。 そのためどうしても日本人同士が顔見知りになりいろいろな話をするわけです。
バイロイト音楽祭で日本人が,会って話をすると、共通かつ関心のある話題は、どうやってチケットを取ったかである。
「いやね、いつもルフトハンザに頼んでいますよ。」という方がおられた。よく意味が分からなかった。
その時には、もうずいぶん親しくなっていた、心臓外科医の先生が、あとで、あの方の発言の意味が分かったかねと聞かれたので、さっぱりわかりませんと答えると、
要するにファースト・クラスの特別な常連客ということですよ。
とのことだが、無縁の話でここまで。
もっとすごい人がいた。
「本当はいけないことを、しちゃたの。
カルロスさんに無理を言って・・・」
何を言っているのか頭が混乱した。
カルロス・クライバー氏なら、そりゃ、バイロイトの切符は手に入れられるであろうが・・・ということに気がつくのには時間がかかった。
その後、バイロイトで、時々お見かけするのだが、怖くて声が掛けられない。

