ここからは統計学の問題ではない。もともと正規分布をするはずがない集団にそれらしく偏差値をだす塾のテクニックである。

 

それは極端に難しい問題と極端に易しい問題をくみあわせた問題を模試で出題するのである

 

そうすれば、平均点付近に山を作り正規分布らしく見える。偏差値が大きく変動するのも防げる。

 

 

偏差値が一気に30ポイントも下がれば、統計学のカラクリを知らない保護者はびっくりして塾をやめてしまうからだ。大学受験での東大模試も同じである。もともと東大受験生だけを対象とした集団で偏差値を出すことが間違いである。この場合は、問題をいじるのでなく配点をいじればよい。

 

予備校の模試で数学の大問があり、設問が2題ある。易しい設問のほうが配点が高く、難問のほうが配点が低いのはこういった理由である。

 

模試なら良いのだが本番の試験でこれをする中学校がある、そうなれば易しい問題を如何にミスをしないかで合否が決まり、難問に挑んだ生徒が不合格の憂き目を味あうことになる。

 

 

これが中学受験で番狂わせの起こる一つの原因である。「頭が良すぎて中学受験に失敗する」タイプと呼んでいる。