何年も前の話ですが、ブログに書いたことがあります。

歯に一番、DVや虐待の痕が残るって知ってましたか?

私は数年前まで、頭から血が出て縫うような大怪我をしても、あばらが折れても、病院へ行くことをひどく恐れていました。

痛くても我慢すれば何とかなる、そう何度も自分に言い聞かせてきたからです。

 

でも、歯の痛みだけはどうにもなりませんでした。脳に近いからか、その激痛は半端ないんです。仕方なく歯医者に行くと、歯科医師の方から「ストレスがひどいですね」とよく言われました。

 

長男も同じようなことを言われ、ある時「親に暴力を振るわれていないか?」と聞かれたことがあったそうです。

 

歯に何らかの症状が出ていると、歯科医師は気づくものなんです。でも、気づいてもあえて言わない先生もいれば、気遣ってくれる先生もいる。

 

歯が透明になった日

最近、私の歯が透明になっていきました。「なんでだろう…」と思っていたのですが、その原因は摂食障害でした。

元夫は、私が「家族と一緒に食事をすることを許さなかった」のです。自分が作った料理をこっそりつまみ食いをすることすら許されず、食卓に座ることさえできませんでした。元夫が、私を睨みながら息子たちに「ママは食べたくないんだよ」と毎日言い聞かせているのを聞いているだけで、食事が喉を通らなくなっていったのです。

 

それでも空腹には耐えられず、買い物に行った際にこっそり値引きシールが貼られたパンを大量に買って、隠れて食べていました。それが普通の量ではなかったので、吐く。太ればデブだのブタだのと執拗に罵られるため、指を突っ込んで吐く。そんなことを繰り返していました。

精神的に限界だったある日、長男に吐いているのを知られてしまってからは、なるべく気をつけようとしました。でも、心を蝕む病はどうにもならず、代わりに何年も大量の下剤を飲み続けていました。今思えば、よくこの年まで生きていられたなと思います。

 

「酸蝕歯」という傷跡

嘔吐で逆流した胃酸が歯に触れて溶け、歯がボロボロになっていく。それが「酸蝕歯」という状態でした。

目に見える症状で言えば、500円玉くらいの円形脱毛症になったり、帯状疱疹になったりしていましたが、ついに歯にまで出たのかと認識してから、また悪夢を見る日が増えました。

歯は透明に見えますが、鏡に映る私はいつでも太っていて、ブサイクです。

 

先日、メンタルクリニックの先生に「もっと太らなきゃ!」と言われました。「先生、私は本当に痩せているんでしょうか?自分が痩せているのか太っているのか、分からないんです」と返すと、先生は「あ、歪んで見えちゃうんだったわね。頬がこけているから、せめてもう少し食べる量を増やしてね」と言ってくれました。

昔なら、その言葉を聞き流していたと思います。でも、今はもう脅える必要がないという認知が、私に安心感を与えてくれています。

鏡に映る自分は相変わらず歪んでいますが、歯が透明で、治療した歯と色が明らかに違うので、吐く行為自体はやめました。食事の適量がどれくらいなのかは分かりませんが、誰かと一緒だとすぐブレーキがかかってしまうので、一人でいるときは逆にブレーキかけられないため、いつも気遣っています。

 

摂食障害になってから、もう30年以上が経ちました。今はまもなく寛解と思っていますが、鏡に映る自分は、相変わらず「デブでブス」です。

https://note.com/ub2_proj_story/n/naff42a072a0f