- 失踪症候群 (双葉文庫)/貫井 徳郎
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『症候群』シリーズ3部作の第一弾です。
まだ読んでませんがこれから『誘拐』『殺人』と続きます。
増加する若者の失踪事件。警察から非公式に集められた謎の先鋭チームが調査にあたり、失踪を遂げた若者達の間にある共通点を見つけ出し・・・。という感じ。
ストーリーの導入部のここだけを読むと、よくあるエンターテイメント小説という雰囲気がしますが、全然そうじゃありません。
調査チームの一人である男の一人娘の反抗期的な話があり。
失踪した一人の若者を執拗に追いかけている、暴力的な若者グループの謎があり。
失踪を完璧なものにと手引きした男の影があり。
1つ1つの要素がしっかりと重みがあり、絡みあってくるのが面白いです。
ちょっとネタバレ的になりますが、このお話は「失踪」をした若者達を無事に発見して解決!というお話ではありません。
題名に「症候群」とあるように、辛い事や苦しい事があったときにその現実と向き合ったり対立したりせずに逃げ出す、つまり失踪するというそんな若者達の背景を描いております。
エンターテイメント要素を高める為にも一役買っている、暴力的若者グループの描写もおもしろい。
とても残酷で残虐な行為をしているのに、彼等から憎悪や罪悪感は伝わってこない。
軽いノリと突発的な怒りと遊んでいるという感じだけ。
何を考えているのか、果たして考えているのか何か感じているのかがわからない。
「若者達」が焦点の話であるのに、肝心の若者達の内面の描写は表面的にさくっと描かれていて、あまり深くつっこんで書かれてないんですよね。
受ける印象は「深く考えない」「薄っぺらい」という感じ。
それだけで人を殺す。
それだけで今までの自分の全てを捨ててしまう。
そんな若者の心理が描かれていると思います。
しかも「症候群」。
病気のようにそれは広まっており、すでに浸透しているということなのでしょうか。
私もすでに「若者」ではないのでそんな若者心理は理解できませんが、すこ~しだけ知れたように感じました。
他人との距離の測り方ばかりがうまくなり、結びつき方はよくわからないってことなのかな?と。
そんな色々と深く考えさせてくれる内容が、様々な事件を絡めてサスペンスで読ませてくれるので楽しめます。
次の「誘拐」にも期待です。

