Fender USA 1976年製 テレDelux ハムバッカー修理 | RE/F-TECH の足あと by u-tak

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RE/F-TECHとは、ビンテージ、アンティークをこよなく愛するミュージシャンu-takが、
旧き良きギター、アンプを中心に、修理、カスタムする小さな工房である。。。
子供たち(子役)の成長記も、ぼちぼちとお届けします。

今週から、長男は交代で休むメンバーの分も忙しく働き、長女は後期の授業レッスンが始まり、、夏が終わって行く感じがします。

朝も少し日が出るのが遅くなってきました。

 

調っちは演技披露があるのでバトンレッスンも再開。

受験生なのでオープンキャンバスへ出かけたりも。

夏休みの宿題は、大丈夫なんだろうか・・・

 

 

さて、記念すべきPUの修理を行いましたので、ログを残します。

そうです、u-takが初めて修理したPUです。

 

縁あって、再び修理することになりました。

前回の修理が悪くて・・・なんてことではない様に祈りながら。(笑)

 

1976年製、Fender USAのテレデラックスのリアPUです。

現在のワイドレンジハムバッカーのビンテージですね。

PUカバーは一旦外されており、内部チェックの上、断線判断して送られてきました。

下側のボビンは導通あり。

上側ボビンが断線しています。

上側ボビンの固定ネジとPPを外します。

この時、右3本と左3本がどこに入っていたか、分かるように写真の部品配置のまま置いておいたのですが・・・最後に間違え、磁極を逆に入れてトラブルとなりました・・・

見た目で分かり難いため、要注意ですよ!!!(反省)

 

断線しているボビンを取り外し。

外周の保護テープは粘着剤がコイル側に移ってしまっていて、再利用が難しい。

前の修理の際は再利用した。

(再利用できるくらいのコンディションでした。)

 

外周のテープを除去し、コイル解き機にSET。

今回はコイルの巻き癖の記録は、前回無我夢中でコイルを巻いた状態ですので割愛。

ターン数だけカウントします。

 

結局、前回の断線修理時に何度か接続した中間部分では断線は無く、断線部はコイルの巻き始めでした。

しかし、ここも実は前回の修理ポイントでした。

確か、断線部を見つけてコイルを巻き直している途中で、巻くコイルに擦れて巻き始めが断線し、処置として端子側にメッキ線をはんだ付けして延長し、そこに巻き始めのコイルをはんだ付けしていました。

 

そこが断線していました。。

 

今思うと応急処置的ですし、しっかりコイルとメッキ線のコンタクトも取れなかった(半周か一周巻いたくらい)ですし、やっぱり弱かったのかもしれません。

 

コイルは全て解いて、6496ターンでした。

途中断線(前回接続した部分含む)は7か所。

 

ボビンには端子面に「010194」の刻印。

前回修理時に取り付けたメッキ線の延長

それをキレイに除去

手回し巻き線機にセットしてコイルを巻き戻し。

前回はボビンの1弦PP(ポールピース)、6弦PP内側の小さな穴に針金を入れて、ボビン持つ握りを作り、右手でそれを持って、左手でコイルを巻いたと思います。

そこから考えると、進化しました~

 

コイルの偏りデータは無いので、基本80ターンでボビンの上から下までを上下する様に巻き戻します。

 

巻き戻し完了。6573ターンでした。

途中で、手回しハンドルとの重量バランスを取るため、PPをボビンに挿入しました。

その時に入れる方向を間違え、磁極が逆になりました・・・

 

前回修理時は手で直接巻いたため、かなり緩く巻いた記憶があります。

また、コイル同士の交差も多かったと思います。

今回、それなりにコイルが浮かない様程度のテンションで巻き、コイルも前回よりは整列していますので、巻き数が増えたと思われます。

この状態の方が、オリジナルに近いのではないでしょうか。

コイル端を端子にはんだ付けして巻き線は完了。

コイルも良い感じにパンパンに巻かれています。

 

外周の保護テープはGibsonのハムバッカー修理でも使用する黒の紙テープを使用。

下の樹脂フィルムの様なテープがオリジナル。

 

巻き直し後の導通チェック。

抵抗値は断線していなかったもう片方とほぼ同じ。

因みに、もう片側のボビンも、前回巻き直したと思います。

 

配線をはんだ付けして戻す。

ベースプレートにネジ止めし、PPも全数セットして再度導通チェック。

DC抵抗値は10.7kΩ at 30.5℃(テスターは0.4kΩ低く出ています。)

 

端子部がPUカバーでショートしない様、絶縁布テープ貼付け。

PUカバーを装着。

PUカバーをはんだ付けして修理完了。

サウンドチェックはこのPUが入るギターが無く、いつものサウンドチェック用ストラトの弦の外側にPUを置いてギターアンプで鳴らして確認。

 

そうなのです。

単品ならちゃんと音が出ているように聴こえるのです。

しかし、ギターに搭載してフロントPUとMixすると、カスカスのフェイズトーンになってしまいました。。

 

これも、実は前回の修理時に体験していたのですが、今回はPU単品での修理だったため、経験を活かすことが出来ませんでした。。

残念。

 

現在はPPを入れ直して、問題無く鳴っております。

 

 

 

いやはや、前回の修理の気になっていたところでの断線でしたので、少々悔しいのですが、修理から16年?17年?経っていますので、恐らく巻き始めのコイル接続部自体は問題なくはんだ付けされていたのですが、メッキ線で延長していたため、微小幅ではありますが、振動しやすくなっていたのではないかと推測します。

 

繰り返し振動することで、はんだ付けされたコイルの付け根部分が疲労破断したのではないかと思われます。

 

そのギターは元々私が酷いコンディションのものを購入し、レストアして所有していたものでした。

購入した方は結構良く弾いてくださっていたようで、修理依頼をしてくれたショップさんから、演奏動画も残っていると教えていただきました。

現在もレコーディングに使用してくださっているとのこと。

かなり有名な方の様で、有難いことです。

 

壊れてしまったビンテージパーツを直す楽しさ。

初心を思い出させていただきました。

 

 

 

 

 

では、また。

u-tak