黒い家/貴志 祐介
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ホラーかと思っていたけど、サイコサスペンスでした・・・


サイコって言葉自体を考えている小説でもあるので、このジャンル分けで良いかどうか悩みますが。


生まれながらに犯罪者たる精神を持つ人間はいるのか?

保険制度を悪用する人間の暗黒面 にまつわるお話です。



そんなに怖くないし、ストーリーを追っていく上では特に意外なことも起こりませんが、遺伝子レベルで犯罪者となる精神をもっている人間への考察などはなかなか読まされました。


個人的には、やっぱ性格や精神は後天的なものであると思いますし、そう信じていたいです。


じゃないと罪という概念自体がおかしなことになっちゃうから。


脳に障害があって・・・なんてケースはあるにはあるんでしょうが、種族的に行き着くのがサイコパスの世界だとは考えたくないです。


そう考えちゃうとあきらめにも近いし。


そうゆうふうに世界が流れていったとしても、そこから子供たちを守っていく方法を考えてゆきたいですよね。



保険金詐欺の実例も衝撃でした。


どうしようもなくてお金に困って自分を傷つけるのならまだしも、実の子を金目当てのために殺したりする人間もいるんですよねぇ。


どうすればいいんでしょうか


理解できない人間がいる上での自分のスタンスもしっかりともっていきたいなぁ・・・と考えさせられる一冊でした。

バーバー吉野 スペシャル・エディション [DVD]/もたいまさこ,米田良,大川翔太
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私はすでに見たことあったんですが、母が見たいと言うので再鑑賞。


荻上直子監督作品。


『めがね』『かもめ食堂』あたりが有名ですね。


もたいまさこさんはこちらの監督作品の常連。


ある田舎町に住む男の子は全員が同じ髪型(吉野刈り)をしている。

そんな町に東京から茶髪でおしゃれな男の子が転校してきて・・・という小学生友情&青春物。


「めがね」とかよりもストーリーの起承転結がはっきりしているので、あれ見て苦手意識もっちゃった人も面白くみれると思います。


母と子の微妙な対立が、なつかしくてホンワカした空気でおちゃめに描かれております。


彼氏さんも一緒に見ていたのですが、チョコチョコとした「男の子あるある」に大受けしておりました^^;


トイレで個室に入った友達のドアを叩きまくるとか、Hな雑誌を回し読みだとか。


いちお女の部類で生きてきた私には懐かしさはなかったですけど、それを大真面目な日常として一生懸命すごしている小学生達をみているとなんだかやっぱり懐かしく感じてしまいました。


ほんとにこんな町が今の現代にあったら、間違いなく「虐待」になって社会問題だと思うが。


そこは、フィクションなので♪


楽しめると思いますが、年頃の小学生男子と親御さんが一緒にみると、ちょっとお子さんは気恥ずかしいかもね


地獄変・偸盗 (新潮文庫)/芥川 龍之介
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名作と言われている作品を読み直してみようキャンペーン(個人)第2弾。


といっても、夜中に『藪の中』を急に読み直したくなり上の文庫から探し出して読んだ。


あまりに有名な作品なので、ウィキぺディにあらすじ(というかほぼ要約の全編)が載ってます。→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%AA%E3%81%AE%E4%B8%AD


ってなわけで未読の方にはたぶん意味不明な読書感想文です。


『藪の中』


ん~、そんなに古くない作品でデジャヴを感じるなぁ~・・?と思いつつ読み返していて思いつく。


完璧な独白。1つの事件を様々な人が様々な語る感じ。


宮部みゆきさんの「理由」だ!!ボリュームはぜんぜん違うけれど、同じ感じ。


湊かなえさん「告白」とはちょっと違うかなぁ。


ま、「理由」は解決編というか真相があるけど、藪の中はそれがないのも違うか。



多襄丸と妻と夫の証言が食い違うのはなぜなんだろうか?


それが「殺人」の罪から逃れようとしてのことだったら理解できる。

だがこれはまったく逆。

全員が「夫を殺したのは自分だ(自殺含む)」というのだから。


誰が本当のことを言っているのかはわからない。

本当のことを言っている人物がいるかどうかもわからない。


しかし三人の内に誰かが夫を殺し、凶器の刀を持ち去った人間がいるのは事実。


多襄丸はすでに捕まっており、他の妻と夫はそれぞれ別の場所で事件に関係のない人間に対して独白をしている。


つまり、ついている嘘は物理的な身柄の安全の為ではなく、自分の内面の何かを守る為の嘘、もしくは誤解から生じている嘘ということになる。

この前提で、なぜ嘘をつくのか?なぜ自分が殺したことにしたいのか?誰かをかばっているのか?


などとつらつら考えていくと、どのようなパターンにしても、本文面からは語られることのないストーリーが湧き上がってくる。


そのストーリーは、レイプ&殺人というただ暗く汚いだけのものじゃなく、愛情とか下手すると純愛といってもいい様なものも混ぜこぜになっているのだ。


って書いて、私が想像する真相のサイドストーリーを文章におこしたら、実際に芥川が書いたページ数の数倍は軽くいっちゃうだろう。


それですら真相は結局わからずに想像でしかなく、また読んだ人間はそれをもとに想像を膨らますしかない。


多くを敢えて書かず、「真相は全て藪の中」でパシッと切り上げ、深夜の森に霧がかかっているような不吉でミステリアスな空気をムンムンに残して終わらせる芥川さんはやっぱすごい。


いつか、「藪の中」題材でシナリオ書いてみたいなぁ。


多くの映画家や舞台家の先輩方にやり尽くされてるけれど、それでもやってみたくなる。


やはり名作ってのは力がありますね。