Fender Japanストラトメンテ組替えカスタム その② | RE/F-TECH の足あと by u-tak

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旧き良きギター、アンプを中心に、修理、カスタムする小さな工房である。。。
子供たち(子役)の成長記も、ぼちぼちとお届けします。

ひと仕事終わって外を見ると、18時でも空が少し明るくなっていました。

春は確実に、一歩ずつ近づいていますね。

 

春の卒業、入学、入社、引っ越しのシーズン。

歳のせいか、懐かしいような、愛おしいような感覚になります~

 

 

 

さて、Fender Japan製ストラトのメンテ組替えカスタムの続きです。

前回は、ヘッド周りとネック取付面の木工部のメンテを行いました。

 

今回は、ネックの反り調整なのですが、その前に指板面の清掃を。

加熱した時に、汚れが変化して頑固に固着したり、指板に染み込んでもイヤですので。

指板の汚れ掃除にはLemonオイルを使用しています。

保湿はオレンジオイルです。

 

ギヤ~~~ かなり汚れています。

汚れを取り切った後のペーパーの写真は、あまりの汚さに掲載自粛。(笑)

 

かなり時間をかけてキレイにしました。

さて、それではいよいよネックの反り調整を。

 

先ずはトラスロッドを目いっぱい緩めます。

この状態でネックの反りをチェック。

6弦側と1弦側で反りの程度が違い、1弦側がかなり順反りです。

反りの谷は中心より少しネックヒール寄りの9Fがピーク。

 

ゲージでもチェック。

最近、両面でロングスケールもショートスケールも使える市販のゲージを買ったのですが、SUS(ステンレス)製で重くて、角も鋭利で指板面に傷がつきそうですので、結局自作のアルミのゲージを使ってます。(笑)

 

ネックアイロン用のヒーターのセット。

ネックに当てるシム板のセット。

順反りですので、1F(フレット)と21Fの先の指板面にシム板を3段入れて、反りの谷となっている9Fの裏側からクランプで挟み込んで逆反り状態にします。

1Fシム板と21F後ろのシム板に渡したゲージのフラットな背面を基準に、フレットが見えてくる程度までクランプを締めて逆反りにします。

ネックアイロンをかけても、そのプレスの形状のままにはならず、かなり戻ります。

ですので、結構しっかり逆反りになるまで押し込んだ状態にしてヒーターで熱をかけます。

 

その押し込みの度合いは、ネックの種類やヒーターの温度、保持時間なども含めて、そのシステムでの慣れが必要です。


ザックリ言うと、メイプルワンピースネックではネックアイロンは効きにくい傾向だと思います。

木自体の加熱による反り修正は、木に癖をつけるという作業になりますので、効果が出し難いです。
 

逆に、ローズネックではネック本体と指板を貼り付ける接着剤(膠)が高温になることで柔らかくなり、冷却されると固まって修正状態を保つ効果があるため、アイロンが効きすぎることもあります。

 

また、どちらのネックもネックアイロンしてからしばらくすると、反りが戻って行く場合がありますので、しばらくはネックが動かないか様子を見る必要があります。

 

ネック指板面に当たる様にヒーターを挿入します。

中央のヒーターは中央から2つに折り曲げて、プレートヒーターの下には折り曲げた厚紙などを入れて、ヒーターが指板面に接する様にします。(下の写真)

 

そして、ヒーター同士の隙間に温度計を入れて指板面の温度を測定します。

 

ヒーターに通電!

最初はAC100Vで昇温しますが、指板面の温度計が85℃を超えるとスライダックを使って電圧を落として85℃程度をキープします。

高温で加熱しすぎると、木が乾燥し過ぎたり、変色したりしますので要注意です。
指板の接着剤が緩む80℃+α程度の温度を狙うのが良いと思います。

 

指板面が85℃になってから30分~40分で、ネックの裏面まで暖かくなったら通電OFF。

 

しっかり温度が下がるまで、数時間置きます。

今回は夜に通電加熱したので、朝まで放置。

クランプを外して、修正度合いを確認。

ちょっと逆反りに修正されました。

 

ギターに組んで、弦を張ってみて、丁度フラットくらいになってくれるのが狙いなのですが・・・

少し逆反り過ぎるかもしれません。

ギターに組んで、弦を張って、反りがどのくらい戻るかも含めて、少し時間をかけて調整することになります。

 

今回はここまで。

 

次にギターに組むため、ボディーとPUアッセンブリの準備をしていきます。

 

 

 

 

さて、調さんは毎日の様に遅くまでバトンレッスン。

あと約2週間で、全日本大会ですからねぇ。

 

怪我や体調不良無く、大会に臨めます様に。

そして出来ることなら、練習の成果を発揮できます様に。 

 

 

 

 

 

 

では、また。

u-tak