Gibson L-5 McCarty PUのVol POTメンテ | RE/F-TECH の足あと by u-tak

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旧き良きギター、アンプを中心に、修理、カスタムする小さな工房である。。。
子供たち(子役)の成長記も、ぼちぼちとお届けします。

妻と調さんがスウェーデンから帰国し、久々に家族が揃いました。

やっぱり家族は一緒が良いね~

 

そして本日8/17(土)は町内会の夏祭り!

持ち回りで当たるブロック長 兼 班長ですので、運営の手伝いです。

台風が過ぎてくれて良かった~

 

 

 

さて、8月初旬と少し前になりますが、L-5に搭載されたMcCarty PUのVolポットの調子が悪いとのことで、メンテナンスをさせていただきました。

なかなか紹介することがありませんので、ログに残します。

お預かりしたGibson L-5。

Volをフルにすると音が途切れる時があるとのこと。

 

そうそう、このL-5は6月に回路を修理させていただいたギターです。

 

その時は問題無く、その後も使用していたそうですが、急にVol フル付近で音が出なくなる様になったとのこと。

 

お預かりして確認すると、確かにノブを触っていると音が出なくなることがあります。

古いギターと回路ですので、調子が悪くなっても不思議ではありませんが、代替部品が無いのが悩みです。。

 

McCarty PUを取り外し。

はい、2か月ぶり。

Vol POT周辺の回路を確認。

特に異常なし。

Vol POTを取り外します。

ノブに目盛りがありませんので、テープでマーキング。

裏面から見てもマーキングが分かるようにします。

POTの回転と抵抗値を測定。

抵抗の特性にも、特に異常は有りません。

 

と言うことで、ここからはあまり見たことが無いと思いますが、POTを分解清掃します。

先ずは軸を留めているEリングを取り外します。

形的にはCっぽいですが。(笑)

この時、Eリングが飛んで行かないようにご注意下さい。

飛んで行くと、小さいため見つけられません。。

 

外す際は、歯科用のピッケルを2本使ってリング先端の小さなC状のところを左右に開きます。

でも開き切れないので、途中から片側を捻って剥がす感じで外します。

 

ノブに貼られたテープを剥がすと、中心に6角ネジが有りますので緩めます。

ノブが外れます。

ノブが外れたら、POT本体の軸側のプレートにカッターの刃を入れて剥がします。

ここはものにより剥がれやすかったり、剥がれにくかったりします。

様子を見て慎重に剥がします。

 

開きました。

回転子が見えています。

回転子はスプリングで本体側に引っ張られています。

本体側にC型のカーボン部があります。

このカーボン部と、回転子側のカーボン部への接点を清掃します。

カーボン部分は乾いた綿棒でそのまま拭き、ホコリや削れたカーボンの粉を取り除きます。

接点は接点復活剤を含ませた綿棒で清掃します。

 

元通りに組み戻し。

瞬間接着剤でTOP板を接着。

ここでも注意があります。

中のスプリングが干渉して上手くプレートが閉まらなかったり、プレートは閉まっても軸の回転がおかしかったりします。

 

そんな時は、スプリングが締まる方向に少し回して回転子を取付けます。

そうすることでスプリングの収まりが良くなりスムーズに組み立てができます。

注)スプリングの締めすぎはNGですのでご注意を。

 

ノブを取付け。

TOPの黒シールも張り戻して完了。

ガリが酷い様な症状で音が出なくなっていたと思われますので、回路に組み戻して出音のチェックをするしかありません。


回路に組み戻して出音チェックしましたが・・・

音が出ない事は無くなりましたが、Vol フル近くで小さなガリ音があります。。

 

うむむ・・・ どうしようか。

と考えた結果、Tone POTと入れ換えることにしました。

 

現在の回路ではTone POTとVol POTでは、POTの使う方向が違うため、Toneであれば絞り切った所でガリが出る様になります。

依頼者様にも確認したところ、Toneを絞り切って使う事は少ない(ほぼ無い)ため、演奏上の問題も無いだろうとのこと。

 

一方でToneを絞り切った部分は使用頻度も少ないため、Volに転用した場合にも問題が出ることが少ないと思います。

 

VolとToneのPOTを入替え。

L-5に組み戻して出音チェック。

問題無くなりました!

 

参考まで、このMcCarty PUはVol POTの配線をオリジナルからストラト等と同じ配線に変更しています。

オリジナルの配線ではVolをゼロから上げ始めるとすぐに音が大きくなり、5くらいからはほとんどフルの状態になります。

 

このPOTは非常に回転が軽いため、それはそれで、演奏中にノブが少し回っても音が小さくなることがありませんので、良かったのかもしれません。

 

一方で、演奏中にVolの強弱をつけたい場合には、メモリも無く操作位置が非常に分かり難いという事になります。

ストラト等と同じ配線とすることで、Volフルから少し絞るとちゃんと音量が下がってくれるようになります。

 

現代においては後者の方が好まれるのではないかと思います。

以上でGibson L-5のPOTメンテナンスは完了です。

 

 

世間はお盆休みですね。

u-takの夏休みは、9月です。

待ち遠しい~(笑)



 

 

では、また。

u-tak