BOSS GE-6 修理カスタム その4 | RE/F-TECH の足あと by u-tak

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RE/F-TECHとは、ビンテージ、アンティークをこよなく愛するミュージシャンu-takが、
旧き良きギター、アンプを中心に、修理、カスタムする小さな工房である。。。
子供たち(子役)の成長記も、ぼちぼちとお届けします。

ここのところ天気が良い日が続いています。

梅雨も中休み、と言うところでしょうか。

 

本日はSiesta Cafeへお邪魔し、ティグレをテイクアウトして、神戸出身の絵本作家つがねちかこさんの講演会へ行ってきました。

 

ほんわり温かい気持ちになる、良い講演会でした。

 

Siesta Cafeのミルク出しコーヒーが気になっていたのですが、時間が無く・・・ 8月の楽しみに取っておきます。

 

 

 

調さんは試験勉強中。

合間に感覚が落ちない様にバトンを回しています。

 

ティグレを食べて、頑張ってね~!

 

 

 

 

さて、GE-6の修理カスタムの続きです。

 

一旦、改造されていたフットSW周りの回路を元通りに戻す修理を行い、そこから、改めてエフェクト時にLED点灯するようカスタム。

更に、使えなかった現行のDCアダプタを使えるようにカスタムしたところまででしたね。

ここからは、3.2kHzが効かない修理をしていきます。

 

エフェクト時にギターの音は出て、他のバンドの周波数域は変化するのですが、3.2kHzだけ変化しません。

でも、各ChをドライブするレイセオンのRC3403ADBは全Chが生きています。

 

また、他の半導体部品も問題ありませんし、関連しそうな抵抗、コンデンサもチェックしましたが問題ナシ。

 

ですので、どこか経路中に接続が悪い部分があるハズです。

部品は全て問題無いのに機能しない・・・ 古い電気回路では、たびたび経験してきたパターンです。

 

こういう時は、、、

いつものシグナルトレーサー!

毎回言っていますが、単なる380アンプ+スピーカーで、入力をテスター端子にして音声信号を追いかけるというシンプルなものです。

 

あ、そろそろ380アンプも若い人には馴染みが無いかもしれませんね。

LM380と言うIC1個で出来る、比較的増幅率の高いアンプです。

LM380でなくても、小信号を増幅できるアンプなら何でもOKです。

 

極端な話、ギターアンプを使って入力のシールドケーブルの片側を端子にしてもOKですね。

 

これを使ってどこまで信号が生きているか、上流からトレース(追跡)して行きます。

(写真はイメージです。入力がつながっていません!(笑))

結果、メイン基板から6バンドのスライドボリューム基板につながる多芯のフレキシブルケーブルの3.2kHzラインが断線していると判明。

上の写真は修理後の写真ですが、フレキシブルケーブルの右から2番目が断線していた3.2kHzのラインです。

 

電線の芯線がビニール状のフィルムから出る付け根の部分で折れて切れている状態でしたが、一連がフィルムでつながっているため、外観からは分からない状況でした。

 

併せて切れかけていた右から1番目のラインも修理。

 

このフレキシブルケーブルは同じ芯数の代替品が手元になかったため、切れている電線のメイン基板へのはんだ付け部は残したまま、フィルムに入っている根元部分に金属線を打ち込んで修理しました。

 

金属線と言えば聞こえは良いですが、はんだ付け性を考えて、カットしたツェナーダイオード(今回の修理で使用したもの)のリード線を活用!

 

右から2番目の芯線部分は見た目も分からない様に美しく仕上がりましたが、1番右は少しフィルム内で曲がりの外側に寄ってしまいました。

機能は問題ありませんので良しとします。

 

これで機能も含め全て正常、エフェクト時にLED点灯のカスタムも完了しました。

 

最後に今後も長く使える様に、経年劣化が最も出やすい電解コンデンサをオーディオ用の耐熱性の高いものに交換します。

 

が、ここで遊び心が・・・

はんだを吸取り線でキレイに除去し、、、

 

レイセオンのRC3403ADBを取り外し!

今となっては貴重なICです。

 

外したところには14PのICソケットを付けて、RC3403ADBを戻します。

そしてもう一つのRC3403ADBも取り外し。

こちらもICソケットを取付けて装填。

こうしておくと、TL074などの互換ICとの音の違いも楽しめますし、RC3403ADBを別途入手した際に、差し替えて実動作チェックにも使えます。

 

ビンテージのOD-1の修理があれば、一旦RC3403ADBをここから借りて使う、と言う可能性もあるかもしれません。

 

最後に電解コンデンサを交換。

全てオーディオ用のMUSE、ESシリーズに交換します。

 

参考まで、1μF 50V x3、10μF 16V x1、33μF 16V x1、100μF 16V x1、です。

 

1μFの信号部分に使われるものは音の変化を確認しながら容量を変更しようかとも思ったのですが、色々吟味する時間も無さそうでしたので、取り敢えず元の定数のままです。

 

そうそう、古い基板はパターン剥離に要注意です。
先般のGR-300修理の際も発生しましたが、今回も。。

 

先ずは1個目、10μ16Vを交換。

はんだ吸取り線でハンダを除去。

 

ここはパターン剥離は発生せず、無事にコンデンサを取り外し。

無事に交換。

次に33μF 16Vを交換。

ここも無事にコンデンサを取り外し出来ました。

33μFも交換完了。

続いて、100μF 16Vも無事に取り外して交換。

今回は問題無かったかな、と思って写真を撮るのを省略し始めたら。。

1μF 50Vを3個交換する、最後の1個でパターン剥離発生。。

今回も丁寧にハンダ吸取り線でハンダを除去したのですが、取り付けられていたコンデンサのリード線のカット断面が広がっていてパターンの穴を通らず、パターン面に干渉してはんだが残り、それを抜こうとして力を加えた際に、パターンを剥がす方向にも力が加わり剥離が発生してしまいました。。

 

リード線のカット断面が広がった部分をキレイにカットして、パターン面はキレイに剥がれた状態で取り外しはできましたが、その剥離時の写真は作業に没頭していたため撮れず。。

 

コンデンサ取り外し後の浮いたパターン。

こういう時は、パターンを瞬間接着剤で留めます。

 

何でも良いと言う訳ではなく、熱にも耐えて基板と強固に付くものでなければなりません。

GR-300の修理でパターン剥離が発生した際に、色々な接着剤を試しましたが、セメダインCの3000ゴールド、これが一番良かったので、これを使います。

特にガラスエポキシ基板では、基板の成分と反応してガッチリ着きます。

(今回の基板はフェノールっぽいですが。。)

 

写真では代わり映えしませんので、何だか良く判りませんが・・・

パターンからはみ出た接着剤は適度にティッシュや綿棒で拭き取って、キレイに接着します。

 

全ての電解コンデンサの交換が完了。

他のコンデンサも音質の変化を確認しながら交換すると楽しそうですが、時間的な余裕も無いため最低限で完了です。

 

RE/F-TECHのロゴを貼って完成!

完成後の外観。

 

このGE-6修理ブログの初期に書きましたが、銀ネジは欠損していたため新しいリプレース品を取付けています。

 

GE-7も持っていますが、エフェクトのレベル調整も、一番上の6.4kHzも、無くても全然使い勝手が良くて、これはこれで良いエフェクターだと思います。

 

 

 

  

さて、リアルではまたまたPU修理をしています。

断線部位を見つけ出すという佳境は超えて、コイルを巻き戻し中です。

 

こちらも機会があればログに残したいと思います。

 

 

 

 

 

 

では、また。

u-tak