エンジニアのための記号論入門ノート① | クラスタ民主主義システム研究室

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☆学習とディベート☆ ☆ネットワークデモクラシーを夢みて☆ 
☆教育ディベートを推進しよう☆ ☆「complex system」で思考してみよう☆「ネットワークデモクラシー(Demoex)研究室」からタイトル改題しました。 

まず、エンジニアのための記号論入門ノートの「はじめに」から読んでいくことにしました。

「はじめに」
http://www.wind.sannet.ne.jp/masa-t/isej/jise00/hajimeniB.html

以下、引用
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記号論を学んでいく上で覚えておくべき学者は、ソシュール、パース、ストロースの三人。

ソシュールは言語学、パースは自然科学、ストロースは人類学が専門で、それぞれ趣きが違う。

システム(体系)とその構造に興味がある人はソシュールの記号学へ、オブジェクト指向技術や推論に興味のある人はパースの記号論へと学習していくと良い。

記号論は、表現とその意味の関係を探求すると言える。

意味を表現する工程が開発や設計、表現の意味を解する工程が解析や分析。

つまり、意味の表現、表現の意味をスムーズにやり取りすることを目指す。

意味が明確に伝わる記号を、記号論では、様相(モダリティ)の高い記号と言い、様相を高めると、上手く伝わる。

「我々は記号の世界に生きている」

記号および記号の集合であるテクスト

記号の意味することを規定するものを記号論ではコードという

なんでも記号なんです。『初心者のための記号論』の著者のダニエル・チャンドラーが言っているように、我々は‘意味を作る欲望に動かされている種、ホモシニフィキャンズ'なんです。しかも、その記号は、我々が気付かないなにものかによってその役割や意味が規定されています。

ソシュールは、記号の2要素モデルを提案し、記号>は記号表現(シニフィアン)記号内容(シニフィエ)で構成されると定義しました

記号内容は意味なので、記号は表現と意味から成り立つ…といえる。

これに対し、パースは3項モデルを提案

    記号 = F(記号表現、記号内容)
         F:関数
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以上、引用




ザーッと一読すると、二項対立の話しもあり、これは人の意識に根ざす陰陽や表裏と同じであり、私の理解と同じ結論だった。

いま、人工知能でやっていることは、テクスト解析など、この記号を読み解くことであり、学問の根っこは同じだ。いずれも人間が生み出した「意味付け」を解析するのだから、当然ながら理論は共通で、足し算を人間がやるか計算機がやるかの違いでしかない。

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だから、記号論の中には、意味論や構文論が出てくる…

また、面白いのは、使う記号により、人間の思考が左右されること。

ドイツ語で考えればロジカルで実直になり、中国語で考えれば自己中心で実利になり、日本語で考えたら曖昧で先延ばしになる…と、アマゾンの中のある書評でマルチリンガルの人が書いていた。





何を言いたいかというと、最近の日本の教育では、考えることが教育されてこなかった…ということ。

日本の教育を受けると、教わった通りに、学習結果を反復していく…

朝日は反日だと教わると、その解答が正解となるよう反復学習するし、アベは許さないと教わると、その解答を強化するよう予習復習を繰り返す。

その原因は、記号を理解するシステムに不備があるに違いない…という結論に至った。

つまり、「朝日」という【記号表現】に反日や敵という【意味】が世論操作で刷り込まれた人々や、同様に「安倍」や「内田」という【記号表現】に下衆や悪人という【意味】が世論操作で刷り込まれた人々が増え、日本の世論が二分し分断されてしまい、日本の思想や思考が硬直してしまっている…

今の日本を始めとする全世界は、一般意思の構文論的構造に歪みが生じてしまい、支離滅裂…

だと仮定すれば…

どの記号の解釈のやり方が間違っているのか解明し、その過ちを修正した人間用の「プログラム言語」を新たに開発すれば良いはず。

その一つは、集合体における記号表現の誤解。

もう一つは、意味付けに用いるデータの誤謬。

その辺りの誤りを正すには、構文論的構造を簡素化し、問題点を洗い出しやすくするべき。さらに、論理を視覚的に表現する「記号」を開発して、見やすさを追求してはどうだろう。





論考上、朝日全体と朝日一社員の区別がついていなかったり、米軍全体と米軍一兵卒の区別ができていなかったり…が多発する日本の現状は、日本におけるこの50年間くらいの学校教育の失敗に起因するのだろうから、現状を刷新するには、イノベーションが必要だと思う。