コンステレーション（constellation）はもともと星座という意味ですが、ユング心理学では布置・配置という意味で使われていますね。これも地図化だと思うのです。
用語には様々な言葉がありますが、言っていることは同じことってよくありますね。「constellation」の中には「stella」というスペルもありますから星や宇宙のような空にあるものという意味も含まれているのでしょう。この布置は私たちの心と繋がっていますし占星術が関連している過去とも繋がっているように思います。
偶然、共時性、星のような配置、未知の采配…
この布置を考える時、外の出来事ばかりではなく、私たちの内にある脳の構造のことも考えてみるべきでしょう。
己と他者、内と外、脳（心）と外部、主体と客体…そこには相互性があり切り離せません。
私たちに心があるからこそ、心と外とが共鳴するわけです。
なぜ小説を読んだり映画を観たりして感じるのか？といえば、私たちに心があるからであり、私たちの心は己のモノではなく、ご先祖から受け継いだものであり創造されたものです。己は己のものではないという基本も押さえておくべきですね。
己は己のものでなければ、己の自由は誰のために存在するのか…。
自分勝手のためではないことは明白でしょう。
自分のためである前に自分の存在理由のためであるはずです。
心には衝動や欲望や感情があります。
私たちの心自体に元来から配置（コンステレーション）があるので、その己の心に呼応してピッタリとマッチした時に必然が生じ直感を感じる…
アニマ、アニムス、トリックスター、ペルソナ、老賢者、幻想…など脳から生じる心象風景は「樹海の中に現れる空間」であり誰でも心の地形の中に在るものです。
衝動にも、欲望にも、感情にも、それぞれに定型があり、それぞれが実態のない幻想（仮説）であることが多い…
色不異空、空不異色、色即是空、空即是色、是諸法空想、不生不滅、無苦集滅道
海辺のカフカでも中心テーマだった「仮説」とは幻のことであり、宇宙の時間軸で考えれば私たち己自身も刹那の一瞬に実体化した幻に過ぎません。
この誰かに創られた一瞬の実体化は何のためか？？？
私たちの存在価値は、己がドラッグなどの快楽にふける自由のためのはずがなく、存在理由を実現するため自己責任で自律するためにこそ自由は己に与えられているのでしょう。
外界から影響を受けて生命が進化してきたわけですから、外界に適するように「心」はできているはず。
つまり、地形地図、社会地図、心象地図、生命地図など様々な人間が造り出した地図（配置図、関係図）はヒトの「こころ」が造ってきたものですし、主体の心と客体の外部は相互に関連して変化していくわけですから、相似性があるに違いありません。
人類はみんな自分勝手に生きる新自由主義に毒されていて、ドラッグを楽しむ自由、快楽に溺れる自由、好きなように生きる自由だけが尊重されており、生命や人類が生まれた存在価値を示した地図と羅針盤を見失っています…
だからこそ、私たちは私たちの存在理由を示した地図・布置図・配置図・関連図を思い出してみるべきだと思います。みんなが各自の存在意義を共有できれば、思い込みや誤解に流されて怒鳴りあい衝突しあうようなことが無くなるのではないでしょうか。
解脱、離脱、空、無、幻……己に固執するなと「悟り」はすべて同じことを言っています。
そんな進路を示してくれる布置図（コンステレーション）の典型を見つけてみたいと思います。
その答えは私たちが語り継ぐ物語に在るに違いありませんから。。。
