悪の教典 上 (文春文庫)/文藝春秋
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悪の教典 上/文藝春秋
¥1,800
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内容紹介

とびきり有能な教師がサイコパスだったとしたら、その凶行は誰が止められるのか──ピカレスクの輝きを秘めた戦慄のサイコ・ホラー。2010年度「このミステリーがすごい!」第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」第1位、第1回山田風太郎賞。


中国ロケにて読了

「悪」ってものは突き詰めると純粋なもんなのかもなっと感じた。

後半は生徒たちが次々に殺されていく。

主人公ハスミンは完璧な異常者で、通常の感覚をもっている読み手からしたら嫌悪の対象となるはずなのに、ハスミンサイドから描かれているときはなぜかそちらを応援する心境になってしまう。

『しくじらずに最後の一人まで殺せ!』と思ってしまう。

また、生徒側から描かれているときは犯人(ハスミン)に異常な恐怖を感じる。
理解不能の化け物に追い詰められているという恐怖と怒りを覚える。

自分の精神に疑いをもってしまうような、巧みな文章だった。

貴志さんの作品は当たり外れがあるなぁ・・・というのは個人的な感想ですが、これは当たりだった。

映像化した作品にも期待したいが、この微妙な感覚こそがこの作品の肝だと思う。

映像はこういうのは苦手だから、ただただハスミンを異常者の化け物として半分ホラーネタみたいに描かれないかが心配。

ドラマスタッフで飯食っといていうことでもないが、やはりお客さんに物語の裏にある心理操作をしかけるってところでは映像は小説には勝てないよなぁ。。。


かたみ歌 (新潮文庫)/新潮社
¥460
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内容(「BOOK」データベースより)
不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。殺人事件が起きたラーメン屋の様子を窺っていた若い男の正体が、古本屋の店主と話すうちに次第に明らかになる「紫陽花のころ」。古本に挟んだ栞にメッセージを託した邦子の恋が、時空を超えた結末を迎える「栞の恋」など、昭和という時代が残した“かたみ”の歌が、慎ましやかな人生を優しく包む。7つの奇蹟を描いた連作短編集。 

「世にも奇妙な物語」でやっていた「栞の恋」の原作が入っていたので興味を持ち購入。


短編集だったが『アカシア商店街』という商店街のなかで時代、世代を通して起こった少し不思議なお話達ということで全てつながりを持っている。


怖そうに見える古本屋さんの親父は毎回出てくる。


最終話ではおじさんが主役。


商店街の中にあるお寺に「あの世との接点がある」という言い伝えがあり、そこから不思議な物語が生まれているという設定。


しかし、この神社の言い伝えが、すでに何本かお話が終わった後に語られるのがよい。


はじめっからそうだと「どうせ不思議設定で全部納得させられるんでしょ」と穿ったかんじで読んでしまうところが、途中でそっと登場人物の口から語られるから「ああ、そうだったんだ」と妙に納得してしまう。


怖いお話も中にはあるが、全編を通してすべてが優しい。


昭和の商店街の、町が一つの生き物のような一体感が感じられ、読んでいる途中で、自分もアカシア商店街に住んでみたくなる。


物語が進み、時代が近年になってくるとやはり実際の多くの商店街と同じくスーパーに負けマンションが立ち並ぶどこにでもある一画になってしまっているという描写もすごくリアルでよい。


そんなでも「不思議」を生み出すお寺はひっそりと残っているらしい。


自分の住んでいるすぐ近くの、かつての商店街や取り残されたようなお寺でもそんな小さな不思議があるのでは。。。などと妄想をさせてくれる一冊でした。

クレイジー・クレーマー (実業之日本社文庫)/黒田 研二
¥650
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内容(「BOOK」データベースより)

大型スーパー“デイリータウン”のマネージャー袖山剛史は、クレーマー・岬圭祐、万引き常習犯「マンビー」という二人の敵と闘っていた。激化する岬との対立関係といやがらせに限界を感じ始めた袖山の前で、ついに殺人事件が発生する…。最終章で物語は突如変貌!あなたは伏線を見破り、真相にたどり着けるか?―。



なんとなく本屋で手に取り、初めの1~2Pを読んでみて購入。


近未来系のほのぼのミステリーかな?と思っていたらとんでもなかった。。。。


結構怖い、サイコホラー並みのクレイマー話だった。


なるほど、こっち系か・・・と思いながら読み進めると、それだけじゃ終わらずにミステリーへと変化。


さらに後半の大どんでん返しに思わず「なるほど・・・」とつぶやく。


ま、ちょっと伏線が強引に入ってくるのでそこは気になったのでぼんやりと読めたりはしたが、「どんでん返しがあるぞ!」と意識していなければ流してしまうかもしれない。


私はPの残り具合とかでなんとなくそこら辺の『作り』がわかっちゃっただけだけど。


ぜひ「どんでんアリ」を知らないで読んでもらいたい。


途中で入ってくる兄弟が、世界観から異質な感じで少し気になった。


でもあまり説明も無く終わってしまうので、この兄弟がメインを張るような作品も読んでみたい。(結構気に入ってしまった・・・)