からだ講座①腰痛編~『ひとさぽ』連載より~ | からだ日記!

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現在、セラピストの為のポータルサイト『ひとさぽ』 にからだに関するコラムを連載させて頂いております。
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セラピストの方もそうでない方も、ちょっと勉強してみてください!

セラピストのための からだ講座(第1回)

<背骨の上の痛みはどこから?(筋肉系)>


日本一有名な骸骨、『ジョニー』です。 「この分野は治療家や医者の役割だから……」と、自ら可能性を閉じてはいませんか?
「私の未熟な技術で大丈夫だろうか?」と、自信を持てずに悩んでいませんか?
「技術は磨いているのに、発揮できてない……」。

診断力がないために、せっかくの技術が生かせていないのでは?

現場に出て壁にぶつかるセラピストは少なくありません。自ら整骨院を経営しながら、リラクゼーションサロンを運営する上原健志さんは、多くのセラピストたちの悩める姿を見てきました。そして、その原因は、技術ではなく、人体に関する基礎知識にあると感じていたと言います。そこで、2008年よりセラピストのみなさまに、分かりやすい事例を交えて、最低限必要な人体の知識と仕組みを教える『からだ塾 』を開講、定期的に講座を開いています。

ここでは、知識を現場に生かす事例と考え方を、ご紹介していきます。
さあ、一歩も二歩もステップアップして、体の不調を改善できるセラピストを目指しませんか!


<背骨の上が痛い、腰痛>

【事例】
・25歳(男性) サーフィン歴2年目、毎週のように海へ出かける会社員。
「テイクオフ(波に乗ろうとするときの動作)のとき、上体を反らすと、常に背中に痛みが走るんです。疲れが溜まってるんですかね?」


・28歳(女性) 営業部でバリバリ仕事をこなすキャリアウーマン。
「展示会の準備で、重い物を運ぶ作業を数日間繰り返してきました。それから、背中が痛いんです。ほぐして頂けませんか?」


・32歳(男性) 仕事帰りにジムで鍛えてマッチョな体を目指す会社員。
「背筋重視のトレーニングを本格的に始めてから腰痛が発症。腰の両サイドではなく、背骨の真上に痛みあり。これは骨の問題ですか?」


共通の症状:腰痛(とくに後ろに反ったときに背骨の真上が痛む)


【アプローチ方法&原因分析】
腰痛は、前にかがんだとき、後ろに反ったときと2種類ある。この場合は後ろに反った時の痛みなので、まずは患者が背骨のどこの高さで曲げ始めているかをチェック。


・理想的な位置→背骨ではなく、股関節から骨盤を傾けていくこと。
・患者の位置→背中の中央や、やや下など、曲げる位置が理想の位置より上になっている場合が多い。


悪い曲げ方

↑ × 背骨を支点にしているため曲がりが浅い


良い曲げ方

↑ 〇 股関節を支点にすると深く曲がる 


悪い曲げ位置

↑ × 曲がる支点が高いと、背骨に常に負担がかり、腰痛になりやすい


良い曲げ位置

↑ 〇 股関節を意識して反るとと背骨への負担が軽い



股関節からではなく、背骨から曲げている場合、背柱の骨一個一個の間隔が詰まり、筋肉に負担がかかる。
骨を動かしているのは筋肉。筋肉に負担がかかると、腰痛が起こりやすくなり、場合によっては腰椎椎間板ヘルニアに進行する可能性もある。

今回の発症要因としては、日頃の腰の曲げ方に問題があることが考えられる。


【セラピストの対応】
まずは前後屈をしてもらってください。その動きの中から、どこを基点に前後屈を行っているかをチェックし、理想の位置(股関節)から曲げていない状態であることを指摘します。

その上で、負担がかかっていた腰の筋肉(腰方形筋・脊柱起立筋など)の疲労を取り除く施術を行い、痛みを緩和させてあげて下さい。

最後に、今後は股関節を意識するように前後屈をするよう、アドバイスをしましょう。


【ポイント】
単に、ハリのある部分をほぐしただけでは、絶対に改善しません。
その場ではラクになるかもしれませんが、痛みがすぐに再発し、そのお客様は新しい解決方法を探して、他店に行くでしょう。
施術のテクニックも大事ですが、それ以前に


①なぜその症状に陥ったのか、どういう動きが原因なのかをきっちり分析。

②お客様に分かりやすく説明し、施術に入る。

③今後の改善に向けた的確なアドバイスをする。


ということができてこそ、お客様は納得し、「また来よう」と思うのです。
自分の技術の効果を最大限発揮するにも、体の仕組みの知識は絶対必要です!


プロフィール


上原健志さん
株式会社u-bal /うえはら整骨院 代表
http://www.u-bal.com /u-bal からだ塾



<経歴>
1975年生まれ
立教大学社会学部卒後、日体柔整専門学校へ進み、医学の道を志す。
卒業後、都内複数の接骨院・整骨院・整形外科で勤務
2006年 
うえはら腰痛研究治療院として独立。老人ホーム・寝たきりの高齢者・障害を持たれている方の往診のほか、マンション、グランエスタ内のリラクゼーションサロン「Ciffon」にて出張マッサージも始める。
ふとしたきっかけから、数人のセラピストの要望で身体に関して小さな勉強会を開く。
この頃からセラピスト業界に自分たちの医学的知識が役立つことを痛感する。
2007年 
墨田区に移転、うえはら整骨院をオープン。「Ciffon」の運営を始める。同時期にNISPAC日本スパカレッジにて解剖生理学講師活動開始、頭皮の生理学などを教える。
2008年 
株式会社u-balを設立。勉強会を「からだ塾」としてリニューアル
現役のプロバレエダンサー・インストラクターや、演劇・舞台に携わるダンサーの施術や、産前産後の施術にも定評がある。
ほか、リラクゼーションサロン等の社員研修の講師も務める。
<資格・活動>
柔道整復師
介護支援専門員(ケアマネージャー)
CIBTAC国際ライセンス(解剖生理学)
上海中医薬大学解剖学短期研修修了
うえはら整骨院院長 http://u-bal.web.officelive.com/
NISPAC日本スパカレッジ解剖生理学講師
NPO法人 日本手技療法協会会員
JHA日本治療協会会員


2010年3月23日 『ひとさぽ施術講座』連載コラムより抜粋  http://hitosapo.com/



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