Fender USA 1961年製ストラトPU修理 その1 | RE/F-TECH の足あと by u-tak

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本日5/18(木)の舞台恐怖コレクターはマチソアでした。

u-takは行っておりませんが・・・

ご観劇にお越しいただいた皆さま、有難うございました。

 

調さんが笠松役で出演中の舞台恐怖コレクターは5/21(日)までです!

よろしければご覧ください!

 

 

さて、Fender USAの1961年製ストラトPUを修理させていただきましたのでログに残します。

 

1961年製ですのでブラックボビン、元のポジションは黒リード線の長さから恐らくミドルです。

61年製はPP(ポールピース)の着磁がN-TOPからS-TOPへの移行期ですが、本品はS-TOP。

 

診断の結果、コイルからリード線付け根のはんだ付け部分は導通がありますので、内部断線で確定です。

 

コイルをPUカバーで保護しながら、リード線を取り外します。

外観チェック

風格のある外観

コイルの質感、ポッティングの質感もオリジナルのそれです。

PPの感じ、ベースプレート、TOPプレートの厚み感からも、オリジナルの61年製と判断します。

コイルはAWG42のHFV(ヘビーフォームバー)ですので皮膜が厚く、8000から8500ターン巻かれているとパツパツです。

 

参考まで、このPUのコイルワイヤーはΦ0.075〜0.076mmでした。

過去に修理させていただいた他の61年製も同じくらいの太さです。

近年もののAWG42HFVはΦ0.073くらいですので、これを測ればオリジナルかどうかの判断の一助になります。

 

早速いつものコイル解き機にセットし、コイルの巻きパターンを記録しながらコイルを解いて断線部位を調査していきます。

すると・・・

 

ベース側からTOP側に60ターンで行って、ベース側へ戻ってきた125ターンで断線部位発見。

 表層かつベースプレート寄りですので、経年でコイルの劣化が進んできた所に、何かベースプレートに力が加わってコイルにも力が加わり、断線に至ったのではないかと推測します。

断線部を接続。

接続部はエナメルコーティングして絶縁しています。

 

手回しの巻き線機にて、出来るだけ元のイメージでリワウンド。

コイルに接続部が見えない様にコイルを巻き戻し。

 

コイルの巻き終わりをハトメにはんだ付けし、リード線を付けます。

毎度のことですが、ベースプレートの穴にロウ引きされた布巻き線を通すのが、通り難くて一苦労です。

オリジナルの白線も、被服が擦れて薄くなっています。

 

無事にリード線取付け完了。

白線の被覆が既に薄くなっていたため、若干通しやすかったように思います。

今回は表層での断線だったため、ポッティングはせず、表面を注意深く擦って摩擦熱でロウ材を馴染ませる程度にしました。

ポッティングをすると経年の汚れが溶け出してキレイになり過ぎますし、コイルの中に浸透しすぎると鳴りが変わってしまいますので。

 

これで、このPUの修理は無事に完了です。

引き続き、同時に依頼があったもう一つのPUのリード線交換にかかりますが・・・ 本日はここまで。

 

そう言っている間に、また次の修理依頼が。。。

 

 

では、また。

u-tak