今回は、久々にからだ講座です。
勉強熱心なセラピストさんから連日全国から声問い合わせ頂いております。
文章ではなかなか紹介が難しいですが、ひとまず「つる」ことについてお話ししましょう~。
ちなみに過去のからだ講座はこちら↓
1.背骨の上の痛みはどこから?(筋肉系)
2.脚のシビレはヘルニア?(神経系)
3.肩こりからくる頭痛が治らない!?(呼吸器系)
④「攣(つ)る」原因とその対処(筋肉系)
~『ひとさぽ』連載より~2010年6月2日掲載分より
【事例】
ケース1
Aさん29歳(女性) 人材派遣の会社で事務系の仕事に就く
「最近、スイミングに通っているのですが、泳ぎ始めた途端、つま先が攣って怖い思いを何度もしています。低血圧で冷え性だからでしょうか? それと今、友だちと一緒に婚活を頑張っていて、女子度を下げないように5cm以上のヒールを履き始めたのですが、それ以来攣る回数が増えたような気がします」
ケース2
Bさん34歳(男性) 会社でシステムエンジニアとして働く
最近、残業が減ったので、ゴルフ打ちっぱなしにはまっている。
「禁煙ブームですが、なかなかタバコが止められません。でも、それ以外は草野球チームにも入っていて週1で運動してますし、最近ゴルフにはまっているし、健康的な生活を送っているつもり。夜、寝ている時や起きぬけにふくらはぎや足の裏が攣ることがあり、悩んでます。ちなみに、フロ嫌いなので朝シャワー派です」
ケース3
Cさん64歳(男性) 自営業
「若い頃は柔道をやっているから体力には自信があります。10年以上前から太り気味で高血圧と診断されました。糖尿の気もあるので、医者から出された薬を欠かさず飲んでます。自営なので定年もなく、まだまだ現役で働きたいです。ただ、朝ラジオ体操をすると、背中や足の裏などあちこちが攣ることがあり困っています」
ケース4
女子サッカーのコーチから、選手におこったトラブルについて相談
「Dさん22歳(女性)が、利き足である右の内股(内転筋群)が攣って、立てなくなりました。来週の試合までにどう対処したら良いでしょう? また試合当日の処置についてアドバイス下さい」
●共通の症状:1~3に共通するのは、急に身体を動かすと攣るということ。4は特別なケースで、激しい運動の最中に起こっている。
【アプローチ方法&原因分析】
「攣る」の原因を考えるには、まずは筋肉が動く仕組みについて知っておく必要があります。
運動指令が電気信号となって脳→脊髄→末梢神経→筋肉へと伝わります。その指令に応じて筋肉が収縮したり、弛緩(ゆるめること)したりするのが筋肉の働きになるわけですが、これらすべての動きは血液が運んでくる酸素や栄養素をエネルギー源として行われています。
そして、「筋肉が必要とする血液の量」と「実際に供給される血液の量」、つまり必要量と供給量のバランスが崩れると、「攣る」という症状が起こります。
「攣る」とは筋肉の収縮した状態です。
攣るメカニズムは厳密には具体的なメカニズムは解明されていない部分はありますが、原因として考えられるのは・・
①血液循環の問題
事例1~3に該当します。
慣れない運動や、いつもより激しい運動をするほか、筋肉が要求している血液量が不足したときに、攣ることがあります。
循環が悪くなる要因としては、
・凝り
・低血圧
・冷え性
・運動不足
・喫煙
・薬の副作用
・姿勢
・水中
などいくつもあります。
これらが複数重なって、「攣る」症状を促していることも考えられます。
寝ている姿勢は、足の先が伸びている状態になり、ふくらはぎの筋肉が収縮している状態になります。
さらに、寝返りや足を伸ばしてしまうと、収縮した筋肉がさらに収縮し、「攣る」を引き起こしやすいともいえます。
いわゆる“こむら返り”ですね。施術のときも主にうつぶせで寝た姿勢で行いますが、その最中で攣るお客様もいらっしゃるので要注意。足先が伸びっぱなしにならないようクッションを足首の下に充てるなど工夫するのも方法です。
また、水中では足先が伸びやすく、さらにつま先を伸ばしてバタ足など足先に力を入れることで、「攣り」やすい状態ともいえます。水の冷たさから、脳から筋肉への運動指令がにぶりやすくなることもあり、これも「攣る」を後押しする要因に。
足先は心臓からも遠く、血液の循環が滞りがちなので攣りやすい部位といえます。
②使い過ぎの問題
事例4のケースに該当します。
筋肉疲労です。使いこんだ筋肉をさらに酷使したことで、必要とする酸素(血液量)が一気に足りなくなり、「攣る」要因になると考えられます。
↓
今回の発症要因としては、必要とされる血液量が十分に行き渡っていないことに主な問題があると考えられる
【セラピストの対応】
● 対症法のアドバイスとして
患部の筋肉を伸張させることを心掛けます。
攣った直後なら、炎症を鎮めるために冷却を促します。
◎事例1~3の場合、オイルマッサージなどで血液の循環を促します。筋繊維に沿って血液を流すように行います。
◎事例4の場合、試合中に起こったら、「まず攣った場所を伸ばして、冷やす」ことをアドバイスします。さらに、攣る・攣らないに関わらず、ハーフタイムなど休憩時間には冷却させ、筋肉の炎症を冷やして攣るのを防止すると良いでしょう。
●根本的なアドバイスとして
日常生活に改善すべき点があればアドバイスをしましょう。また、日ごろから無理のない範囲でストレッチや運動習慣が予防に有効であることも説明しましょう。
↓
攣る回数も減っていくでしょう。
【ポイント】
今回のように『血液量の不足からくる「攣る」』症状に対応するには、患部を温めたりマッサージすることは有効ですが、それ以前に普段のライフスタイルを聞き出して、血液循環が良くなるアドバイスをすることが大切。
施術のテクニックも大事ですが、それ以前に、お客様のライフスタイルや習慣、嗜好について、しっかりと聞きだすこと。カウンセリング力が問われるところです。
お客様は、スポーツ選手のように肉体を酷使する方から高齢者まで、幅広い層がいらっしゃいます。どんなお客様にも対応できるようにしたいもの。要因を絞ってしまうのではなく、可能性としていくつも考えられることを知っておくことが必要。そのうえで的確なアドバイスをしましょう。
お大事にぃ!!