ひと仕事終わって外を見ると、18時でも空が少し明るくなっていました。
春は確実に、一歩ずつ近づいていますね。
春の卒業、入学、入社、引っ越しのシーズン。
歳のせいか、懐かしいような、愛おしいような感覚になります~
さて、Fender Japan製ストラトのメンテ組替えカスタムの続きです。
前回は、ヘッド周りとネック取付面の木工部のメンテを行いました。
今回は、ネックの反り調整なのですが、その前に指板面の清掃を。
加熱した時に、汚れが変化して頑固に固着したり、指板に染み込んでもイヤですので。
指板の汚れ掃除にはLemonオイルを使用しています。
保湿はオレンジオイルです。
ギヤ~~~ かなり汚れています。
汚れを取り切った後のペーパーの写真は、あまりの汚さに掲載自粛。(笑)
かなり時間をかけてキレイにしました。
さて、それではいよいよネックの反り調整を。
先ずはトラスロッドを目いっぱい緩めます。
この状態でネックの反りをチェック。
6弦側と1弦側で反りの程度が違い、1弦側がかなり順反りです。
反りの谷は中心より少しネックヒール寄りの9Fがピーク。
ゲージでもチェック。
最近、両面でロングスケールもショートスケールも使える市販のゲージを買ったのですが、SUS(ステンレス)製で重くて、角も鋭利で指板面に傷がつきそうですので、結局自作のアルミのゲージを使ってます。(笑)
ネックアイロン用のヒーターのセット。
ネックに当てるシム板のセット。
順反りですので、1F(フレット)と21Fの先の指板面にシム板を3段入れて、反りの谷となっている9Fの裏側からクランプで挟み込んで逆反り状態にします。
1Fシム板と21F後ろのシム板に渡したゲージのフラットな背面を基準に、フレットが見えてくる程度までクランプを締めて逆反りにします。
ネックアイロンをかけても、そのプレスの形状のままにはならず、かなり戻ります。
ですので、結構しっかり逆反りになるまで押し込んだ状態にしてヒーターで熱をかけます。
その押し込みの度合いは、ネックの種類やヒーターの温度、保持時間なども含めて、そのシステムでの慣れが必要です。
ザックリ言うと、メイプルワンピースネックではネックアイロンは効きにくい傾向だと思います。
木自体の加熱による反り修正は、木に癖をつけるという作業になりますので、効果が出し難いです。
逆に、ローズネックではネック本体と指板を貼り付ける接着剤(膠)が高温になることで柔らかくなり、冷却されると固まって修正状態を保つ効果があるため、アイロンが効きすぎることもあります。
また、どちらのネックもネックアイロンしてからしばらくすると、反りが戻って行く場合がありますので、しばらくはネックが動かないか様子を見る必要があります。
ネック指板面に当たる様にヒーターを挿入します。
中央のヒーターは中央から2つに折り曲げて、プレートヒーターの下には折り曲げた厚紙などを入れて、ヒーターが指板面に接する様にします。(下の写真)
そして、ヒーター同士の隙間に温度計を入れて指板面の温度を測定します。
ヒーターに通電!
最初はAC100Vで昇温しますが、指板面の温度計が85℃を超えるとスライダックを使って電圧を落として85℃程度をキープします。
高温で加熱しすぎると、木が乾燥し過ぎたり、変色したりしますので要注意です。
指板の接着剤が緩む80℃+α程度の温度を狙うのが良いと思います。
指板面が85℃になってから30分~40分で、ネックの裏面まで暖かくなったら通電OFF。
しっかり温度が下がるまで、数時間置きます。
今回は夜に通電加熱したので、朝まで放置。
クランプを外して、修正度合いを確認。
ちょっと逆反りに修正されました。
ギターに組んで、弦を張ってみて、丁度フラットくらいになってくれるのが狙いなのですが・・・
少し逆反り過ぎるかもしれません。
ギターに組んで、弦を張って、反りがどのくらい戻るかも含めて、少し時間をかけて調整することになります。
今回はここまで。
次にギターに組むため、ボディーとPUアッセンブリの準備をしていきます。
さて、調さんは毎日の様に遅くまでバトンレッスン。
あと約2週間で、全日本大会ですからねぇ。
怪我や体調不良無く、大会に臨めます様に。
そして出来ることなら、練習の成果を発揮できます様に。
では、また。
u-tak